三十一話 盗賊退治②
夜、奇襲をかけるならと言うことで俺たち四人は日が暮れるまで馬車で待ち、再び盗賊の隠れ家の洞窟の前にある草むらに隠れていた。
洞窟の前にはいかにも盗賊といった格好をした、小汚ない格好をした男が二人、門番のようにたっている。
二人ともこの仕事が面倒なようで酒を片手に持ってるうえに、人が来ないと思い、全然周りを警戒していないようだ。
「中には連れ去られた人がいる可能性があるから静かに数を減らすぞ。とりあえず左のやつは俺がやるからもう一人の右のやつをだれか遠距離スキルか魔法で殺してくれ。」
「わかったのじゃ、妾に任せるとよい!」
「それじゃ3.2.1で攻撃を頼む。」
「3.2.1.0.!フッ!【影針】」
クリスも無詠唱で魔法を発動させる
「【闇の矢】」
クリスの手のひらから放たれた闇の矢は右の盗賊、ここは盗賊Aとしておこうの頭部を貫き、盗賊Aは一瞬で死に絶える。
驚いた盗賊Bを俺は影で出来た針を飛ばしてこちらも頭部を貫き即死させる。
ミクさんは人が死ぬから馬車で待っておくように言ったが「私もこの世界にいる間はいつかはやらないと行かないから連れていってと」言われ連れてきた。
護衛役にティファニアをつけている。一応ミクには短剣を持たせているがあくまで自衛用である。
セイとクリスは死体を草むらに捨て、手招きをして二人に作戦を伝える。
作戦はクリスとセイで洞窟に先に侵入、それからミクとティファニアが侵入する。
セイとクリスは敵の殲滅、ミクとティファニアは後ろから来た場合にバレずに敵を殺す。
それ以外の二人の仕事は囚われている人がいるから救出。
それと宝物庫があるはすだからそこにある金めの物の回収って所だな。
四人は慎重に洞窟を進んでいく、途中で三方向に別れておりセイが【ソナー】のスキルを使ってみると左には30名ほどの人、恐らく盗賊の下っぱか囚われている人、真ん中は一番人が多く70名程、そして、右が0名これは宝物庫だろう。
セイたちはここで三つに別れることにする。左の通路をクリス、真ん中の通路はセイ、そして、右の通路はティファニアとミク。
セイは忍者刀千影を右手に逆手に持ち、左手にはアイテムボックスから取り出した忍者刀蒼炎を逆手に持つ。
「じゃあ、また後で。クリスはそっちの通路の掃除が終わったらこっちに来てくれ。ティファニアとミクさんは宝物庫で待っていてくれ。」
「了解なのじゃ」
「わかりました」
「わかったわ」
四人はすぐに自分達の担当の通路を音を立てずに走っていく。
セイは100メートルほどぐにゃぐにゃの通路を進むと盗賊がいると思わしき、部屋が見えた。中を覗いてみるとどうやら昼間強奪した馬車の酒などで酒盛りをしているようだ。
少し話を聞いてみたことろアイツらはどうやら今日だけで三回も馬車を襲ったようだ、そして、詳しく話を聞いていると一人の狼人族の少女を連れてきているようだ。
その子がどこにいるかとバレないように中を端から見ていくと左端にある、牢屋に鎖に繋がれているようだ。
どうやら捕まっているのは彼女一人、なら暴れても人質はとられないだろう。
セイはこれから駆除する盗賊共に聞こえない声で呟き、忍者刀二本を腰にある鞘から抜きとる。
「さっさと駆除作業を始めて、終わらせるか」
セイによる蹂躙作業が始めるのであった。




