二十四話 散策(ロキアス王国王都編)
もうしばらくロキアス王国にいます。
それが終わればエルフの国の大森林編になります
セイは王都を一人で散策していた。
道の端には露店が立ち並び時折焼き鳥などの香ばしい匂いがしていた。
「うーん、焼き鳥もいい臭いがするが揚げ物も気になる・・・よし、どっちも買ってくか!」
セイはコカトリスの焼き鳥とステップラビットの唐揚げを一人前ずつ、買い。
しばらく歩いた所にある公園で食べていた。
コカトリスの焼き鳥や魔物の肉としては臭みもなく、また、とても柔らかくタレがよく染みて美味しかった。
ステップラビットの唐揚げはあまり、唐揚げにはあっていないようでコカトリスの焼き鳥程美味しくなかったと言っておく。
昼下がりの公園、子供が真ん中で遊んでいたり、老人がベンチで日なたぼっこしていたり、セイのような若者はあまりいないようだ。
この王都は比較的、就職率が高く商人の下男や門番などわりと仕事があるため学がないものでも就職出来るのだが、やはり英雄に憧れ冒険者になるものがとても多いのであった。
この国の若者の仕事として人気なのは上から冒険者、騎士、商人と冒険者はかなり人気なのである。
まぁ、大抵がマリンに憧れ冒険者になっているのをセイは知るよしはなかったのであった。
セイは公園で一服したと再び街を少し回り日が落ちる夕方に小鳥の宿へと戻ってきた。
そして、自分達が借りている部屋の扉を開け中へ入るとベッドではティファニアが熟睡をしていた。
ミクさんとクリスは隣に部屋かと思ったが話し声が聞こえないようなのでどこか出かけてまだ帰ってないようだ。
「おーい、ティファニア」
セイはゆさゆさとティファニアを揺らすがティファニアは何か満足そうに起きる気配もなく寝ている。
「はぁ、ま、まだ二人とも帰ってないしギリギリまで寝さしてやるか」
セイはそう言ってティファニアに膝枕をするとティファニアはセイの膝に自分の頬を擦り寄せまるで猫がじゃれているような感じであった。
膝枕をはじめてから三十分後ティファニアはゆっくりと目を覚ました。
「ん・・・うみゅ・・・ふぁ~あ・・・あれ?セイさん・・・?」
「ん、起きたか?そろそろ晩飯だ。起きろよ。」
「あれ?セイさん膝枕してくれたんですか?だから何か暖かい気持ちになってよく寝れたんですね。」
「そうか?気のせいだろ?さっ、ミクさんとクリスも帰ってきただろう。さっき隣に部屋の鍵が開く音がしてたからな。ティファニアも一回部屋戻って寝癖整てこい。」
「はーい。」
ティファニアはひょいっとベッドから飛び降りたあとトトトと扉まで歩いていきこちらを振り返った
「あのセイさん?」
「ん?なんだ?」
「今日は約束道理セイさんの部屋で寝ますからね。」
「ん、あぁ。約束だからな。」
「じゃあ、私は一回戻りますね。では、後で」
「了解」
ティファニアが部屋から出ていったあとセイはふと呟いた。
「今日の晩飯、焼き魚がいいな・・・さっき肉食ったし・・・」




