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派遣勇者!  作者: よん
6/31

理想の勇者像!

~~ある日、ブレイブロード事務所にて~~



ロゼ「んー、最近依頼の数も増えてきて嬉しい限りだけど人出が足りないわねぇ。。」



ロイ「、、そーっすね、、、。」



ロゼ「あら?どうしたのロイ?随分疲れてるようだけど。ちゃんと休まなきゃダメよ?」



ロイ「、、、。」



ここ最近、ブレイブロードへの依頼の数が増えてきている。

毎日のように依頼が入るようになり会社としてはありがたい話なんだろう。

エースであるリーゼさんとランスさんには討伐依頼の指名が入りまたしばらく戻ってこないらしい。

そして残ったオレとアリシア、ミディアはと言うと、家事手伝いやペットの捜索、農家の収穫作業など、勇者の仕事とは言いがたい雑用をこなす毎日だった。



ロイ「あの、、社長。こんなこと言いたくないんですけど、うちに来る依頼って勇者が必要なもの少なくないですか?討伐依頼も来るには来てますけど正直一般の人でも何とかできるレベルだし、派遣とは言え仮にも勇者を名乗る立場としてはこうも雑用的な仕事ばかりだとモチベーションが上がらないですよ、、。」



ロゼ「そうかしら?でも他の二人は、、、」



ガチャッ



ミディ「たっだいまーー!!見てください社長!!お手伝いに行った農家さんに報酬とは別でこんなにフルーツもらっちゃいましたー!」



ロゼ「おかえりミディア。美味しそうなフルーツね。今日のおやつはフルーツタルトでも作ろうかしら。」



ミディ「やったーーー!!」



ガチャッ



アリ「ただいまー!社長!!ユミルさんにいつもありがとうってあそこのレストランの割引券もらっちゃいました!!あそこすごく人気があって気になってたんです!!今晩にでもみんなで行きましょうよ!!」




ロゼ「おかえりアリシア。じゃあ今晩はみんなで外食かしらね。」



ミディ「やったーーー!」



アリ「楽しみー!何着ていこっかなーー!」



ロイ「、、、。」



ロゼ「フフッ。他の二人は楽しそうに仕事してるみたいよ?

確かにうちに来る依頼は勇者じゃなくてもいいものばかりかもしれないけど、こういう繋がりも大事よ?

あなたも少しは楽しみながら仕事してみなさい。」



ロイ「はぁ、、、。」




ミディ「社長ーーーー!タルトの生地が無いですーーー!作れないですーーー!」



ロゼ「あらあら。困ったわね。

ロイ。悪いけど買ってきてもらえる?」



ロイ「、、オレですか?」



ロゼ「私からあなたへの依頼よ。お願いね。アリシアも一緒に行ってあげて。」




アリ「はーーい。いってきまーーす。」




ロイ「、、いってきます。」





街中を歩くロイとアリシア。




ロイ(何だろう。この穏やかな日常。。オレの思ってた勇者と違う。。いや、そもそも勇者なんて今はただの職業な訳だし、ましてやオレは派遣勇者。最初からオレの思ってた勇者なんて必要無かったのかもしれない。だとしたらオレは何のためにこの街に来たんだろう。。)



アリ「ーーーーーイ?」



ロイ(そもそも勇者って何だ?人々の平和のために戦う?いやいや。そんな必要あるのか?っていうかこの街の人って結構たくましく生きてるから守る必要無いじゃないか。だとしたら勇者なんて肩書きもいらないんじゃ、、、)




アリ「ちょっと!ロイ!聞いてる!?」




ロイ「あっ、、あぁ。悪い。考え事してた。」




アリ「もう!」




ロイ「、、、。」




アリ「どうしたの?何かあった?」




ロイ「なぁ、アリシア。お前勇者って何だと思う?」




アリ「何それ?どういう意味?」




ロイ「正勇者は金になる依頼しか受けないから貴族とかの権力争いの道具みたいになってるし、オレたちみたいな派遣勇者は勇者なんて言ってるけど何でも屋みたいな感じだし、勇者なんて肩書き必要なのかなってさ。」




アリ「あーそういうこと。要するに自分の思い描いてた勇者と今の自分が違いすぎて派遣とは言え勇者って名乗るのが恥ずかしいわけね。」




ロイ「別に恥ずかしいって訳じゃ、、、。」




アリ「アタシは社長のことを信用してるし、社長の目指す勇者ってのにも共感してる。」




ロイ「社長の目指す勇者?」




アリ「前に少しだけ社長が話してくれたの。うちの会社のキャッチコピー知ってるでしょ?」




ロイ「安く、早く、お手軽に勇者派遣します、だろ?」




アリ「そう。それって商売的な意味じゃなくて助けが必要ならどんな人のところにでもすぐに駆けつけますって意味なんだって。」




ロイ「なら、やっぱり勇者なんて肩書きいらないじゃないか。」




アリ「んー、そうかな?だって人々の平和を守るのが勇者でしょ?平和って穏やかな日常を当たり前のように繰り返すってことじゃない?そのために必要ならモンスター討伐だって雑用だって立派な勇者の仕事だと思うな。」




ロイ(、、、確かにそうだ。人々の穏やかな日常を守るのが勇者の仕事。オレは凶悪なモンスターを倒す英雄みたいな存在に憧れてただけなんだ。もっと小さな平和を守るのが勇者の仕事。派遣だとかそんなの関係ない!)



ロイ「変態ドMムッツリスケベのクセに良いこと言ってんじゃねぇよ。」




アリ「なっなによ!人がせっかく励ましてあげようと思って、、、」




ロイ「ありがとな。」




アリ「、、えっ?」




ロイ「さっ!早いとこ社長からの依頼済ませて帰ろうぜ!腹も減ったしな!」




吹っ切れたような清々しい顔で走り出すロイ。




アリ「もう、、何よ、、。まっ!いっか!

ちょっと待ちなさいよー!

アタシはドMだけど変態は言い過ぎよ!ちゃんと訂正しなさいよー!」




ロイ「だから一部認めてんじゃねぇよ!!」




いつものようにツッコミを入れるロイだがその顔は自信に満ちた笑顔だった。




ロイ(そうだ!オレは人々の平和を守る勇者!どんな人のところにでも安く!早く!お手軽に!駆けつける派遣勇者だ!)



~~ブレイブロード事務所~~



ガチャッ



ロイ「ただいま戻りました!」



ロゼ「あら。おかえり。早かったわね。

でも、戻ってきてすぐで悪いんだけど依頼が入ったから行ってきてもらえる?」




ロイ「はいっ!任せてください!」




ロゼ「フフッ。頼もしいわね。じゃあこれ依頼書ね。おやつは私が準備してるから3人で行ってきてちょうだい。」




~~依頼書~~


ペット捜索


うちのパトリシアちゃんを探してほしいザマス

鉱山近くの山道を散歩してたらいなくなったザマス

お腹を空かせて怯えてるに決まってるザマス

お願いするザマス


P.S.パトリシアちゃんの散歩コースで

ラージスライムの群れが見かけられたザマス

パトリシアちゃんのためについでに討伐してザマス


報酬 旬の魚介詰め合わせ


~~~~~~~



ロイ「ペット捜索、、しかもペットのためについでにラージスライム討伐、、、、、んでもって報酬が魚介詰め合わせ、、」




ミディ「わーーー!せんぱーい!魚介詰め合わせですよ!おいしそうー!!」




アリ「ラッ、、ラージスライム、、粘液まみれになっちゃうじゃない♥️どーしよ、、、♥️」




ロイ(やっぱりこんな勇者間違ってる、、、)




依頼完了?!

何か終わりそうな感じになっちゃいましたが、またまだブレイブロードの活躍は続きます!

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