新人の勇者!
~~ブレイブロード事務所~~
ロゼ「と、言う訳でうちの会社も忙しくなってきて人出が足りないので新人ちゃんが入ることになりました!ノアちゃんです!みんな仲良くしてあげてね!」
ロイ「いや、確かに人出不足ですけど、展開が急過ぎですって、、、。」
ノア「よっ、、よろしくお願いします、、。」
ミディ「わー!ちっちゃくてかわいー!よろしくねーー!」
アリ「ほんとに。人形みたいね。よろしく。」
リー「リーゼよ。よろしくね。分からないことは何でも聞いてちょうだい。」
ラン「よろしくな!」
ロイ(みんな適応早すぎだろ、、。)
ここ最近の人手不足解消のため今朝になって新人の加入が社長から言い渡された。
名前はノア。
小柄でいかにも臆病そうな感じの女の子だが、やっぱりというか何というか見た目は良い。
というか良過ぎる。
程よくウェーブしたブロンドの髪に綺麗なオレンジのつぶらな瞳。
色も白くて男としては守ってあげたくなるような感じの女の子だ。
ロイ(ここまで美女やら美少女ばかりだともう社長の趣味としか思えないな、、。)
ロゼ「会社のことは後々覚えてもらうとして仕事には早めに慣れてもらわないとね。
という訳で、ロイ、ミディア、ノアちゃんの3人で討伐依頼に行ってきてくれる?」
ロイ「構いませんけど、いきなり討伐ですか?まずは雑用とかの方がいいんじゃ、、。」
ロゼ「フフッ優しいのね。でもノアちゃんなら大丈夫よ。それに討伐といっても近くの森でボア数匹だけよ。」
ロイ「はぁ、、。」
ノア「あっ、あの。ロイさん。ミディアさん。よろしくお願いします、、。」
ミディ「よろしくねー!それじゃ行こっか!」
ノア「はいっ!」
ロイ「、、いってきます。」
ロゼ「はーい。いってらっしゃーい。」
事務所を後にする3人。
アリ「あの、社長。ロイの言う通りいきなり討伐ってちょっとハードル高くないですか?いくら相手が弱小モンスターのボアだからって、、」
ロゼ「フフッ大丈夫よ。」
リー「そうね。あの子なら大丈夫そうね。」
ラン「だな。」
アリ「リーゼさん、ランスさんまで、、、。」
ロゼ「だってあの子はね、、、」
~~ウィザリア近郊の森~~
ロイ「さて、依頼書にあった場所はこの辺りか。
ノア、、ちゃんはいきなりってのもあれだし、まずはオレが前衛、ミディアが後衛で何匹か相手にするから戦い方を見ててくれ。」
ノア「ノアで大丈夫です。分かりました。」
ミディ「せんぱい!後ろは任せてください!!ちゃんとカバーしたら後でギュッてしてくださいね♥️」
ロイ「はいはい。まずはモンスターに集中しろよ。」
ミディ「わーい!せんぱいにハグしてもらえるーー!ボク頑張っちゃおーー!」
ロイ「ったく、、。」
ロイ(ノアの武器は、、ダガーか?だとしたら前衛になるな。手本になるようにしっかり立ち回らないと。)
ガサガサッ
ロイ「おっ!出たな!って、、ええっ!?」
茂みの向こうから現れたのは数十匹はいるであろうボアの大群。
ロイ「くそっ!依頼書と違うじゃねぇか!」
ロイ(たまに討伐対象を少なく申告して報酬をケチる奴がいたけど、よりにもよって今日かよ!しかもボアどころかジャイアントボアまでいやがる!ミディアとオレだけなら何とかなるけど、、ノアのカバーもしながらとなると厳しいな、、)
ロイ「ミディア!煙幕と脚力強化魔法だ!一旦引くぞ!」
ミディ「りょーかいですっ!!」
ミディアが魔法を発動しようと構えた瞬間、、
ノア「、、ロイさん、、少し下がってもらえます?」
ロイ「ノア?!何言って、、、!?」
オレの横を通るノアの顔は事務所で見せた臆病そうな美少女の顔では無く、まるで獲物を狙う狩人のようなするどい顔つきに変わっていた。
ロイ「ノ、、ノア?」
ヒュンッ!
ズババババッ!!
ロイ、ミディ「「!!!!??」」
~~時同じくしてブレイブロード事務所~~
アリ「アッアサシン?!」
ロゼ「そう。生まれはウィザリアだけど、小さい頃は極東のシノビっていう暗殺家業を営む家で育ったらしいわ。」
アリ「そんな子が何で派遣勇者なんか、、、。」
ロゼ「昔読んだ絵本に出てきた勇者に憧れていたそうよ。それでこっちに戻ってきてから勇者の仕事を探してるところをスカウトしたの。」
リー「なるほど。あの隙のない立ち振舞いはそういうことね。極東のシノビって言えば暗殺率100%の超エリート集団らしいからね。」
ラン「あの子は強えな。出来れば手合わせしてみてえもんだ。」
アリ「何か、すごい子が来ましたね、、」
ロゼ「フフッ期待の新人でしょ?今頃ロイとミディアもビックリしてるんじゃないかしら?どんな顔して帰ってくるか楽しみね♥️」
アリ「しゃっ、、社長、、、」
~~再びウィザリア近郊の森~~
ロイ「、、、、。」
ミディ「、、、、。」
一瞬だった。
オレの横をノアが通り過ぎたと思ったら目の前から消えて次の瞬間にはボアの群れが全滅。
何が起こったのか全く理解できない。
ボア「、、ブッ、、ブォ、、ォ、、」
ノア「ちっ。仕留め損ねたか、、。」
ザシュッ
瀕死のボアに何のためらいもなく刃を突き立てるノア。
ロイ(ボアの死骸の中で返り血を浴びた美少女はなんとも絵に、、、ならねぇよ!!なんだこれ!!ホラーだよ!!ノアだよな?!オレ間違ってないよな?!事務所で見せたあの可愛らしい感じはどこに置いてきたんですか?!思いっきり仕事人じゃないすか!?しかもめちゃめちゃ強いし!!っていうか最後舌打ちしてたよね?!完全に裏社会のお方じゃないですか!!!)
ミディ「、、わっ、わーーー。ノアちゃんつよーーい、、。」
ロイ(!?あのミディアが怯えてる!ってかドン引きしてる!!大概のことは笑って済ますか下ネタで周りを困らせるミディアが引き笑いしてる!これはヤバい!!緊急事態だ!!)
ロイ「えっ、、えーっと、、、ノア?その、、うちに来る前って、、何かやってた?」
ノア「あっ、、えっと、私が育った家はシノビっていう暗殺業を生業とする家でして、、。もっもちろん!もう引退してますよ!?でも、その当時の癖というか、、これ小太刀っていう武器なんですけど、これを抜くとスイッチが入っちゃうというか、、、。」
ロイ(はいっアウトーー!!本職の方でした!!嘘だろ、、、。今朝の可愛らしい感じよりむしろこっちが本性ってことすか、、、。ってか、社長絶対知ってるよな?!知っててわざと新人扱いしてオレらを同行させてるよな?!これはもうイタズラなんてレベルじゃねぇよ!ミディアなんて子犬みたいにプルプル震えてんじゃねぇか!とにかくあれだ!まずは事務所に戻ろう!それから社長に問い詰めてやる!!)
ロイ「まっ、、まぁとりあえず依頼は完了だし街に戻るか。ノアも汚れ落とさないとな。」
ノア「あっ、はい!そうですね!じゃあ戻りましょう!」
ロイ(その無邪気な笑顔が本当であってほしいよ、、、)
その後、血まみれの少女と怯えきって震える少女を連れて街を歩くオレに注がれる視線はこれまでに味わったことのないものだった。。。
~~ブレイブロード事務所~~
ロゼ「あら、おかえり!二人はどうしたの?」
ロイ「ミディアは部屋で、ノアは温泉に行かせてます。っていうか社長!聞きたいことがあるんですけど!!」
ロゼ「あら、もしかしてノアちゃんのこと?」
ロイ「もしかしなくてもそうですよ!!何すかシノビって!!めちゃめちゃ強い上に思いっきり裏社会生きてきましたって感じですよ!!暗殺業でも始めるつもりなんすか!!」
ロゼ「そのつもりは無いけど、あの子って可愛いじゃない?それに強いし。これで討伐依頼もどんどん受けられるしお客受けも良くなるし一石二鳥かなって♥️」
ロイ「かなって♥️じゃないですよ!!ミディアなんて子犬みたいにプルプル震えてたんすよ!!」
ロゼ「あら、それは見てみたかったわね。フフッ」
ロイ「そーいうことじゃなくて!!」
ロゼ「とにかく!あの子はうちで雇うって決めたから!異論は認めないわ。仲良くしてあげてね。」
ロイ「えー、、、。」
ガチャッ
ノア「ただいま戻りました!」
ロゼ「おかえりノアちゃん。初仕事はどうだった?」
ノア「はいっ!お二人とも頼もしくて、私なんてまだまだですけどここで頑張りたいって思いました!」
ロゼ「そう。それは何よりね。じゃあ、これから色々と覚えてもらいたいこともあるし、ロイに付いて仕事をしてもらうわね。
ロイ。教育係お願いね。」
ロイ「?!」
ノア「ロイさん!よろしくお願いします!」
ロイ「よっ、、よろしく、、、」
ロゼ「フフッうちも大分賑やかになってきたわね。」
ロイ(賑やか過ぎんだろーーーーー!!!)
依頼完了?!