最弱の正勇者!
~~ブレイブロード事務所前~~
「ここね。」
~~ブレイブロード事務所~~
ノア「ふん♪ふん♪ふん♪」
ロイ「ノア。今日は何か機嫌良いな。」
ノア「はいっ!久しぶりにロイさんとお仕事なので!あっ!もう少しでお弁当出来ます!」
ロイ「おぅ。ありがと。」
アリ「露骨なまでのフラグね。」
ミディ「むぅ。ライバル出現、、。」
ロゼ「あらあら。」
ガチャッ
「失礼します!」
ロイ「はい?」
ロイ(真面目そうな女の人だな。依頼人か?
そのわりには装備もしっかりしてるし、、装飾品も高そうな、、特にあの腕輪なんか、、ん?腕輪?)
ガタッ
ロイ「せっ正勇者!?」
アリ「えぇっ!!」
ノア「??」
ミディ「わー。本物初めて見たー。」
ロゼ「あら、珍しいお客ね。」
ロイ(あー、嫌な予感しかしないなぁ、、。)
~~~~~~~
「はじめまして。正勇者のフィナと申します。」
ロイ「、、ロイです。こっちがノアで、あっちの二人がアリシアとミディアです。全員ブレイブロードの派遣勇者です。」
フィ「存じております。」
ロゼ「社長のロゼリアです。それで、正勇者様がこんな所に何の用かしら?」
ロイ(うわぁ。敵対心剥き出しだな。)
フィ「今日は依頼を受けて頂きたくて参りました。」
ノア「正勇者様がうちに依頼ですか?」
ロイ(何かノアもちょっと警戒してるし。)
フィ「こちらにリーゼさんとランスロットさんという方が所属されてるそうで。お二人に討伐依頼をと、、。」
アリ「あー、二人ならいませんよ?」
フィ「え?」
ミディ「今、新婚旅行中ですー。」
フィ「新婚、、?えっ、、えぇ!?」
ロゼ「あら?ご存じなかったかしら。うちのリーゼとランスロットは先月結婚して今は休暇を取って新婚旅行に行ってますよ。」
アリ「いーなー。新婚旅行。」
ロイ「まずは相手だろ。」
アリ「わっ、分かってるわよっ!」
ミディ「せんぱーい!ボクたちはどこに行きますかー?」
ロイ「行くのは決定かよ。」
ミディ「もちろん♥️」
ノア「わっ、私も、、、。」
ロゼ「あら、モテモテね。」
アリ「どんだけフラグ立てるのよ。」
ロイ「なんだよ?」
アリ「別にぃ。」
フィ「あっあの!お二人に依頼を受けていただけないと困るのですが、、。」
ロゼ「あら。ごめんなさいね。でも、さっきも言ったけど二人とも今はいないし当分戻らないから諦めてもらえるかしら?」
フィ「そっ、、そんな、、。」
ロイ「ちなみに討伐対象は?」
フィ「、、アークゴーレムです。」
ロイ「うわぁ、、。」
アークゴーレム。
古代人が残した人型兵器だ。
昔の戦争中に廃棄されたゴーレムにゴースト系のモンスターが宿った何とも迷惑なモンスターだ。
しかも兵器というだけあってやたらと強いらしい。
確か討伐難易度はSだったな。
フィ「どうしよう、、。」
ロゼ「いま行けるのはここにいるメンバーだけですね。不満ならお引き取り頂いて結構ですけど。」
ロイ(相手が相手だけにいつも以上に威圧的だな。)
フィ「、、、いえ。早急に討伐しなければいけませんので。戦力は多い方が助かります。みなさんにお願いしたいのですが。」
ロゼ「Sランクモンスターに全員を行かせるのでそれなりの報酬は用意してもらいますよ?」
フィ「構いません。」
ロゼ「じゃあ、決まりね。みんな、よろしくね。」
ロイ「あの、オレとノアは別の依頼があるんですけど、、。」
ロゼ「大丈夫よ。そっちの期限は明後日までだから。正勇者様の依頼は急ぎみたいだからこっちから行ってきてちょうだい。」
ロイ「はぁ、、。」
ロイ(恩を売る気だな、、。)
フィ「それでは早速行きましょうか。」
アリ「ゴーレムかぁ、、いまいち乗らないなぁ。」
ロイ「ちょうどいいじゃねぇか。本領発揮できるだろ。」
アリ「どういう意味よっ!!」
ミディ「ゴーレムって食べれるのかな?」
ノア「それはさすがに厳しいかと、、。」
バタンッ
ロゼ(正勇者がうちに依頼ねぇ、、。)
~~王都郊外、旧王都跡~~
フィ「アークゴーレムの目撃情報があったのはこの辺りです。」
アリ「この辺って初めて来たわね。」
ロイ「まぁ普段モンスターが出るような所じゃないからな。」
ミディ「何か建物みたいなのがいっぱいだね。」
ノア「民家とか、、王宮とかでしょうか、、。」
フィ「あの、、みなさん落ち着いてますけど、相手はSランクですよ?もう少し緊張してもいいんじゃないかと、、。」
ロイ「あー、大丈夫ですよ。ノアは強いですしあいつらも強いですから。バカと変態ですけど。」
ノア「エヘヘッ」
ミディ「せんぱい!ひどいです!」
アリ「誰が変態よっ!!」
フィ(大丈夫かしら、、。)
ノア「!!
ロイさん!来ます!!」
フィ「えっ?」
ガタガタガタッ
「ゴオオオオオ!!」
周囲の石や岩を砕きながらゴーレムが現れる。
ロイ「こいつかっ!表面が硬そうだから魔法中心で行く!ノアは背後に!アリシアとオレはミディアの壁に!ミディアは全員に支援魔法をかけてから爆破魔法!!」
ノア「はいっ!」
アリ「了解っ!」
ミディ「任せてくださいっ!」
ロイ「行くぞ!!」
~~~~~~
ゴーレムを相手に苦戦する4人。
「ゴオオオオオ!!」
ヒュンッ
ノア「はっ!」
キィィンッ
ノア「硬いっ!?」
ロイ「ノア!下がれ!ミディア!!」
ミディ「ーー聖霊よ。我が望みに答えその力をここに示せ!」
ボゴオォーン!!!
「ゴオオ、、、オオ」
ロイ(よしっ!体勢が崩れた!これならコアを狙える!!」
ゴーレムはとても硬い装甲で覆われているが胸の中心にあるコアを破壊すれば停止する。
ロイ「フィナさんっ!コアを!!」
フィ「あわわわわっ。」
剣を握り締め明らかに動揺している様子のフィナ。
ロイ(えええええ!)
アリ「はぁっ!!」
ガンッ
パリーンッ
「ゴオオ、、、オオ、、」
アリシアの刺突でコアを砕かれ崩れるようにしてゴーレムの動きが止まる。
ノア「みなさんっ!お怪我はありませんか?」
アリ「平気よ。」
ミディ「ボクもー。いやー、強かったねー。」
ロイ「みんな、お疲れ様。それはそうとフィナさん。さっきはどうしたんですか?」
フィ「いっいえ!何でもありませぬ!!」
剣を鞘に納めようとするがカタカタと剣先が震え上手く入れることができないフィナ。
フィ「あれ?アハハッ、、おかしいなぁ、、」
ロイ(せぬって、、この人、、使えねぇ、、)
~~ブレイブロード事務所~~
ロゼ「つまり。正勇者にはなれたものの実戦経験が無いことをバカにされたからSランクモンスターを倒して見返してやろうと。けど、一人じゃ不安だから強いと噂のリーゼとランスロットに同行してもらおうと。つまりこういうこと?」
フィ「、、はい。」
ロイ(うわぁ。ポンコツだ。)
ノア「ポンコツですね。」
ロイ「ノア。思うだけにしなさい。」
アリ「あんたも思ってたのね。」
ミディ「けど、プルプル震えてただけだしホントにポンコツだったねぇー。」
目に涙を浮かべ肩を震わすフィナ。
ロイ「やめとけってば。」
アリ「けど、実戦経験も無いのに正勇者になれるもんなのね。何かちょっと幻滅だわ。」
ロイ(まぁ、確かに。金には汚いけど実力はあると思ってたしな。)
ロゼ「まぁ、色んな人がいるわよね。」
フィ「、、、、もん。」
ロイ「え?」
突然立ち上がり大声で泣き出すフィナ。
フィ「うえーん!!フィ、、フィナだって頑張ったんだもん!!でっでも、あんなおっきいモンスターなんて、、初めて見たから、、、怖かったんだもん!!うえーん!!」
ロイ、アリ「えぇぇ、、、。」
ミディ「ニャハハッ。泣き虫さんだー。」
ロゼ「あらあら。」
ロイ(なんなんだこの人、、。)
ノア「よしよしです。大丈夫ですよ。もう怖くないですから。」
フィナの頭を撫で落ち着かせるノア。
ロイ(ノア、、大人になったなぁ、、)
フィ「うえーん!!」
ノアに抱き付き泣きじゃくるフィナ。
ノア「よしよしです。」
アリ「何なのよこの人。」
ロイ「全くだ。」
~~~~~~
フィ「グスンッ」
ノア「落ち着きましたか?」
フィ「、、はい、、グスンッ、、ありがとうごじゃいます、、グスンッ」
ロイ(噛み噛みだし顔ぐちゃぐちゃだしで正勇者の威厳なんてあったもんじゃないな。)
アリ「はぁ、、ようやく落ち着いたわね。」
ミディ「長かったねぇ。」
ロゼ「まぁ子供だしね。」
ロイ「えっ?」
ロゼ「あら、本人に聞かなかった?依頼に行ってる間に調べたけど、この子16歳よ?」
ロイ、アリ「えーーーー!!!」
ミディ「ノアちゃんより年下だー。」
ロイ「っていうか!そんな年齢で正勇者なんてなれるんですか!?」
ロゼ「実力があればね。試験は筆記と実技があるけど、実技はモンスターと戦ったりする訳じゃないしね。この子、今年の首席だそうよ。」
ロイ「そんなことって、、。」
アリ「あんた、、試験受けたことあるんじゃないの?」
ロイ「受験資格試験で落ちた、、。」
アリ「うわぁ、、、。」
ロゼ「あらあら。フフッ。」
ミディ「そんなせんぱいも好きです♥️」
ロイ(オレって一体、、。)
フィ「グスッ、、あの、、みなさん。今日は、、ありがとうございました。あと、ご迷惑をおかけしました。」
ロゼ「いいのよ。」
フィ「報酬は後日お持ちします。それからノアさん、、。」
ノア「はい?」
フィ「その、、今度から、、お姉ちゃんって、、呼んでもいいですか?」
ノア「フフッ。構いませんよ。」
フィ「やったぁ!あっ、それじゃ失礼します!」
バタンッ
アリ「何かすごい子だったわね。」
ミディ「ノアちゃん急にお姉ちゃんになっちゃったねぇ。」
ノア「フフッ。そうですね。可愛い妹が出来ちゃいました。」
ロゼ「今度、試しにうちにスカウトしてみようかしら?」
アリ「教育係はノアで決まりね。」
ノア「はいっ!」
ミディ「来たらまた賑やかになるねー!」
ロイ「ははっ、、はははっ、、、ははっ、、」
試験を受ける為の試験に落ちた過去と年下にあっさり追い抜かれた現実を叩きつけられたロイはその後、しばらく部屋から出てこなかった。
依頼完了!?




