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ゴール騒乱 16

短編で投稿した「始まりの森 モエナの災難」の続編になります


https://ncode.syosetu.com/n4919ie/

モエナはぎゅっと【破魔の大弓】を握りしめて


「ナナシ君、民をこれ以上苦しめたくない。泣かせたくない」


モエナはほほを濡らしながら宣言した


怪植物になったすべての民をルーンの元に帰すとモエナは決意する



大きく右にそれたモエナの弓矢は闘技場の観覧席最上段に突き刺さる


「グェェェェェェ」


顔を射貫かれたコルパス宰相が観覧席を転げ闘技場の中まで落ちてくる


矢はコルパス首相に刺さったまま光の魔法陣を形作り


「グォォォォォォ」


苦しむコルパス首相の首から上が魔法陣と共に光の矢となって天に(のぼ)


残された首から下はその場に倒れ動かなくなる


モエナ汗だくである


「これは不慮の事故だよね」心の中でつぶやき、ナナシ君を見る


モエナと視線を合わせないようにナナシの目が闘技場東門のキース聖騎士長に流れる


しかしそこにキースはいなかった


【破邪の大剣】が上空から闘技場に高速で落ちてくる


大剣が地上に突き刺さり轟音とともに噴煙が巻き上がる


「キャシュさん、早いまだ旗の影は出口にかかっていない」


ナナシは騎士キャシュがしびれを切らし動き出したと思った


噴煙の中なら首のないコルパス宰相の体が転がりでる


キースが飛び込んで首無し死体に聖威の手刀を打ち出す


首無し死体がゆうゆうと左右に動きキースの手刀を避ける


それを見たナナシもモエナもコルパス宰相の死体が人ではないと理解した


魔族    知恵ある魔物


キースが首無し死体から距離を取ると同時に死体のちぎれた首から血の代りに瘴気が噴き出す


「いい感じに盛り上がっていたんですがね」


何処か緊張感のない声が聞こえてくる


ちぎれた首から細い両手が出てくる


両手に続いて頭 胴 腰 足とまるでコルパスという古着を脱いでいくように裸の魔族が現れる


その魔族は一見すると小鬼(ゴブリン)のように見えた


見た目は10歳児ほどの身長だが、猫背で年老いた老人のような姿


手足はちょっと(ひね)れば折れてしまうくらい干からびて細く、アンバランスに長い


しかしその者が持つ雰囲気・威圧感は決してゴブリンなどではない


魔族は右足で地面を軽くタップする


すると地面から怪植物の根が伸びてきて魔物の体に纏わり着き土色のローブと奇怪な形の杖を作り出した


「自己紹介した方がよいのかなぁ

僕からすれば皆さん知らない(なか)じゃないんだけど

僕の名はマミュー ネクロマンサーのマミュー

魔王軍幻影将軍ポゥ様の部下だよ」


「魔王は100年前に滅びた

魔王軍の残党という訳か

随分ゴールで勝手な真似をしてくれたな」


キースが頭上に【破邪の大剣】を戻しながらマミューを睨む


マミューと名乗った魔族は首を斜めにして嬉しそうに笑う


「きゃきゃきゃきゃ

貴方達の元にも勇者が生まれたでしょ~

僕たちの元にも新たな魔王様が誕生しない訳ないじゃん

僕は新魔王軍のマミューだよ」


新たな魔王軍


キースはマルル様の予言が何を意味するか、今理解した


新たな人魔戦争がおころうとしている。ここゴールから


「僕は今回とっても苦労したんだよ。がんばったんだよぉ

大公を(あお)って独立させたり、戦争させたり

人面樹キメラの種を国中に植え付けたり

知っているかい人面樹キメラの種は成長して発芽するまで3年も掛かるんだよ

しかも人族の負の感情を肥料としているから嫉妬させたり、恨みや怒り、妬み・不安といろいろ世話してあげないと育たないから大変なんだよ」


闘技場出口へ向かっていた人面樹はキースたちを逃がさないように取り囲む位置に移動している


「希望や夢がへし折られ絶望に代わる時

人面樹のつぼみは花を咲かせるんだ

きゃきゃきゃきゃきゃ

見てごらんよ。なんて素敵な花畑じゃないか

ゴールに潜んで7年コルパスの皮を被って3年、やっと僕の苦労が人面樹の絶望の顔で報われたと思わないかい」


「戯言は終わりか。下種魔族」


【破邪の大剣】が更に輝きを増す


光を受けて人面樹が干からび始める


モエナが【破魔の大弓】をマミューに向ける


ナナシがマミューに向かって切りつける


マミューは手に持った奇怪な杖で龍剣を華麗にいなす


「君が龍剣抜いたんだね。僕も挑戦したんだよ

黒騎士を新魔王軍に勧誘(スカウト)したけど【二君に仕えず】なんて

古風なこと言うから思わず呪っちゃたよ

ハハハハ」


龍剣は確かに触れるものすべてを切ることができる


しかし剣を振るうナナシは剣の扱いを知らない


ただ右に左に上から下に振り回しているにすぎない


黒騎士の夢の中で死ぬ思いで剣の扱いを伝授されたが、ナナシの体はまだそれに付いていけない


モエナが矢を放つ


マミューは左手で矢をつかむ


たちまち矢は光の魔法陣を描きマミューをルーンの大穴に飛ばそうとするが


マミューは自らの左手を切断すると左手のみが魔法陣と共に天高く消えていく


マミューの体中から根が伸びて、切断された左手を復元する


続けてキースの大剣が横殴りに振るわれる


ナナシは慌ててマミューから距離を取る


大剣は周りの人面樹共々マミューを胴から真っ二つにするも、上下に切られた体は何事もなかったようにくっつき再生する


「素晴らしい

皆さんそれぞれ素晴らしい力をお持ちだ

しかしパーティとしての連帯は皆無

シスターモエナも騎士もどき君も能力を使い切れていない

キース殿もその二人に遠慮して本気では、大剣を振るえない」


ゴール騒乱がいよいよ後半戦に突入しました

これも読者の皆さんの応援のおかげです 感謝

今回から後書きで補足説明をさせていただきます


龍剣を抜こうとした人族が悪夢を見たり魔力欠乏になっていたのはマミューの呪いによるものです

本来の龍剣はただ抜けない剣でしかありません


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