2章ー1
「おはようございます颯太様
本日の朝食はトーストとサラダにオムレツを用意しております」
とてもすがすがしい朝だ
天気は晴れ
気温もちょうどよく
朝の風が心地いい
「えと、、、あの、、、、グレイさん、、?」
「もちろんコーヒーもご用意しております
お砂糖とミルクはいかがなさいます?」
「あ、両方ください、、、、
じゃなくて!!!」
「ん?紅茶にいたしますか?」
「違う違う!」
灰原颯太が慌てる
「何で朝からいるんですか、、、?
と言うかどうやって入ったんですか?」
私は灰原颯太の叔父の家に仕える使用人の一族で、その叔父からの依頼で灰原颯太の面倒を見る
という設定になった
あの夜、灰色の神は言った
「死?死だと?
一瞥くれてやっただけで小鹿のようにガクガクと震え、気を保っているだけしかできなかった貴様がか?
なんとも滑稽な話よ」
「どうかお慈悲を
私めに甘美なる死を」
「死が甘美か、、
番人よ、貴様に問いをさずけよう」
「問、でしょうか?」
「その答えをもって死を授けよう」
「有りがたき幸せ」
「心して答えよ、番人
、、、、、、人間とはなぜ生まれる?」
その問いの意味が分からなかった
人間?そんなこと考えたこともない
産まれる意味?
知るわけがない
「、、、、死ぬため、、、でしょうか?」
灰色の神は笑った
「ははははは
なるほど、悪くない
それもまた真実」
「で、では、、、、!」
「慌てるな愚かな番人よ
それでは不十分だ、貴様は知らない
人間の本質を、死の真意を
この依り代と行動を共にせよ
そして問いの答えを見つけ出せ」
正直全く理解できなかった
人間の事などどうでもいい
興味も沸かない
しかし、、、
「かしこまりました」
私は死なねばならない
灰色の神の問いに答えを出すのだ
そうして私はこの灰原颯太と行動を共にすることになった
「住み込みでお世話いたします
よろしくお願いします」
にっこり笑顔を作り会釈をする
灰原颯太の顔は絵に描いたように困っていた