勇者の想い ~満たされない想い~
どれだけ伝えればいいの?
どれくらい近づけばいいの?
どんなに想ってどんなに伝えても全然届かない。
もっと見てよ。
ちゃんと聞いてよ。
あなたに届くまで何回だって叫ぶから。
声が出なくなったらずっとそばにいるから。
だからボクを欲しがってよ。
全部あげるから。
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ミディ「にゃぁー、、、。」
ロゼ「あらあら。いつも通りだらけてるわね。」
ミディ「だってせんぱいがいないとつまんないんですもん。」
ロイ「ふわぁ。おはようございます。」
ノア「おはようございます。ロイさん。フフッ。大きなあくびですね。」
ミディ「あっ、せんぱーい!」
ボクの大好きなせんぱい。
他人を信じれなくて閉じ籠ってたボクを外の世界に連れ出してくれたボクの勇者。
弱くてちょっと頼りないけどそこも大好き。
だってみんなが憧れる強い勇者なんかよりずっと近くに感じられるから。
頼りなくたっていい。
ボクがそばにいて守ってあげられるから。
ミディ「せんぱーい。おはよーのチューですー。」
こんなに想ってるのに、こんなに伝えてるのに。
ちっとも気付いてくれない。
今だってほら。
そうやってちょっと困ったような呆れたような顔してる。
ボクだって恥ずかしいんだよ?
だけど、気付いてほしいから。
伝わってほしいから。
会える時はいつも勇気を出してるんだよ。
ノア「ミディアさん!朝からはしたないですよ!それに、、私だって、、、。」
この子の気持ちは知ってる。
だってボクと同じだから。
応援したいけど、負けたくない。
少しだけだけどボクの方がいっぱい想いを伝えてきたんだから。
アリ「ふわぁあ。」
いつもボクたちを見てる綺麗な先輩。
この人も多分ボクと同じ気持ち。
この人が伝えたら、きっと真っ直ぐに届くんだろうな。
だけど、ちょっと後ろで見てるだけ。
伝えないのかな。
それならいいよね。ボクが先に伝えたって。
そうしなきゃあの綺麗な瞳に全部奪われそうですごく怖いから。
ボク、ズルいかな。
ロイ「朝っぱらからお前ってやつは。後輩の前でくらい大人しくできねぇのか。」
できないよ。
だって好きなんだもん。
負けたくないんだもん。
全速力で走って全力で伝えなきゃ不安で不安で仕方ないんだもん。
重いって言われたって嫌だって言われたってやめないよ。
だって、せんぱいを好きなボクがボクは一番好きだから。
ミディ「ふにゃぁー、、今日も構ってもらえなかったなぁー、、、。」
最近おかしいんだ。
好きって伝えれば伝えるほど遠くなるみたいで、どんどん心が空っぽになっていく感じ。
嫌だなぁ。これ。
ボクの中のせんぱいが消えてくみたい。
空っぽになってく心に満たされない想いが溢れてきて好きって気持ちが壊れそう。
ミディ「せんぱーい、、、。」
ロイ「何だよ。」
ミディ「にゃっ!?ビックリした!心臓に悪いですよぉ。」
ロイ「そんなにかよ。珍しく元気無いな。今朝のこと気にしてるのか?」
ミディ「別に気にしてないですよー。」
そう。
気にしてない。
だっていつものことだから。
ボクのいっぱいの好きはこの人に届かない。
届かないことに慣れてる自分が嫌になる。
ロイ「悪かったよ。ミディアはいつも素直すぎて照れ臭いんだよ。チューはしてやれねぇけど、これで勘弁な。」
あぁ、ズルい。
そうやってまたボクの心を満たすんだ。
伝わらなくて不安な気持ちも壊れそうで怖い気持ちも全部かき消すんだ。
照れ臭そうに頭を撫でてくれるだけでボクがどんなに幸せか知らないんだろうな。
教えてあげたいけど、これは内緒にしとくね。
鈍感なせんぱいにちょっとだけのいたずら。
ミディ「せんぱい。照れなくていいんですよ?素直にチューしてくれても大丈夫ですから。ほら、今なら誰もいないですし。」
ロイ「バカなこと言うなよ。そういうとこが恥ずかしいんだってのに。落ち込んでないならオレは部屋に戻るからな。」
ミディ「じゃあ、ボクもせんぱいの部屋行こっかな。」
ロイ「何でそうなるんだよ。」
ミディ「にゃはっ♪」
伝わらなくていい。
届かなくていい。
伝わるまで伝え続けるから。
届くまで届け続けるから。
あなたがどこにいてもいつだって目一杯の好きを叫び続ける。
だから、たまに。
ただの気まぐれでいいから受け取って欲しいな。
ボクの大好きを。




