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白き世界と灰色の神  作者: えにあおじ
2/5

1章ー1

【死神】の朝は早い

毎朝5時に起きて日課のランニング、筋トレ、ストレッチを行った後にシャワーを浴びる

温かいコーヒーを入れて

野菜中心の軽い朝食を摂る

担当地区は日本なので日本の葬儀に合わせたスタイルが必要だ

見た目は肝心

まぁ人間には見えないのだが、、、

黒のスーツと黒のネクタイを着用する

なんとも辛気臭い

しかしこれが私のユニフォーム

気合と共に自然と身が引き締まる


「おはよう!」


「おはようございます

今日もお早いですねグレイ様」


「天気も良くていい朝だ

早起きしないなんて勿体ないと思わないか?」


死神協会の受付嬢と朝の挨拶を交わす

朝の挨拶がその日を良い日にするか悪い日にするか決めると言っても過言ではないだろう

挨拶は肝心だ


自分のデスクに到着して荷物を置いたらまずはフロア全体の掃除からだ

何事も最初が肝心

綺麗な職場なら仕事の効率も上がるってもんだ

フロア全体の掃き掃除をして、水拭き、乾拭きと仕上げる

うん、なかなかに上出来だ


「おはようグレイ、毎朝ありがとう

君のおかげで朝から気持ちよく仕事ができるよ」


同僚のアッシュが出社してきた


「おはようアッシュ、君だって私より早く来て掃除していてくれる事もあるじゃないか

お互い様だよ」


同僚は少し照れくさそうに笑っていた

彼は本当に気のいい奴だ


仕上げに自分と皆のデスクを吹いて、、、っと

アッシュも手伝ってくれている

今日は本当に気持ちのいい朝だ

よし、完璧だ

今日も張り切って仕事ができるぞ!


皆が出社して来るまで少し時間があるな

よし、コーヒーでも淹れよう

給湯室に向かうがそこにはすでにコーヒーのいい香りと共にアッシュがいた


「これくらい僕にさせてくれよ

熱いから気をつけて」


私好みの濃いコーヒーだ

さすがアッシュ

よく気が回る

私も見習わなければ


「そう言えばグレイ、昨日の仕事はどうだった?」


「ああ!バッチリ定刻通りさ」


「それはよかった!さすが教会一のやり手だな」


「いやいや!たまたま運が良かっただけさ

昨日のは年老いていたし、取り巻きも2人しかいなかったからね」


「そうなのかい?僕の方はなかなかしぶとい方だったのか定刻を2分もオーバーしてしまってね、部長にこってり絞られたよ」


「それは大変だったね、日々思う事だけど人間とは実に愚かだね

醜く生にしがみつき最後の瞬間まで足掻くのだから」


「あぁ、全くだ

だから今日も僕達でしっかり刈り取ってやろう」


同僚とコーヒーで乾杯し、マグカップを洗って給湯室を出た

そろそろ朝礼の時間だ


「我々が一人一人強い意志を持って取り組まなければならない!

憐れな人間に生にしがみつく暇を与えるな!

我々の時間は有限だ!

奴らの無意味な時間に付き合うな!

この白き世界に正しき理を!

今日も諸君らの活躍に期待する」


会長の演説はいつ聞いても素晴らしい

皆の士気も最高潮だ

今日も憐れな人間に正しき死を

白き世界に正しき理を

それが私達【死神】の仕事だ


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