狩人の勇者達! ~その4~
ブレイブロードの面々が食料調達依頼を開始してから半日が過ぎていた。
~~ウィザリア近郊の草原~~
~~ロイ、ノアペア~~
ヒュンッ!
ズババババッ!!
ザシュッ!
ヒュンッ
ズバッ!
ボアの群れを黙々と狩り続けるノアと立ち尽くすロイ。
ロイ(オレ、、出番ねぇな、、)
ノア「ふぅ。あっ!ロイさーん!終わりましたよー!」
無邪気な笑顔でロイに手を振るノア。
ロイ「おーぅ!」
ロイ(美少女が満面の笑みでオレに手を振っている、、、。後ろにボアが山積みになって無ければ素晴らしい光景なのにな、、、はぁ、、。)
ロイ「お疲れノア。何かほとんど一人でやらせた感じで悪いな。」
ノアの頭を撫でるロイ。
二人にとってはすっかり習慣となっていた。
ノア「エヘヘッ。全然平気です!」
ノア(こうやってロイさんに褒めてもらえるし、、、。)
ロイ「さて、後は戻って干し肉にする準備をすれば依頼完了かな、、。これだけあれば当分は食料に困らないだろ。」
ノア「、、、、。」
ロイ「ノア?どうした?」
ノア「あっ、すいません。あそこの森から妙な気配がしたのでちょっと構えちゃって、、、。」
ロイ(全っ然分からんが、、シノビの能力ってやつか、、、。)
ロイ「そーいや、最近あそこの森で珍しいモンスターが出るって聞いたことがあるな、、。」
ノア「あっ!それ知ってます!ミストウルフって言うらしいですよ。」
ロイ「ミストウルフ?聞いたことないな。」
ノア「最近見つかった新種だそうですよ。一回りくらい大きくて白くて綺麗な毛並みが特徴みたいです。一度だけ普通のウルフに紛れて市場にお肉が出回ったそうなんですけど、あまりの美味しさにとんでもない値段が付いたって噂になってました。」
ロイ「へぇ。そんなにウマいのか。」
ノア「らしいです。貴族の人たちが色々な方法で探し回ってこの辺の森にミストウルフがいるってところまで分かったらしいんですけど、まだ実際には見つかってないみたいです。」
ロイ「なるほど。」
ロイ(まだ少し時間があるな、、、。)
ロイ「ノア。せっかくだしちょっと探しに行ってみるか!」
ノア「はいっ!私も興味あります!」
ロイ「んじゃ行くか!」
ノア「あっ、ちょっと待ってくださいね。」
森の入り口の木に布を巻き付けるノア。
ロイ「なんだそれ?」
ノア「シノビの術式、、簡単な魔法みたいなものです。魔力を込めた布をこうやって森の入り口とかに残しておくんです。万が一迷ってもこの布に込めた魔力を辿れば出口が分かるんですよ。」
ロイ「へぇー。便利なもんだな。」
ノア「シノビは何日も森に潜んだりするのでこういうのが意外と大事だったりするんです。それじゃ行きましょうか。」
ロイ「あぁ。」
それからしばらく森の中を進む二人。
ノア「いませんね、、。」
ロイ「まぁ、レアモンスターだしな。そんなに簡単には見つからないだろ。」
ノア「!!」
ヒュンッ!
ロイ「うぉっ!」
茂みの向こうの気配を察知したノアが一瞬で姿を消し、少ししてから残念そうな顔をしてロイのもとに戻ってきた。
ノア「普通のウルフでした、、。残念、、。」
ロイ「あっ、、あぁ、、、、。」
ロイ(音も何もしなかったし、オレには気配すら感じれなかった、、。ノアの戦闘能力の高さには驚かされるばかりだな、、、。ん?)
ロイ「ノア。足ケガしてないか?」
ノアの太ももに小さな切り傷があった。
ノア「あー、多分小枝か何かで切ったんだと思います。これくらい大丈夫ですよ。」
ロイ「ダメだ。ちょっとそこに座ってろ。」
自分の服を破り包帯代わりにして手際よくノアの傷口に巻いていくロイ。
ノア「ロイさん?!大袈裟ですって!」
ロイ「いや、こういう小さな傷でも何があるかわかんねぇんだよ。それに、、」
ノア「??」
ロイ「なんというか、、ノアってあんまり自分を大事にしないというか、、小さい怪我程度なら気にしないだろ?ノアが強いのは分かってるんだけど、そういうところは心配というか放っておけないんだよ。」
ノア「ロイさん、、、。」
ロイ「よしっ!これで大丈夫。ついでだし少し休むか。」
ノアの横に座り込むロイ。
ノア「はい、、。その、、ありがとうございます。」
ロイ「いーよいーよ。」
ノア「、、、。」
ロイ(黙っちまった、、。何かマズイことしたのか?それとも余計なことでも言っちまったのか、、、。)
ノア「ロイさん、、。」
ロイ「おっ、、おぅ。どした?」
ノア「ロイさんは私のこと怖いですか?」
ロイ「怖い?」
ノア「シノビって気配を探ったり人の様子を伺ったりするのに優れているんです。私が戦ってる時のロイさんからは尊敬と同時に少しだけ畏怖のような感情が感じ取れたので、、」
ロイ「んー、そうだな。怖いか、、。怖いというか、、何だろうな、、上手く言えないけど、、ノアのことが怖いって思ったことはないよ。」
ロイ(最初にシノビモード見たときはビビったけど、、、。)
ロイ「ノアって戦ってる時は全神経を戦いだけに集中させてる感じがしてさ。それが何か無謀というか無防備に見えるんだよ。もちろんノアは強いからオレが心配するようなことはないんだけどさ。それでもそれが原因でノアにもし何かあったらって考えたりはするかな、、。情けない話だけどノアの戦いは速すぎて助けに入れないしさ。」
ノア「、、すいません。シノビは基本的に単独行動で全ての責任を自分で負わないといけないので、、一緒に戦うっていうのに慣れてないんです、、。」
ロイ「そか。けど、ノアはもうシノビじゃなくて派遣勇者だろ?少しは周りを頼ってもいいんじゃないかな。」
ノア「!!」
ロイ「少なくともみんなはノアのこと頼りにしてると思う。オレもな。だから少しずつでいいからみんなと一緒に戦えるようになろうな。」
ノア「ロイさん、、、はいっ!!」
ロイ「よしっ!じゃあ行く、、、」
ロイが立ち上がろうとした瞬間、背後から2本の白い手がロイの肩に伸びる。
「うぅううううぅう」
「ああぁぁああぁあ」
ロイ「ぎぃやぁぁーーーーーーーーー!!!」
ノア「あっ、アリシアさん、ミディアさん。やっと見つけられました。」
ロイ「へっ?」
ロイが振り向くとボロボロになり半泣きのアリシアとミディアがへたりこんでいた。
アリ「ロイー、、、ノアー、、、」
ミディ「グスンッ、、せんぱーい、、、」
ロイ「おっ、お前らどうしたんだよ!?」
アリ「森で食材集めようと思ったら迷っちゃって、、、グスンッ、、」
ミディ「こわかったですぅー!」
ロイ「何やってんだよ、、、。ん?
ってか、ノア!もしかして知ってたのか!?」
ノア「迷ってるのは知りませんでしたけど、森に入る前にお二人の気配がしたので合流しようかなとは思ってました。ただ、いつもと少し違う感じがしたのでちゃんと確かめられるまでは言わない方がいいかと思って。ちゃんと合流出来てよかったです!」
ロイ「、、、。」
ロイ(言えよ、、。)
ノア「それじゃ、そろそろいい時間ですしみんなで帰りましょうか。」
ミディ「早くかえろーー、、。」
アリ「はぁ、、お風呂入りたい、、、。」
ロイ「まぁ、、いいか、、。ところでお前ら食材は?」
アリ「あぁ、あるわよ。ボアのお肉。森に入る前に解体して袋に入れておいたの。そのまま運んでたらウルフに横取りされるかもしれないし。」
ロイ「あー。なるほどね。」
ミディ「ウルフと言えば、森の奥で見たあのウルフ綺麗でしたねー。」
アリ「ホントにね。見たことないウルフだったわ。新種かしら、、。」
ロイ「、、それって一回りくらい大きくて白い毛並みのウルフか?」
アリ「そうそう!あんた達も見たの?」
ロイ「それミストウルフじゃねぇかーーー!!超激レア食材だぞ!!何で捕まえなかったんだよ!!」
アリ「なっ何よ急に!そんな余裕無かったわよ!それにあんな綺麗なウルフを食べるなんて野蛮よ!!」
ロイ「あー、くそっ、、。また探しに行く時間もないし、、」
ノア「まぁまぁロイさん。いるのは分かったんだしまた探しに来ましょうよ!」
ミディ「なーんか、ノアちゃんせんぱいと仲良くなってるーー。何かあったのー?」
ノア「えーー、、内緒です♥️」
ミディ「あー、ずるいー!」
ノア「フフフッ」
ロイ(まぁ、いっか、、、。)
森の出口が見え、そこから見える平原は夕陽で綺麗なオレンジ色に染まっていた。
アリ「ところであんた達の食材は?」
ロイ「あぁ。森の入り口にボアの山が、、」
ガルルッ
ノアが積み上げたボアの山は消え去り、最後の一匹もラージウルフが咥えて走り去っていった。
ロイ「、、、、。」
アリ「ウルフにやられたみたいね、、、。」
ノア「、、ロイさん。どんまいですっ!」
ミディ「ノアちゃんもだよ、、。」
ロイ(終わった、、、。)
その後、事務所に戻った派遣勇者達にはリーゼ、ランスロットペアのスケイルドラゴンの肉、アリシア、ミディアペアのボア肉を使ったロゼリア特製フルコースが振る舞われた。
そして手ぶらで帰ったロイにはミストウルフの肉を持ち帰るまで事務所出入り禁止が言い渡された。
ロイ「何でオレだけ、、、。」
ロゼ「あら、こんな夜に小さな女の子を連れ回すつもり?」
ロイ「うっ、、」
ロゼ「ミストウルフのお肉、よろしくね♥️」
ノア「ロイさん!ファッ、、ファイトです!」
ロイ「ちきしょーーーーー!!!」
依頼完了!?




