自己紹介
この話は最初のくだりだけ原文を変更致しました。
「オッドアイ……やっぱりね」
「やっぱり?」
「ああ、僕の知ってる人にオッドアイの人が居てね。なんとなくティアと雰囲気が似てるなーって思ってたんだ」
そう……なんだ。じゃあ、ユーリはオッドアイに対して酷い事は言わないんだ。
「はぁ……そんな事で右眼隠してたのか?」
「う、うん……」
呆れたような目でこちらを見てくるアレン。
「んなこと、クソどうでもいいな。目の色がなんだってんだ」
そう、か。
アレンは細かい事を気にしないタイプなのかもしれない。
──でも。
ユイはどうだろう。
オッドアイを晒してから今の今まで無言を貫いているユイはもしかしたら──
「別に気にしなくていい」
「え?」
「そんな事で態度が変わる人に神は力を与えないと思う」
確かに、与えた力を悪用なんてされたら堪った物じゃないだろう。
神が力を与える人はそうゆう所も大事なのかもしれない。
「ね? 皆はティアに酷い事言ったりしないでしょ?」
「うん。ありがとう」
自然と口には笑みが浮かんでいた。何か重荷が下りたような感覚だった。
◇ ◇ ◇ ◇
「さて、次は皆さんの異能を確認してみましょう」
リーフ学園長の声で皆の視線が学園長に集まる。
「お互いの異能を知っていた方が連携しやすくなりますし、皆さんには同じパーティーに入ってもらおうと思ってます」
パーティーとは、学園で行われれる様々な行事を一緒にこなしていくチームのような物だ。パーティーは学年が上がる時や、よっぽどの事が無ければ変える事が出来ないので、組むパーティーは慎重に決めなければならない。
大体は5人で1パーティーとなる。
「もしかして他の誰かと組む約束をしてましたか?」
「いえ、特には」
「俺は知り合い居ねーしな」
「私も」
「私はティアと組もうとしてたよね?」
「うん、だから特に問題はないです」
どうやら皆も大丈夫なようだ。
「そうですか!! それは良かった!! では皆さん一緒にパーティーを組んでおいて下さいね」
その後異能の確認をして寮へと向かった。
◇ ◇ ◇ ◇
「わ~、ここが私達の部屋かぁ!」
私の部屋はフィアと相部屋だった。部屋には簡素なベッドが二つと机が二つ。そしてクローゼットなどがある。
そして向かいの部屋にはユイの部屋がある。どうやら学園長の仕業らしい。
何故なら、ユイの部屋にこんな手紙が置いてあったらしいからだ。
『ユイさんの部屋を一人部屋、そしてティアさん達の向かい側にしておきました。これで何時でも会えますね!!』
学園長の権限を使ったようだ。
◇ ◇ ◇ ◇
翌日、私達は一緒に食堂で朝食を食べて教室に向かっていた。
私達の教室は西側の1階にあり。職員室に1番近い所にある。
クラスの人数は30人で1年生は6クラスある。
教室には長机が6つあり、それが前後2つずつ、横に3列並んでいる。私達は入り口から遠く誰も座っていなかった左の後ろ側の席に座る。椅子は5つ用意されており、やはりパーティー毎に座るようだ。
そして、私達が駄弁っていると教室の前が騒がしくなっていた。
「何だろうね」
「さあ」
フィアとユイが騒ぎがある方向へ耳をかたむけている。
すると、入り口から沢山の女子の声が聞こえてきた。
「──様。お会い出来て光栄です。──様も1組なのですね」
「──王子、私は──と申します。以後、お見知りおきを」
どうやら噂の第二王子も同じクラスらしい。そして、その王子が来て貴族のご令嬢や平民の女の子が騒いでいると。
「へえ~、王子が来てるんだね。そういえばユーリ君やアレン君がまだ来てないね。学園長の事だし皆同じクラスにしてると思うんだけど」
段々と、騒ぎが近づいてくる。そして、嫌な予感も近づいてきた。
人混みの向こうから現れたのは、笑顔を浮かべて話し掛けられているユーリと少しやつれたようなアレンだった。ユーリはこちらを見て──
「やあ、皆早いね」
と、声を掛けて来た。
瞬間、クラスの視線が全て私達に向けられる
(誰? あの子達?)
(皆綺麗だな。是非お近づきになりたい)
(あの銀髪の令嬢、是非私の妻に迎えたい!)
そんなクラスメイトの声を掻き消し、2人がやって来た。
(あれ? もしかしてユーリが噂の第二王子?)
「あー疲れたー。まさかユーリが第二王子だなんてな」
「やっぱりユーリ、様? は第二王子なんだね」
「ユーリで良いよ、ティア」
「そう? ユーリが良いならそれで良いか」
やはり、ユーリが噂の第二王子だったらしい。
その後、クラスメイトの視線に耐えながら私達は皆で部屋の事などを喋っていた。どうやらユーリ達も部屋が近いようだ。
「お前らー、席に着けー」
と言う声と、パンパンと手を鳴らす音と共に、黒髪の筋骨隆々とした男が教室に入って来た。
「俺はお前らの担任のモンドだ」
この人は担任でモンド先生と言うらしい。
「よーし、まずは自己紹介から始めろ。右からだ」
そして、クラスの面々が自己紹介していき、ついに私達の番になった。
「僕はユーリ・アルシャとです。気軽にユーリと呼んで下さい。
属性は火、水、氷、雷で異能持ちです。よろしくね」
ユーリが笑顔を浮かべると女の子達から黄色い声が上がる。流石は王子。
いや、王子だという事を抜いてもユーリはイケメンだ。まるで前世で描かれていた理想の王子像その物だ。
「俺はアレン。属性は火と地、異能持ちだ。よろしくな」
流石にユーリには負けてるが、アレンも整った顔つきをしている。
スペックは異能持ちという事を除いて至って平凡だ。
「私はユイ、属性は闇と水、異能持ち、よろしく」
闇属性とは主に気配や匂い、足音などを消す隠密に優れた属性で、鍛えれば攻撃した場所の感覚を無くしたりできる。
そして、闇や光と言った特殊属性は使える者が極端に少ない。
数少ない闇属性や異能持ちがここまで固まっているので教室は騒がしくなる。
そして、自己紹介はフィアの番になった。
「私はフィアって言います! 属性は全部と、異能を持ってるよ! よろしくね!」
一瞬の静寂の後、驚愕の声が巻き上がった。
『えええぇぇぇ!!!!!』
◇ ◇ ◇ ◇
しばらく教室はうるさかったが、モンド先生が声を掛けて生徒を静かにした。
「お前ら静かにしろ! 自己紹介はあと一人残ってるんだぞ!」
私の番が来た。生徒達は王子に異能持ち、闇属性や全属性などがあって私に期待の目を向けてくるが、すまない。
「私はティアと言います。属性は風で異能持ちです。よろしくお願いします」
私にはこれと言って生徒達を驚かせるような能力は無い。
まあ異能持ちってだけでも珍しいのだが、前の四人のせいで感覚がおかしくなっている。
いや、2つ程あるか。1つは私が風属性しか使えない事。普通の人は大体2属性使えて、3属性も使えれば十分だ。
そうなるとユーリの四属性やフィアの全属性は天才と呼ばれる物で、ハッキリ言ってチートだ。
まぁフィアの場合は異能の力で全属性を得ているので、素で四属性&異能持ちと言うユーリが1番私達の中ではチートなのかな。
2つ目はオッドアイだと言う事だ。これは絶対にばらさない。
「よし、全員終わったな。次はチームを決める。チームは1年間変わらないから慎重に決めるように。だが、今日から1週間はお互いの相性を見る仮チームとする。1週間後に正式にチーム登録をするからそれまではいろんな奴と組んでみて決めろ」
そして、仮チームを決める時がきた。
「オッドアイ……やっぱりね」
「やっぱり?」
「ああ、僕の知ってる人にオッドアイの人が居てね。なんとなくティアと雰囲気が似てるなーって思ってたんだ」
そう……なんだ。じゃあ、ユーリはオッドアイに対して酷い事は言わないんだ。
「はぁ……そんな事で右眼隠してたのか?」
「う、うん……」
呆れたような目でこちらを見てくるアレン。
「んなこと、クソどうでもいいな。目の色がなんだってんだ」
そう、か。
アレンは細かい事を気にしないタイプなのかもしれない。
──でも。
ユイはどうだろう。
オッドアイを晒してから今の今まで無言を貫いているユイはもしかしたら──
「別に気にしなくていい」
「え?」
「そんな事で態度が変わる人に神は力を与えないと思う」
確かに、与えた力を悪用なんてされたら堪った物じゃないだろう。
神が力を与える人はそうゆう所も大事なのかもしれない。
「ね? 皆はティアに酷い事言ったりしないでしょ?」
「うん。ありがとう」
自然と口には笑みが浮かんでいた。何か重荷が下りたような感覚だった。
◇ ◇ ◇ ◇
「さて、次は皆さんの異能を確認してみましょう」
リーフ学園長の声で皆の視線が学園長に集まる。
「お互いの異能を知っていた方が連携しやすくなりますし、皆さんには同じパーティーに入ってもらおうと思ってます」
パーティーとは、学園で行われれる様々な行事を一緒にこなしていくチームのような物だ。パーティーは学年が上がる時や、よっぽどの事が無ければ変える事が出来ないので、組むパーティーは慎重に決めなければならない。
大体は5人で1パーティーとなる。
「もしかして他の誰かと組む約束をしてましたか?」
「いえ、特には」
「俺は知り合い居ねーしな」
「私も」
「私はティアと組もうとしてたよね?」
「うん、だから特に問題はないです」
どうやら皆も大丈夫なようだ。
「そうですか!! それは良かった!! では皆さん一緒にパーティーを組んでおいて下さいね」
その後異能の確認をして寮へと向かった。
◇ ◇ ◇ ◇
「わ~、ここが私達の部屋かぁ!」
私の部屋はフィアと相部屋だった。部屋には簡素なベッドが二つと机が二つ。そしてクローゼットなどがある。
そして向かいの部屋にはユイの部屋がある。どうやら学園長の仕業らしい。
何故なら、ユイの部屋にこんな手紙が置いてあったらしいからだ。
『ユイさんの部屋を一人部屋、そしてティアさん達の向かい側にしておきました。これで何時でも会えますね!!』
学園長の権限を使ったようだ。
◇ ◇ ◇ ◇
翌日、私達は一緒に食堂で朝食を食べて教室に向かっていた。
私達の教室は西側の1階にあり。職員室に1番近い所にある。
クラスの人数は30人で1年生は6クラスある。
教室には長机が6つあり、それが前後2つずつ、横に3列並んでいる。私達は入り口から遠く誰も座っていなかった左の後ろ側の席に座る。椅子は5つ用意されており、やはりパーティー毎に座るようだ。
そして、私達が駄弁っていると教室の前が騒がしくなっていた。
「何だろうね」
「さあ」
フィアとユイが騒ぎがある方向へ耳をかたむけている。
すると、入り口から沢山の女子の声が聞こえてきた。
「──様。お会い出来て光栄です。──様も1組なのですね」
「──王子、私は──と申します。以後、お見知りおきを」
どうやら噂の第二王子も同じクラスらしい。そして、その王子が来て貴族のご令嬢や平民の女の子が騒いでいると。
「へえ~、王子が来てるんだね。そういえばユーリ君やアレン君がまだ来てないね。学園長の事だし皆同じクラスにしてると思うんだけど」
段々と、騒ぎが近づいてくる。そして、嫌な予感も近づいてきた。
人混みの向こうから現れたのは、笑顔を浮かべて話し掛けられているユーリと少しやつれたようなアレンだった。ユーリはこちらを見て──
「やあ、皆早いね」
と、声を掛けて来た。
瞬間、クラスの視線が全て私達に向けられる
(誰? あの子達?)
(皆綺麗だな。是非お近づきになりたい)
(あの銀髪の令嬢、是非私の妻に迎えたい!)
そんなクラスメイトの声を掻き消し、2人がやって来た。
(あれ? もしかしてユーリが噂の第二王子?)
「あー疲れたー。まさかユーリが第二王子だなんてな」
「やっぱりユーリ、様? は第二王子なんだね」
「ユーリで良いよ、ティア」
「そう? ユーリが良いならそれで良いか」
やはり、ユーリが噂の第二王子だったらしい。
その後、クラスメイトの視線に耐えながら私達は皆で部屋の事などを喋っていた。どうやらユーリ達も部屋が近いようだ。
「お前らー、席に着けー」
と言う声と、パンパンと手を鳴らす音と共に、黒髪の筋骨隆々とした男が教室に入って来た。
「俺はお前らの担任のモンドだ」
この人は担任でモンド先生と言うらしい。
「よーし、まずは自己紹介から始めろ。右からだ」
そして、クラスの面々が自己紹介していき、ついに私達の番になった。
「僕はユーリ・アルシャとです。気軽にユーリと呼んで下さい。
属性は火、水、氷、雷で異能持ちです。よろしくね」
ユーリが笑顔を浮かべると女の子達から黄色い声が上がる。流石は王子。
いや、王子だという事を抜いてもユーリはイケメンだ。まるで前世で描かれていた理想の王子像その物だ。
「俺はアレン。属性は火と地、異能持ちだ。よろしくな」
流石にユーリには負けてるが、アレンも整った顔つきをしている。
スペックは異能持ちという事を除いて至って平凡だ。
「私はユイ、属性は闇と水、異能持ち、よろしく」
闇属性とは主に気配や匂い、足音などを消す隠密に優れた属性で、鍛えれば攻撃した場所の感覚を無くしたりできる。
そして、闇や光と言った特殊属性は使える者が極端に少ない。
数少ない闇属性や異能持ちがここまで固まっているので教室は騒がしくなる。
そして、自己紹介はフィアの番になった。
「私はフィアって言います! 属性は全部と、異能を持ってるよ! よろしくね!」
一瞬の静寂の後、驚愕の声が巻き上がった。
『えええぇぇぇ!!!!!』
◇ ◇ ◇ ◇
しばらく教室はうるさかったが、モンド先生が声を掛けて生徒を静かにした。
「お前ら静かにしろ! 自己紹介はあと一人残ってるんだぞ!」
私の番が来た。生徒達は王子に異能持ち、闇属性や全属性などがあって私に期待の目を向けてくるが、すまない。
「私はティアと言います。属性は風で異能持ちです。よろしくお願いします」
私にはこれと言って生徒達を驚かせるような能力は無い。
まあ異能持ちってだけでも珍しいのだが、前の四人のせいで感覚がおかしくなっている。
いや、2つ程あるか。1つは私が風属性しか使えない事。普通の人は大体2属性使えて、3属性も使えれば十分だ。
そうなるとユーリの四属性やフィアの全属性は天才と呼ばれる物で、ハッキリ言ってチートだ。
まぁフィアの場合は異能の力で全属性を得ているので、素で四属性&異能持ちと言うユーリが1番私達の中ではチートなのかな。
2つ目はオッドアイだと言う事だ。これは絶対にばらさない。
「よし、全員終わったな。次はチームを決める。チームは1年間変わらないから慎重に決めるように。だが、今日から1週間はお互いの相性を見る仮チームとする。1週間後に正式にチーム登録をするからそれまではいろんな奴と組んでみて決めろ」
そして、仮チームを決める時がきた。