休日の勇者達! ~その2~
カーテンの隙間から朝陽が漏れてる。
すっかり見慣れた薄汚い天井。
ブレイブロード事務所ビルに越してから数ヶ月。
さすがにここでの生活にも慣れてきた。
必要なものは買い揃えたしオレのオレだけのオレのための部屋はほとんど完成していた。
見慣れた家具、心地よい布団の感触、布団の中に感じられる違和感。
ロイ「ん?」
明らかに何かがある、というかいる!
ロイ(さすがにこんな朝からホラーな展開は無いだろうよ。あっても困る。だとすると、可能性があるのは、、、)
恐る恐る布団を捲ると予想通りな展開と予想外な人物がそこにいた。
アリ「んぅーー、、、。」
ロイ「んぬぁっ!!!!」
まぁ、分かっていたんだけども、勇者派遣会社ブレイブロードはとにかく美女率が高い!
オレの感性で言うなら100%です!
まぁそれぞれ欠点やら属性やらがあるおかげで普段は普通に接していられるけど、寝起きで頭が完全に働かない状況で、喋らなければ見た目最強クラスの美女がオレの布団の中で可愛い寝顔をさらしているというミラクルにオレの思考は完全に停止した。
ロイ「アリシア、、ナンデ?、、オレ、、、ワカラナイ、、。」
いやっ!思考停止してる場合じゃない!!
今オレの布団のなかで起きているミラクルの理由は後で解明するにしても、この状況は今すぐ解決しないとマズい!!
今、このビルにはブレイブロードの社員が全員住んでいる!
そしてオレの部屋は普段全員集合している事務所のすぐ横!
更に可愛い後輩のノアが毎朝オレを起こしに来てくれるという普段は至福でも今日に限って言えば迷惑なオプション付き!
トントントントンッ
事務所の方から軽快な音と心地よい匂いがする。
ロイ(はっ!!この音と匂いは!!!)
布団から這い出て音を立てずにゆっくりと少しだけドアを開けて事務所の様子を伺う。
そこには極東のエプロン的な服を着て鼻唄混じりに朝食の準備をするノアとリーゼさん。
ロイ(やっぱりだ!もう朝飯の準備してる!ということは残された時間はせいぜい15分程度、、どうする、、あー、、しかし良い匂いだ、、二人とも極東の料理に精通してるからなぁ。あの体に優しそうな味は朝には最高なんだよなぁ、、、って、ちげーよ!!そんな場合じゃねぇ!だいたい何で事務所にキッチン完備してんだよ!元宿泊施設なら食堂くらいあんだろ!)
リー「そろそろ出来そうね。ノア。みんなを起こして来てくれる?」
ノア「はいっ!」
ロイ(まずい!!思ってた以上に時間がない!どうする!どうする!!ミディアやリーゼさんなら何とか言い訳できるけどノアはヤバい!!あんな純粋そうな子に見られたら、、間違いなく軽蔑される、、。あのシノビモードの眼はロゼリアさん並みの破壊力があるから多分立ち直れない!どうする!アリシアを起こすか?いや、そもそも何でこいつここにいんだよ!昨日何があったっけ、、思い出せ、、昨日、、昨日、、)
~~昨夜、ブレイブロード事務所~~
ラン「ふぅー食った食ったー。」
ロゼ「美味しかったわー。ノアちゃん。ごちそうさま。」
ノア「お粗末様です。」
アリ「ホントに美味しかったー。これ極東の料理よね?盛り付けも綺麗だしノアは料理上手ね。」
ノア「ありがとうございます!」
ラン「けど、朝もノアが作ってんだろ?たまにリーゼも手伝ってるみたいだけどよ。夜くらい他の奴にまかせてもいいんじゃねえか?」
ロゼ「そうねー。極東の料理はよく分からないから私も手伝えないし、、。」
ノア「いえ。私が好きでやってるんで!」
ミディ「ボクはノアちゃんの料理好きだからうれしいけどなー。」
ロイ「お前は食べる専門だしな。」
ミディ「ちゃっ、、ちゃんと勉強してますよ!将来せんぱいに食べてもらうために!!」
ロイ「はいはい。」
リー「まぁ、ミディアが覚えてるのは精の付く料理ばかりだけどね、、。」
ミディ「キャッ♥️」
ロイ「キャッ♥️じゃねえよ。普通の料理覚えろよ。」
ミディ「だって、せんぱいには将来頑張ってもらわないといけないんで♥️」
ロゼ「フフッ仲良しで何よりね。」
ロイ「茶化さないでくださいよ。」
ノア「そう言えば今日、市場で極東のお酒が手に入ったんです。私はまだ飲めないんですけど、皆さんよかったらどうですか?」
ロイ「おっ!いいね!」
アリ「あっ!アタシも飲みたーい!」
ラン「オレは遠慮しとくわ。明日の夜の楽しみにして今日はもう休むわ。」
リー「そうね。私もそうしようかしら。」
ミディ「ごめんね、ノアちゃん。ボクも今日はもう眠いからやめとくよー、、、」
ロゼ「私も明日は朝からユミルのところに用があるからやめとくわね。」
アリ「えー、、みんなノリ悪いなー、、、。」
ロイ「まぁ仕方ないな。たまには二人で飲むか?」
アリ「そうね。今日はあんたに付き合ってあげるわ。」
ロイ「そりゃどーも。」
ノア「じゃあ、準備しますね。」
ロゼ「二人だけならどっちかの部屋で飲んでね?電気代がもったいないから。」
ロイ、アリ「「はーい。」」
ロイ「隣だしオレの部屋で飲むか。」
アリ「そうね。」
ノア「それじゃあここに置いておきますね。私も先に休ませてもらいます。おやすみなさい。」
ロゼ「私も休むわね。明日は依頼が無いからお休みにするけど、あんまり飲み過ぎたらダメよ?それじゃ、おやすみ。」
ロイ、アリ「「おやすみなさーい。」」
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ロイ(思い出したー!!そうだ!!昨日は珍しくアリシアと二人でオレの部屋で飲んでたんだ!ノアが買ってきた酒が予想以上に美味くて結構飲んだんだ、、。んで、アリシアが酔っ払って部屋に戻るのめんどくさいってなってここで寝たんだ!!オレも酔ってたから放置してそのまま寝たんだ!!よしっ!このミラクルな状況の説明はついた。ただ、順番が逆だ!!状況は何も変わってねぇ!!って言うか、何でこいつ起きねぇんだよっ!!男の部屋の男のベットでどんだけ熟睡してんだよっ!オレなんて眼中に無いってか!!泣くぞ!チキショーめ!!)
ロゼ「おはよー。んー、良い匂いね。」
ラン「うぃーーっす、、朝からうまそうな匂いだな。」
ミディ「おはよーございまーすぅーー、、」
リー「あらあら、ミディアはまだ寝ぼけてるの?顔でも洗ってきなさい。」
ミディ「はぁーーい、、」
ラン「ロイとアリシアはまだ寝てんのか?」
ノア「アリシアさんは返事が無かったのでまだ寝てるかもしれません。ロイさんは今から起こしに行きます。」
ロゼ「昨日二人で飲みすぎたのかしらね。注意しといたんだけど。」
リー「極東のお酒って結構強いのに飲みやすいからついつい飲んじゃうのよね。」
ラン「まだまだ酒の飲み方もわからねぇガキだから仕方ねぇさ。」
ロイ(なんすかこの穏やかな朝は!!どこぞのホームドラマですか!!しかも何で今日に限ってオレが一番最後なんだよ!!いつも一番部屋が近いオレから起こすのに!!ノアの気まぐれ屋さんめ!!)
アリ「んぅーー、、いま、、なんじぃ?」
ロイ(てめぇ!何でこのタイミングで起きんだよっ!!わざとかっ!!ってか、誰に聞いてんだよっ!!オレの部屋にいる自覚あんのかよっ!!だとしたらこの状況お前が説明してくれよ!!)
アリ「あーれ?、、アタシの部屋じゃ、、無い?、、ロイ、、?、、うそっ!アタシ、、あんたと一緒に寝、、」
とっさにアリシアの口を塞ぐロイ。
勢いでベットに押し倒してしまう。
アリ「ーーー!!」
ロイ「説明も謝罪も後でするから今は黙ってくれ!!」
コンコンッ
ガチャッ
ノア「ロイさーん、朝ですよ?そろそろ起きな、、、」
二人の状況を見てフリーズするノア。
ノア「ゴッ、ゴメンクダサーーイ、、」
全く合っていない台詞を言いながらそっとドアを閉めるノア。
涙目になるロイと未だに状況が理解できないアリシア。
アリ「えーっと、、なに?どういうこと?」
ロイ「、、、終わった、、。」
顔を真っ赤にして事務所に戻るノア。
ロゼ「あら、ノアちゃんどうしたの?」
リー「顔が真っ赤よ?」
ラン「なんだなんだ?ロイのやつ下着姿で寝てやがったのか?」
ミディ「キャアッ♥️ボクも見たーい♥️」
ノア「いえ、、、アリシアさんとお二人で部屋にいて、、その、、ハッス、、ル、、されてる最中、、でしたので、、。」
ガタッガタッガタッガタッ
殺気立った様子で席を立つ4人。
そのままロイの部屋へと向かう。
ノア「あっ、、あのっ!お邪魔しないほうが、、。」
ロゼ「大丈夫よ。ちょっとブチ殺してくるだけだから。」
ノア「ブチ、、?!えっ、、!!」
ガチャッ
ロイ「あのっ!みなさん、、これは、、違うんです、、、話を、、話を聞いて、、くださ、、」
ドカッバキッボコッガスッ
ロイ「ぎぃやぁぁーーーーーーーーー!!!」
~~その夜~~
アリ「ーーーと、言う訳なんです。」
ロゼ「なーんだ。それならそうと早く言ってくれればよかったのに。」
リー「ほんと。変な誤解したじゃない。」
アリ「いや、聞く気無かったですよね、、?」
ミディ「まっ!せんぱいが無事で何よりです!せんぱいの初めてはボクのものですから!」
ロゼ「ミディア。ノアちゃんの前でそういうことは言わないの!」
ノア「あっ、いえ。私は大丈夫です。むしろロイさんの方が大丈夫じゃないというか、、。」
アリ「まぁあいつなら明日には元気になってるわよ。それより早く食べよ!お腹空いちゃった!」
ロゼ「そうね。それじゃいただきましょうか。」
ミディ「いっただきまーす!」
今夜もブレイブロードには明るい笑顔と笑い声が響き渡っていた。
一人、瀕死の青年を除いて、、。
ロイ(あっ、、あんまりだ、、、。)
休日終了!!




