三十二話 盗賊退治③
セイは闇属性魔法【影渡り】を使い影の中に潜り込む。この魔法は名前の通り影の中を移動できる魔法で、暗殺者や盗賊、(悪くない方)、狩り人が好んで覚える魔法だ。
暗殺者は暗殺に、狩り人は獲物から姿を隠すため、盗賊は遺跡や、ダンジョンの危険な罠を取り込んで始末すると言うことによく使うらしい。
セイが聞いたのは噂なので真偽はどうなのか知らないが・・・
それにこの魔法は影であるならば大抵は潜り込める、結界などがある場合は無理だが・・・
今回は盗賊(悪い方)なので問題ないだろう。大抵が元農民や元兵士(下っ端)や冒険者(低ランク)なので結界を張ることは出来ないだろう。
もしできたら冒険者にでも、騎士にでも良いところまでいけるからだ。
まっ、さておき、そろそろ端の方から殺していくか。
セイは盗賊の影から飛び出し首を落としていく。
「て、敵襲だぁぁぁ!!!!」
盗賊が騒ぎ出しているが遅すぎる。大抵の盗賊は酔っぱらってふらふら、セイは動けそうな奴から殺していく。
首と頭を切り取ったり、心臓を突き刺したり、一瞬で楽になれるように殺していく。
「コノヤロウ!よくも仲間を!!!」
「黙れ害虫。」
剣を振り下ろそうとしたお髭が立派な盗賊(害虫)はセイの持つ忍者刀によって貫かれ生き絶える。
セイが蒼炎を振ると周りにいた盗賊たちに青い色をした炎が襲い掛かり、その皮鎧ごと燃やしていく。
セイが50人ほど殺した辺りでどうやら親玉がついにで張ってきたようだ。
「おい、坊主、よくも俺の盗賊団を殺りやがったな」
出てきたのは頭はツルッパゲ髭はモサモサ、目付きは悪いし、片目に傷がついてる、装備は冒険者から奪ったであろう、魔物の皮鎧、手には戦斧を持っている。
「うちのパーティーメンバーが盗賊狩りが好きでね、ちょっと付き合ってるんだよ。かくゆう俺も少し冒険者として街を守ろうと思って今回はやる気なんだよ。で、あんたが親玉?」
「あぁ、俺こそがこの森の狼のボス、ガラス様だ。坊主、言っておくがお前が倒したアイツらとは俺は違うからな。覚悟しやがれ。」
そう言ってガラスは巨大な戦斧を振り下ろしてきた。
セイの持つ忍者刀がいくらアダマンタイト製でも流石に受けきるのはきつい、まず大きさが違いすぎる。
ガラスのもつ戦斧は二メートル、セイのもつ忍者刀は刀身が三十センチ程しかないうえに、恐らくガラスのもつ戦斧はミスリル製だろう。
鉄ならなんとかなったがミスリルではこちらの武器が壊れてしまう可能性があるのでセイは受けきるのではなく避けて戦う戦法にした。
「おいおい、いくら俺の戦斧が怖いからって避けてばっかじゃ倒せねえぞ!」
「はっ!笑わせるな。その首さっさと切り取ってやる。」
セイの忍者刀が蒼い炎を飛ばして目眩ましをする。
ガラスが眼をつむってしまった一瞬の隙をセイは逃さなかった。
ガラスの右腕、左腕を斬り飛ばす。
ガラスは痛みで失神仕掛けている。
「お前も俺をなめすぎだ。じゃあな。」
セイはガラスの首を忍者刀でスパリと切り落とす。
周りに盗賊たちはボスが殺られたことで自分達では勝てないと思い逃走を図るがちょうどもうひとつの方を潰していたクリスが現れ、闇属性魔法の餌食となる。
セイの補助系の闇属性魔法とは違い、クリスの魔法は攻撃系の魔法が多く、例が【闇の矢】や【闇の銃弾】だ。
クリスは混合属性魔法【黒雷】(雷と闇の混合)を使い逃げようとしていた盗賊たちに食らわせ命を散らせていく。
【黒雷】が終わる頃になると盗賊は全員退治出来ていたのであった。




