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第十二話 作戦が始まりすぎてる件

短めです。

「あの話なんだけど。……絃君ってさ、一人暮らししてるよね?」


弁当事件から時間が経ち、とうとう下校の時間がやってきた。一緒に歩き始めてからは少し時間が経ち、そろそろ家が見えてくるかという頃、咲良は口を開いた。


「まあ、している。事情があってな」


「そ、それでさ、いつもご飯って自分で作ってるの?」


勿論自分でなど作っていない。自炊した方が安上がりで済むのかも知れないがそれ以上に面倒なのだ。


料理など大してしてこなかった俺が一から勉強し、レシピを確認しながら作っていくなど面倒にも程がある。


そこで多少、自炊と比べ値段が張るかもしれないがレンチンやコンビニの食材で三食全てを済ませているのだ。


「うーん、自炊なんて滅多にしないな。基本的にはコンビニ弁当かカップ麺で済ませている」


「そうなんだ……」


「話って俺がいつも家で何を食べているか、なのか?」


まさか話って俺がいつも何を食べているかが気になっただけなのか? 今日が特別顔色でも悪かっただろうか、いやそんなはずは無い。なぜなら昨日は姫乃に作ってもらったからな。


そんなことを考えているも咲良は恥ずかしそうに話はじめた。


「そうじゃなくてさ」

「私が絃君に作ってあげようかな? なんて」


ッ咲良が俺に料理?! 一体どんな風の吹き回しだ? 咲良は仮にでも学園随一の美少女だぞ? そんなお方が俺に手作り料理など振舞っていいのか? 俺より相応しい人がいるんじゃないか? 


……言わせてもらえば第一、俺は料理をしない。冷蔵庫をみたって空っぽだぞ。 


「ほう、そりゃ有難いが料理の材料なんて俺ん家にはないぞ?」


「それなら大丈夫だよっ」


「大丈夫……?」


何が大丈夫なのだろう。咲良が自腹で俺に払うのはないとして……俺を買いに行かせる気か? だとしても俺は大歓迎だ。なんせ材料費を払えばあの加藤咲良が手料理を作ってれるんだからな。


「ほら!!」


しかし、俺の予想と反し咲良が指を指した先には俺の家の前で大きな袋を抱える美少女二人がいた。


「おー!! やっと帰ったかー!!」


「はあ、なんで私がこんな事しなきゃいけない訳?」


そう、俺の家の前に立っていたのは姫乃と柊。それに大きな袋、咲良の反応から察するにあの中には料理の材料が入っていることだろう。


「……なんでコイツらが」


「やだなあ、篠崎は忘れたの?」


柊はジト目で俺を見つめた。


「何をだ」


「あはは、篠崎♡加藤ラブラブ大作戦だよ」


「お前……!」


信じたくないものも時には信じざるを得ない時が来る。そう、このように。

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