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第十話 もはや逃れようがない件

「──ッ?!?! げ、げっ、絃君が私に告白ッ?!?!」

(私に、あの絃君が……?! やっぱり私たちはタダのお友達じゃなかった?! 今はタダのお友達かもだけど絃君が私に告白なんてしてくれれば夢にまでみた絃君との……! しかも告白イベントは紫羅欄花祭。ッもーーーっ!!!!! 盛大にも程があるよーー!!!)


「ちょっと! 加藤さん声が大きいっ!」


柊は焦って咲良をとめようとする。


そして俺はすかさずに柊の作戦を取り壊そうと試みる。


「いやいや! ちょっ!! 告白って……んなこと出来るかァ!!」


流石に無理に決まっている。……繰り返しになるが篠崎絃(おれ)と加藤咲良なんて釣り合わないにも程がある。


たかが俺は親友の悠との学園生活を満喫しているごく普通の男子高校生。


一方の加藤咲良と言えば……


彼女は校内随一の美少女で校内での人気は凄まじい。


校内で彼女の事が好きじゃない男なんて極少数、さらには女子からの人気も尋常じゃなく、言わば校内女子全員の憧れの的と言っても過言じゃない存在だ。


俺レベルの一般ピーポーが加藤咲良の彼氏だなんて相応しくないしつとまらないだろう。


「えー? 出来ないの?? 私はいいと思うけどなー?」


柊はまだまだ諦めずに俺にせめよる。一体コイツは何を考えているのだろうか。

紫羅欄花祭なんて言う超ビッグイベントで学園随一の美少女加藤咲良に告白をするなんて、そんなこと常人じゃまずやろうなんて思わない。


ましてや俺なんて振られることが確定しているようなものだ。……その場は良いかもしれんがその後が大変なんだぞ……。


「お、お前、紫羅欄花祭がどれだけな規模か知ってんのか?!」


「勿論ッ! だからこそのお願いだもん!」


俺の訴えには聞く耳を持たずに目を輝かせ俺を見つめる柊。


すると悠が口を開いた。


「ふっ、第一に絃が加藤に告白したって盛大に振られるんじゃないか??」


「……そうだな……」


認めたくはないが最もな意見だ。悠はこの鬼気迫る状況に助け舟を出してくれたと言っても過言じゃない。


ありがとう悠、持つべきものは親友だ。とは言っても中々に失礼だからなコイツ。


「そっかー。篠崎なら振られちゃうかもね〜」


……そういう事どストレートに言っちゃうのな。


「ッ失礼なヤツめ……!」


柊はそう言うと再び考えこんでしまった。さてさてお次は何を企んでいるのでしょうか。


流石の新聞部部長もここまでだ、……というかもう、これ以上俺の楽しい楽しい学校生活を壊さないでくれ……、俺は悠とたわいもない話をしているだけで最高の学校生活なのに……ッ。


「紫羅欄花祭で派手に振られてその先、篠崎絃、加藤咲良のラブラブ記事が作れなくなるのは確かにいたいよね」


やはり柊が気にしているのは告白を振られた俺のその後ではなく記事についての事だった。


「ああ。俺の気持ちより記事を尊重するのは納得いかんが、どうにか分かってくれたようで嬉しい。……ならこの話はチャラって事でいいよな?」


俺はこの話を締めくくるように柊へ問いかける。どうにか紫羅欄花祭の件については白紙へと持っていきたいところだ。


俺の平和な学校生活の為にも。


「ん〜。でも何かイベントは起こしたいよね〜」


柊は再び考えてこむ。


「無論、起こしたくない。どんなイベントを考えているのかは知らんが是非辞めていただきたい、それに付き合わされる咲良のみにもなれよ」


どうにかイベントを阻止したい俺は、このままいけば咲良にも迷惑がかかってしまうことを告げる。


こうすれば流石の新聞部部長鈴木柊も観念してくれる事だろう。咲良にまで迷惑はかけまい。


「で、でも、、私は、イベントやってみたいなーー」


俺の予想と反し咲良は意外と乗り気だった。


──ッ嘘だろぉぉぉぉおお。


「ほら! 加藤さんもこう言ってることだしっ!!」


その瞬間、柊の顔はパァっと明るくなり手をパチンと鳴らしてみせた。


「いや、あ、でも無理にとは──」


咲良は何が言いたげにしていたが、柊はそんなことお構い無しに話を続けた。


「よおぉーっし!! たった今、ビビっと閃いたわ!!」


柊はさらに目をキラキラと輝かせ手をパチンと叩いた。


俺はとてつもなく嫌な予感がしている。柊が考えてつくことは(ことごと)く俺に不都合なことが多いからな。


「……一応、聞いておこう。何を閃いたんだ?」


「ふふ。紫羅欄花祭を成功に終わらせる為の作戦。その名も!『篠崎♡加藤、くっつけようラブラブ大作戦』ッ!!」


案の定だ。

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