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2/12

悲恋は続くよ、どこまでも?

私は、二宮 真紀。22歳。




魔女の生まれ変わり。




「何言ってるんだ」って言われるだろうから、誰にもカミングアウトはしていない。




運命の人に出会うため、もう四度も転生している。


四度目で生まれ変わった日本は、平和だしおいしいお菓子もあるし、アニメも漫画もゲームもあって最高に幸せ!




それに、私を愛してくれる彼氏もいる。


今度こそ、これで転生はおしまいだと思うの。




だって、彼氏のコウセイはとても優しくて私を愛してくれている。




『真紀のことが好きだから、仕事しないで毎日連絡が取れるようにするね』




そんなことを言ってくれるのよ?どれだけ私のことが好きなの?お金はないけれど、それも私が稼いでお小遣いを渡してあげれば解決。




今世こそ、愛し愛されて幸せになれるかもしれない。




仕事帰り、私はうきうき気分でコウセイのマンションへと向かった。




けれど




そこで見たものは




高級外車に乗った女に送られてくるコウセイの姿。




『またね、愛しているよ』




派手な女にそんな言葉をささやき、そしてマンションの前で堂々とキスをするコウセイ。




見間違え?




ううん、絶対にあれは私の彼氏。


持っていた高級焼肉弁当の袋をドサッと落とした私は、そのまま何も言わずに走り去った。




夜の街は、カップルや学生で賑わっている。


猛ダッシュで歩道を駆け抜ける私は、完全に浮いていた。でもそれどころじゃあない。




「なんで?愛しているって言ってくれたのに!私にだけじゃなかったの!?」




涙がボロボロと零れてくる。




許せない。




でも一番許せないのは、


四度も転生しているのに、自分に都合のいい言葉だけをくれる人をまた選んでしまった自分。




違う。




またまたまた選んでしまったのだ。




王子に始まり、大公殿下に石油王、そしてアイドル、劇団員の卵だったコウセイ。


いつだって私の恋する相手は顔面ハイスペックで、いつだって私のことを本気で愛してくれなかった。




わかっていた。




多分今回もまたそうだって。




甘い言葉を囁かれるたびに、心のどこかでは嘘だろうって疑っていた。




だとしても




それでも今度こそはって思いたかった。




「コウセイのばかやろー!!!!」




涙ながらにそう叫び、私は猛ダッシュで街を駆け抜ける。







そして







見事なまでにすっころんで


頭を打って絶命した。






あぁ、神様。魔女が神頼みするのも変ですが、今度こそ私を愛してくれる人に出会わせてください……

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