第零話 過
人暦2100年
第三次世界大戦が勃発してしまう。
ヒトの手によるものだった、きっかけはなんだったのだろうか、それはそこにあったし、そこにはなかった。まるで川に流され、丸くなっていく石のように自然に、そう、自然と起きたのだ。
いつかはこうなる運命だった、積み重ねてきた歴史は過ちばかりだった。なぜこうなったのか、なぜこうなりえたのか、何がいけなかったのか。
ヒトは歩みすぎたのかもしれない、分不相応に手に入れてしまったのかもしれない、考える力を、進化していく知恵を。
それを望んだのなら仕方ないのかもしれない。
しかしどうだろう、地球という単位で見た時に、それは本当に仕方の無いことだろうか?全ての命にとって平等に仕方の無いことなのだろうか。
否である。
ヒトにとって仕方ない争いは激化の一途をたどっていく。
誰もがこうなって欲しくないと1度は願ったはずだ。どんな時でも救いは求められていたはずなのだ。
争いの中、地球は蝕まれていった。ヒトという悪によって。
日々侵されていく平和と日常、全ての命が願っていたのだ。
生きたい
死にたくない
と
助けたかった、助けられなかったものがいくつもある
天も
地も
海も
植物も
鳥や魚も
獣も
全ての命あるものの悲しみが聞こえてくる、怒りも。喜びなど入る余地もないほどに沢山の思いが聞こえてくる。
人間が憎いと
気付くのが遅かった、それはいつもそこにあったのだ。
ただ目を逸らしていたのだ、気付きたくなかったのだ。
愛していたのだ..
結果は目に見えるほどよく澄んでいた。
彼らは皆、縋っていたのだ
希望に、母なる大地に、
神に
初投稿です、煮詰めに煮つめた作品なのでぜひ楽しんで頂きたいと思います。
投稿は週に2、3回ペースで載せていきます。
気持ちでは毎日あげてます。では良い一日を。
※誤字・脱字・誤植のご指摘お待ちしております。