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第七話 風呂場には良い思い出がなさすぎる件

──ガチャ




「たっだいま〜!! 猫耳メイド! バニーガール! ってあれ? 誰もいないの──」


「篠崎────ッ!!」


「──ッ?! ちょ、おま」


──どた


一心不乱にこちらへ向かってくる彼女に太刀打ちすることは出来ずに、俺はシンプルにキックされた。ああ、全く意味が分からない。


「……ったたた。……って裸で何やってんだ、雨」


予想に反し俺を迎えてくれたのは、すっぽんぽんで姫乃によく似た超絶可愛い女子小学生だった。


「雨っ?! ナニやってんの?!」


すると一目散に風呂場から顔を出し姫乃が反応した。ナニやってんの?! はこっちのセリフなんだがな。因みに雨、と言うのは俺の幼馴染姫乃の妹である。


姫乃雨(ひめのあめ)。おそらく俺を嫌っているであろう要注意人物リストの一人でもあるやつだ。


「篠崎。危険」


彼女は俺を睨みつけた。


「……はい?」


「篠崎。変態」


このように俺は姫乃雨に完璧に嫌われている。早々に危険変態呼ばわり、これじゃあ先が思いやられるな。


「篠崎ッ! 篠崎───ッ!!」


そう言って雨は再び俺に向かって突進してきた。


「…………!」


さっきは油断していたこともあり雨に注目することはなかったのだが突進して来る雨……い、意識してみると……。





これ以上考えるのはよそう、なぜならおれは紳士だ。


服を着てない雨の未発達な乳や無毛な陰部を見たところで……興奮するような如何わしい趣味はっ、生憎持ち合わせていないっ。


いや、しかし……気分が昂って……いいやっ、大丈夫だ、理性を保て篠崎絃っ! お前は美少女だからといって誰にでも欲情するような漢ではないはずだ。お、おれはっ幼い女の子の裸を前にして欲情するようなっ、男ではない……!


──どた


「……おっふ」


♢ ♢ ♢


あれから話を聞いたところ姫乃たちは風呂へはいるところだったらしい。そこで俺は雨と俺とのルーチンのせいで無毛な陰部と未発達な乳に攻撃(ごほうび)を受けたというわけだ。


お二人さんはお風呂へ入り、一方の俺は二人の残り湯を堪能すべく浴槽のお湯を今か今かと心待ちにソファに腰かけている所だ。


ほらほら早速……?


「はー! いい湯だった!」


ターゲット視認。姫乃が風呂上がりリビングへご登場だ。


「そうかそうか! そんじゃあ、俺も早速風呂(のこりゆ)へ行かせてもらうぜ」


俺は足早にソファから立ち上がり風呂へ向かった。夢と希望がつまった今日の浴槽へ。今日の浴槽は一味も二味も違うだろうなー♡ 


その間姫乃に止められたような気がするが気にしないで進もう。姫乃は残り湯の心配でもしたのかな?? 安心しろ姫乃。俺が無駄なく使ってやるからなっ。





「ふ〜んふんふん」


無事風呂場へ到着した俺は鼻歌交じりに服を脱ぎ始めていた。一応姫乃の脱ぎ残した下着がないかチェックしてみたが案の定片付けられていた。



……と思ったが、何やら俺の下着ではない下着がそこには置いてあった。姫乃の下着にしては小さすぎるし俺の下着にしては華美で男らしくない。


「……まあいいか」


正直に言えば別にどうでもいい。コイツが誰の下着であろうが関係ない。俺のお目当てはすぐそこの浴槽(のこりゆ)だからな。


そう言って俺が扉を開けようしたその時、『ピーンポーン』どこからともなくチャイムの音が部屋中に鳴り響いた。


……まずいな俺はもう既に服を脱いじまっている。……だが大丈夫、こんな時の姫乃様だ。


「姫乃ー! ちょっと出てくれないかー?」


俺は風呂場から顔を出し姫乃に告げた。が姫乃は俺が思っていたよりも仕事がはやいやつだった。


「はい!」


『引越し挨拶に伺いました。今、お時間よろしいですか?』


引越し……? ああ、そうか。最近越してきた奴がいたような気がするな。挨拶回りに来たって訳か。……いやそういうのって俺が出るべきなんじゃ……。


「お時間よろしいです!」


…………こちらの声が届かないのがもどかしい。


──ガチャ


俺は気づかれないようそっと死角へ移動した。


「初めまして。先日隣に引越してきました──」


「初めまして! 私の名前は……」


そういうと姫野はハッと驚いたような顔をした。俺の家をあたかも自分の家のようにくつろいでいたのかは知らんがはた迷惑な奴だ。私は篠崎の友達だとか何とか言っておけばよかったところを……


すると姫野は溜息交じりにスマホを取り出した。



『アンタ、これどうすんのよ』



「んなもん知るか。お前が出たんだろ?」



『そんなこと言ったってどうしようもないじゃない!』



「……仕方ない。俺の友人をなのっておけ。いま服をきてそっちへ向かう」



『分かったわ』


全く、折角の残り湯タイムがおあづけかよ……。俺は渋々脱いだ服を再び着始めた。まあ仕方ない。目の前のご褒美をじらされるのも悪い気はしないしな。


そんなことを考えていると風呂場のドアがガタガタいい出した。その瞬間俺は思い出した。


姫野姉妹が来ているにしてはやけに平和だった。特に雨がいるにしてはな。リビングに雨はいなかったはずだ。ということはそういう事だ。姫乃のヤツ一言くらい言ってくれよ……


いや、ついさっき俺が風呂に入ろうとしたときに止められたのは伏線だったのか……!


なるほど、ってことはここにあいつがいる可能性はほぼ百だ。だが大丈夫、雨に俺がここへきていることを悟られなければいいのだ。


内心焦りつつも自分をどうにか沈ませた。そーとそっと


……が案の定扉は開き中からは雨のご登場だ。


「篠崎────ッ!!」


や、やめろ雨、! いくら予想していたとはいえ心臓に悪いぞ!



「どうかしましたか?」


「あ、ああっと。実は私ここの住人の幼なじみで……」



いや待てよこれはまずいんじゃないか? 玄関には隣人と姫野がいたはずだ。このまま雨に押し出されてしまえば次あわす顔がないぞ……! それに俺はまだ服を着ていない、無論雨もだろう。


このまま俺が押し出されて雨に馬乗りでもされれば……!!!



「すみません、もう少しで来ると思うので……!」


「いえ、とんでもないです!」


だがしかし俺の意思など届くわけなく


──どて


「もう篠崎、アンタやっと着替え終わっ──」



「──え? 篠崎、くん?」


派手な登場をはたした隣人(おれへ二人の視線が突き刺さる。


裸の美少女に馬乗りされる裸の俺



「さ、咲良?!?!」



幸か不幸か隣に越してきたのは 


加藤咲良だった。

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元の文がぐちゃぐちゃで大変でした。

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