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25、ルームメイト対抗戦

ロランの傷も癒え、魔力も回復したある日。


湖の前で、アーシュとカサンドラが対峙していた。


二人は既に戦闘態勢に入っている。


間にはロランとリッケ、そしてドラコ。

2人と一匹は審判役だった。


リッケは言う。


「いい? 勝敗はどちらかが戦闘不能、もしくは降参するまで。また、戦闘が長期化して、決着が着かなそうな時は私たち審判の判定で勝敗を決めるから、文句は言わないでね? 最後に、相手に重傷を負わせるような攻撃はなし、木刀はいいけど真剣はなし、毒もなしよ? わかった?」


「わかったけどよ……相手に重傷を負わせないようにっつうのはちと無理があるぜ? この魔法オタク相手に手を抜いたら、命がいくつあっても足りねぇ」


「同感ね。私の魔法じゃ、手加減しても無駄だもの。アーシュなんて瞬殺」


みんなピリピリしていた。


けど、これは喧嘩ではない。

ただの試合なのだ。


なぜ、こんなことになったかというと……


始まりは昨夜。



――「ねぇねぇ。見て見て、これ! じゃーん!」


リッケは部屋でみんなに、分厚い札束を見せた。

三人は目を見開く。

紛れもなく本物の札束である。


「な、ど、どうしたの!? その大金!?」


ロランは聞く。


なんでも、これはロランのお陰らしかった。


ロランが先日倒したマンティコア。

あのあと、リッケはその灰の中から『魔石』を見つけたと言うのだ。


魔石は強力な魔物の体内で時々精製される石で、とても貴重なものだ。

用途しては、魔力増幅のために武器に仕込まれたり、防具に埋め込まれたりするのが一般的だが、なにせ貴重なものだから魔石装備品は嘘のように高い。


そんな魔石をリッケは密かに持ち帰り、前日に街で売ってきたと言う。


「魔石。ちょっとだけ欲しかった」


カサンドラは言った。

が、リッケはだからこそ黙っていたらしく


「背に腹は変えられないのよ! これで冬にもお肉が食べられるんだからね? 異論は受け付けません」


ときっぱりと言う。


が、「お肉」というキーワードが出てくると、初めから誰も文句など言えなかった。

若者の悲しい性である。


「はぁ……それにしても、ロランがマンティコアを一人でねぇ……何度聞いても信じられねぇが……」

「うん。まぁ、でも僕も危ないところだったから……やっぱりまだ一人でって感じじゃないよ」

「そんな謙遜はいらないんじゃないかしら? ロランは着実に実力をつけてきてるもの。アーシュが抜かされるのも時間の問題ね」

「いや、さすがにアーシュくんとまでは……僕は装備とかアイテム頼りだし……」

「へっ、まぁ、それを抜きにしてもよ、ロランの実力は認めるぜ? だけどよ、俺はまだまだ抜かされる気はねぇ。組手だって、もうすぐ俺の100勝に届きそうだしな」


アーシュは言う。

そんな自信ありげなアーシュの顔を見て、カサンドラはくすりと笑った。


「でも、5敗してるのよね?」

「……う」

「しかも、最近になって3敗してる」

「……う」


アーシュは返す言葉もないようだった。

ロランは慌ててフォローに入る。


「あ、あ、あれはたまたまというか、ちょっと運が良かっただけで……それに僕はその間に20敗はしてると思うし……」


だが、そのフォローはなぜか逆効果だったようで、カサンドラの悪戯心の方に火をつけてしまった。


「ま、ロランの急成長ぶりには私も驚くけど、それにしてもアーシュ、あなたは最近ちょっと伸び悩んでるんじゃないの?」


「……な、な、なにぃ?」


「図星?」


「んなことあるかよ。ロランも成長してるし、俺も成長してる。だから組手の勝敗のバランスもそんなに変化してない。そうだろ?」


「そう? でも、そのバランスはこのままだといつか崩壊するんじゃないかしら? アーシュも本当はわかっているんでしょ? だから、いつも焦って体を動かしてる」


「……ケッ! 言いたいことはそれだけかよ? 俺から見れば焦ってるのはむしろお前のように見えるけどなぁ。いつもいつも休みなく本を読んで……だいたい、俺はお前と勝負しても、負ける気はしねぇぜ?」


そこまで言われた時、カサンドラは読んでいた本をパタンと閉じ、おもむろに立ち上がった。


「そうね。焦ってはいる。けど、アーシュ。今戦ってもあなたは私に勝てないわ」

「……へぇ。そうかよ。のろまな詠唱魔法しか使えないお前が俺に勝てるってか?」

「ええ。いつまでものろまなままじゃないもの。なんなら、試してみる?」

「へっ。上等だ!」



――まさに売り言葉に買い言葉。


で、これである。


さらにロランが困ったのは、止める側にまわってくれると思っていたリッケまでノリノリだったことだ。


だから


「どうせなら4人の中で、誰が一番強いのか決めましょ?」


ということになってしまった。


でも、リッケは戦えないから、リッケの代わりにドラコが戦う。

よって、この試合が終わったら、ロランはドラコと戦うことになっているのだが、正直全然気が進まなかった。


「準備はいい?」

「ああ」

「いつでも」


リッケの声かけに、アーシュは木の短剣を構え、カサンドラはいつもの杖を構えた。


「では……始めっ!」


――


リッケの合図とともにアーシュは飛び出した。

もちろんカサンドラに詠唱の暇を与えないようにだ。

しかし、アーシュはロランとの組手で不用意に魔法使いに近づく危険性を学んでいたから、まずは様子を見るために、かまいたちを放った。


カサンドラはそれを目視すると、杖を前にかざす。

それだけで、かまいたちを相殺した。

ロランには何の魔法を使ったのか、わからない。けど、確かに魔力の発生を感じる。


アーシュはかまいたちの後ろからその様子を見ていた。


やっぱり、迂闊に近づくのは危険だ。

かと言って、このまま距離をとり続けるのも、得策とは思えない。


アーシュは一瞬で判断して接近戦に挑む。

あの杖の正面には立たないようにして。

目にも止まらぬ突進。


カサンドラは杖を地面に向けて横に振った。


すると地面が隆起し、カサンドラの前に分厚い壁を作る。


が、アーシュは止まる気はない。

このまま、壁を打ち砕くつもりだった。


「最短で行くぜっ!」


アーシュは壁を正面突破。

カサンドラに肉薄した。


その時、カサンドラは杖で地面をコツッと叩いた。


すると、カサンドラはパッと姿を消し、アーシュの短剣は空を切る。


「……! なっ!?」


アーシュは素早く振り返って、カサンドラの姿を探した。


見ると、カサンドラはいつの間にか遠くまで移動していた。


「な、なんだ? なにがどうなって……」


アーシュはさっきまでカサンドラが立っていたところをみる。

そこには、大きな円が描かれていた。


(ま、まさか転移の魔法陣? でも、ただの丸だぞ?)


考えるが、そんな暇はないと思いなおし、アーシュはカサンドラの元へ走る。

詠唱魔法を使われては堪らない。


が、今度はカサンドラは空を飛んだ。


そう。

宙に浮いたのである。


さすがのアーシュも唖然とした。

カサンドラは口を開く。


「反重力魔法『アンチグラビティ』。私の得意な重力系の魔法よ。どう? あなたはここまで来れる?」


アーシュはそう言われて、精霊術を全開にした。


「な、なめんなぁっ!」


アーシュは思い切り地面を蹴る。

アーシュは風の力をうまく使い、ぐんぐんとカサンドラとの距離を詰めた。


カサンドラはくすりと笑った。


(バカね……)


「地のマナよ。地の子をそのおきてことわりに縛らん。ひざまずけ……」


「『グラビティ』!」


詠唱を終え、カサンドラは杖を振る。


すると、黒く丸い魔力の塊が、上昇中のアーシュを絡め取った。


「ぐっ……! な、なんだ……?」


グラビティに囚われたアーシュはどんどん落下し、地面に叩きつけられる。


さらに、アーシュはぐいぐいと地面に体をめり込ませ、苦しそうにうめいた。


「ぐ……ぐぅ……ぐわっ」


アーシュはもがく。

が、体は重く軋み、ちっとも言うことを聞いてくれない。

そこへカサンドラが降りてきて


「どう? 降参する?」


と言った。


アーシュは口の端に笑いを浮かべて、首を横に振る。

カサンドラはため息をついた。


「あ、そう。じゃあ、これなら?」


カサンドラは再度、杖を振る。

グラビティの威力が上がり、アーシュはいよいよ苦しそうになる。


「これでどう?」


さらに、カサンドラは杖を振った。

そうなると、アーシュはもう息をすることすら難しい。

さすがに限界だった。


アーシュはカサンドラに目で合図した。

降参だ、と。


ここで、試合の決着はついたのだった。


―――


試合後。


カサンドラは地面に寝転がるアーシュに近づき、


「いつまでも精霊術に頼り切った、スピード攻撃。様子見のお手軽かまいたち。本当、バカの一つ覚え。よくそんなことで私に勝てると思えたわね」


と毒づいた。


「うるせぇ……」


アーシュはそう返す他なかった。

それは自分が一番よくわかっていたからだ。


でも、言い訳ではないが、アーシュはちゃんと強くなっているつもりだった。

そのバカの一つ覚えのスピードも、かまいたちも以前とは比べ物にならないくらい練度は上がっている。

攻撃のパターンもロランとの組手のお陰で爆発的に引き出しが増えた。


それでも、カサンドラには届かなかった。

いや、足元にも及ばなかった。


「……お前のあれは……転移の魔法陣か?」


「そう」


「でも、ただ円を描いただけだろ? そんなんで魔法陣になるのかよ」


「ええ。でも、使い勝手は決してよくない。あれは特定の場所には移動できないから。ランダムに近くの場所に瞬間的に転移する……ただの緊急避難用だもの」


「……チッ、そんなのありかよ」


「ありもなにも、あれは私のオリジナルだもの。あなたに、いつまでものろまって言われたくないから。それに詠唱時間が稼げないのは、その通りだったものね」


「……そうかよ」


(ったく、こいつは……妙に素直なところがありやがる……要するに、俺への対策はバッチリだったわけだ。そのために自分にできることを積み上げて来やがった。俺が来てからのこの一年数ヶ月で、か……)


アーシュは認めざるを得なかった。

完敗だ。


「…なぁ? カサンドラ」

「なに?」

「……俺は、どうやったらお前に勝てるくらい、強くなれると思う?」

「アーシュじゃ、私には一生勝てないと思うけど」

「……はぁ、いいよ。じゃあ、そこは百歩譲るとして、何かアドバイスをくれねぇか?」


そう言われてカサンドラはちょっと考える。

もう少しいじめてみたい気もしたけれど、それはそれで煩わしいかなと思いやめた。


「……風って、使い方がたくさんあると思わない?」

「使い、方?」

「そう。例えば、単なる肉体強化、遠距離攻撃だけじゃなくて、竜巻を起こすとか、私みたいに空を飛んでみるとか」

「…………」

「私は術者じゃないから、どこまでその力を行使できるのか範囲がわからないけど、うまく使えば相手の動きを封じたり、物を浮かせたり、あるいは相手の体に直接風を送り込んで窒息とか、肺を破壊したりできるんじゃないかしら?」

「ち、直接ってお前……」


(えげつねぇことを考えるな、こいつは……)


でも、カサンドラの指摘はいちいち、ごもっともだった。

今までアーシュは、自分の肉体に宿る精霊術の力を増幅させることと、体術のバリエーションに重きを置いてきた。

それは真っ当な力を得るための、言わば土台作りであり、且つそれであのヴァンに勝ってこそ初めて意味があるのだと固く信じていたからだ。


でも、カサンドラは言う。

それでは一生かかっても私には勝てないと。


ならばヴァンにも勝てないのではないか。


勝てなくても勝負ができれば、自分は満足なのだろうか?


勝ってこその勝負もあるのではないか?


アーシュが考えていると、カサンドラが聞いていた。


「アーシュは私の瞬間転移を、卑怯だと思う?」


と。アーシュはため息をついた。


「……はぁ、思わねぇよ。正直、そんなのありかよって見た時はビビったが、あれがなければお前はまともに戦えないと感じた。あれはあの試合における生命線だった。卑怯もくそもねぇ。お前の実力だ」


それを、聞いてカサンドラは微笑んだ。

アーシュは頭を掻く。


「そこまでわかってるなら、話は早いんじゃない? アーシュ、あなたはもっと『その場の空気』に干渉する術を強化すべき。あなたと相手の周りの空気を、あなたのテリトリーにすることができれば、それだけで相手を圧倒できるようになるはずよ」


「……ああ。きっと、そうなんだろうな」


「きっとじゃないわ。絶対よ」


「……へへっ。お前に言われちゃ聞き捨てられねぇな。そうすれば、お前にも……?」


「それはないわ。私も成長するから」


「ケッ。可愛くねぇな、ほんと」


「そうよ? 可愛さなんて、求めてないもの」


―――


続いて。

一回戦第二試合。


ロランvsドラコ。


「いい? ロラン。病み上がりなんだから、あの闇の力ってやつ? あれは使用禁止ね! それと、ドラコは手加減できるかわからないから、負けそうならすぐに言って!」


(じゃ、じゃあ、今、棄権しようかな……)


ロランは思う。

が、そんなロランの心を読んだかのように、審判のカサンドラは首を横に振る。

戦えってことだ。

ロランはそれで腹を括った。


「いい? じゃ、始め」


カサンドラの緩い始めの合図。


ロランもドラコも特に動きはない。


ロランは口の中で詠唱をしていたが、ドラコは本当にただロランを見つめているだけだ。


(様子を見てくれてるのかな? なら、僕も試してみよう)


ロランは地面に右手をつく。


「ショック!」


さらに、左手を前にかざし


「ホーリーニードル!」


と、連続で唱える。


すると、無数に現れた光の針が避雷針のようになり、ショックの雷がホーリーニードルに乗り移った。


「てぇっ!」


それをロランは一斉にドラコに放つ。

心の中では『ショックニードル』と名付けている合成魔法。

これなら対象をすり抜けないし、威力は数が多い分、ショックよりも高くなる。


ドラコは目を細めた。

狙いすまし、尻尾でショックニードルの半数を薙ぎ払う。

撃ち漏らした、もう半分は体に直撃した。


だが、全く効いてなさそうだ。

まぁ、そうだろうなと、ロランは予想していたけれど。


今度はドラコの番。

ドラコは口を開くと、ものの一秒ほどで火球を精製し、ロランに向けて放った。


「クリスタル・ディフェンス!」


避けられないと判断し、物理防御魔法で凌ぐ。

それでも、ものすごい熱がロランを襲った。


「ぐあっ……くっう……」


壁を挟んでもこの威力。

直撃したら灰になっていたのではないか……手加減できないというか、手加減してもこれなのかもしれない。


(これは早く降参した方がいいかも)


ロランはそんなことを思う。

だが、ドラゴンと戦える機会なんて、滅多にない。いや、もしかしたら一生に一度の機会かもしれないのだ。


(そう。ここで降参って言うのは簡単だ。でも、カサンドラさんの指示通り、全力で戦ってみよう。降参はそれからでも遅くない……!)


この勝負の鍵はロランがドラコのあの硬い鱗を貫くほどの攻撃ができるかどうかだ。


だから、ロランは自分の現在の全力で挑もうと思った。

闇の力はなしでだ。

ロランは手甲を外す。

そして、アーシュに向かって放り投げた。

アーシュはそれを軽々と受け取る。


「聖なるマナよ。我は求める……刺し貫く光の槍! 出でよ 『ホーリーランス』!」


ロランは唱えた。

右手にランスが出現する。

ドラコはそれを見てもまだ待ってくれている。


ロランは目を瞑った。

そして手甲に魔力を流す要領で、ランスに魔力を流す。


すると、光でできたランスの輝きが一層増した。


(まだだ。もっと……もっとだ……)


ロランは集中し、自分の聖属性の魔力を全てランスに結集させる。


全てを刺し貫く槍。

そんなイメージで。


ランスは昼間の森をも眩しく照らすほどの、閃光を放ち始めた。


これで勝負だ。


「……行くよ、ドラコ」


ドラコが頷くと、ロランは真正面から突進した。


ドラコは火球を吐く。


「……ちっ」


ロランはランスで火球を真っ二つに切り裂き、そのままドラコに迫る。


ドラコは反転した。

そして、尻尾を振る。

尻尾でランスを止めようというのだ。


ロランのランスとドラコの尻尾がぶつかる。


接触点から、火花が散った。


「……くっ……ぬおぉぉぉ!」


ロランは必死で押し込む。


だが、どうしてもそれ以上前に進まない。


硬さでも力でもドラコの尻尾が優った。


ロランの全力攻撃は、ドラコの鱗を貫くことができない。


なんとか踏み止まろうとしたが、最後には尻尾に吹き飛ばされてしまった。


地面に倒れ込むロラン。

ドラコは火球を放とうとする。


結局、そこでロランの降参となった。


―――


「はい。これ」


次のカサンドラとドラコの試合の前、リッケが赤く硬い、小さなプレートみたいなものを持ってきた。


ロランはなんだろうと思いつつ受け取る。


でも、手に取るとすぐにわかった。


「これって……ドラコの鱗……?」

「うん。そうだよ。ドラコがロランにあげて欲しいって」

「ド、ドラコが? ……なんで?」

「さぁ。なんか、傷ついたからいらないんだって。傷ついた鱗は取って、新しいのを生やすらしいよ?」


そう言われてみれば、確かに鱗の上の方が、少しだけ欠けていた。

ということは、これはロランのホーリーランスの攻撃が、少しはドラコに効いていたという証拠なのではないか?


ロランはドラコを見る。

ドラコはいつもの冷静な視線をロランに送っていた。


(そうか……これはよく頑張った証としてドラコがくれたんだ……)


ロランはそう納得すると、ドラコに会釈をし、ありがたく鱗をいただくことにした。


―――


決勝戦。


その戦いは「凄まじかった」というしかない。


危うく湖周辺の地形が変わるところだ。


ひとつわかったのは、ドラコはロラン相手に全然本気ではなかったということ。


それと同様に、カサンドラもアーシュ相手に、全く本気ではなかったということだ。


遠目に見る景色は、嵐である。


魔法使い一個師団同士が戦っているのではないかと言わんばかりの、大技の応酬。


そのど真ん中にリッケとドラコがいて、その少し上空にカサンドラが浮いているのだ。


ロランとアーシュは審判にも関わらず、木の陰で戦況を見守る。


二人には、もうひとつわかったことがあった。


「この森の女を敵に回しちゃいけない……絶対に」


ちなみに、決勝は勝負が着かず、判定に持ち越されたが、ドラゴンと人間ということを考慮して、優勝はカサンドラに決まった。


カサンドラの優勝インタビュー。


「当然の結果ね」


アーシュは呆れて言葉も出ず、ロランはさすがだなと思った。


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