表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白髪の英雄と拝火竜を封ぜし剣  作者: ふぇんりる
ロキアス王国編
1/43

プロローグ

この作品は七竜帝器と忘れられし英雄を手直ししたものです。

燃え盛る街、煙が立ち上る砦、バラバラになってしまっている人だったもの。


この戦場に八人の人が闇よりも黒い竜と対峙していた。


竜に一番近い場所にいる銀色の剣を持っている15~16歳の少年は頭や体から血を流しながらも、その瞳は憎悪に満ちていた。


「邪竜ファーブニールよここがお前の墓場だ、大人しくその心臓を俺に寄越せ!」


邪竜ファーブニールはグルァァァ!と言う咆哮をあげその口から黒いブレスを飛ばしてくる。


「セイさん!防御壁展開します!」


暴風壁テンペストウォール


エルフの少女が詠唱破棄で魔法を発動させる。


ファーブニールのブレスはセイを守る暴風壁により上へと打ち上げられる。


ファーブニールはグアッ!?という声をだす。自分のブレスが効かなかったことに驚いているようだった。

なぜならこのブレスで倒せなかった相手はいなかったのだ。

だから防がれたことに驚きを隠せないのだ。


「おい、堕竜後ろががら空きだ。」


燃える炎のような髪をした30代位の男、バランは巨大な大剣の竜帝器『イフリート』でファーブニールの尻尾を切り裂き、尻尾が中を舞う。


ファーブニールは尻尾を切られた痛みで叫びをあげる。


「止めだ・・・竜帝器『アジダハーカ』発動。」


セイはファーブニールの懐に潜り込み竜帝器固有スキルを発動させる。


拝火竜アジダハーカデスフラム


セイの持つ竜帝器アジダカーハがファーブニールの胸を切り裂く。

傷口から黒い炎がファーブニールを焼き尽くしていく。

炎は胸から首、そして頭へと手を伸ばしていく。

そして、セイがファーブニールを切り裂いてから一分後。


ファーブニールの全身を黒い炎が焼き尽くし、ファーブニールがいたと思われる場所には黒焦げになった竜とは思えないものが転がっていた。


「やっと・・・やっと終わったよアリス。これで俺の復讐は終ったんだ。」


セイはここにはいない誰か、いやもうこの世界に生きていない少女に涙を流しながら呟く。


「セイ・・・」


バランは額に皺を寄せながらセイに声をかけるか迷っている。


「なぁバラン、俺は本当に復讐をしても良かったのかな?アリスは天国で喜んでくれるかな?」


「俺にはアリスの気持ちはわからないが多分お前に復讐はして欲しくなかったと思うな。多分お前に幸せになって欲しかっただろうよ。」


「でも、沢山の人々の笑顔が守られたから俺は良かったと思ってる。誰にも死者の気持ちは分からないだろうよ。」


「そうか・・・なら、この復讐も悪いものではないな。」


二人の会話が終わった瞬間ファーブニールの死体があったところから小さな光の玉が浮かび上がりセイの手のひらに落ちる。

手のひらに落ちた瞬間セイの頭の中に沢山の情報が流れて行く。


「おい、セイ大丈夫か!?」


「あぁ、大丈夫だ。どうやらこの光の玉が俺を元の世界に戻してくれるらしい。時間は今から一分後に転送されるらしい。」


「なに!?」


「なぁ、お前ら、俺の復讐に付き合ってくれてありがとう。そして、さようなら。お前らは幸せになれよ。」


そう言うとセイを光が包みセイは元の世界へと帰っていった。





セイが目を開けるとそこは自宅近くの公園。


公園にあるアナログ時計を見ると日付は異世界に行った日でトリップしてから二時間後だった。


「さようなら、異世界。ただいま、地球。」


少年は元の姿のまま異世界から地球に帰還した。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ