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マジック  作者: ハイオク
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はじまり

「今日も退屈だな……」

僕が高校に入学してもうすぐ半年になる。

2142年1つのニュースが全ての始まりだった。

どこかの国の少年が指先から自在に火を出すことが可能だと発表されたのもつかの間、世界中で異能力をもつ人類が現れた。最初は少し足が早くなったり、握力が強くなったりするだけの能力ばかりだったからどこかの科学者が「マジック」と呼んでいたのが流通し、巷ではマジックと呼ばれている。

最近ではマジックの研究も進んできて、

・ある条件を満たすことで誰でもマジックが使えるようになる

・個人差はあるが1人につき2つはマジックを持っている

・自分とマジックとの相性もある

などの事が分かってきている。

かく言う僕も一応マジックが使える……らしい。と言うのも小鳥遊彩、高校1年現在、自分のマジックを何一つ知らないのだ。しかし、マジックは日常生活で使えるものは自分で覚えることも出来る。2200年から学校ではマジックを主に教えるようになった。つまり、現在僕もマジックの授業を受けているのだ。

「よーし、わかったか。1度マジックを発動してみろ」先生が言う。今習っているのは体温を調節するマジックで、開花条件は調節したい部分に温かい、冷たい、などと錯覚させることである。僕は小学生の時に父に教えて貰ったので既に出来る。1度開花したマジックはずっと残るから忘れることはないのだ。

「俺が触って確かめるから、できるようになった奴から並んで手を冷たくして見ろ!」

その言葉を聞き、ほぼ半数が席を立ち列をつくる。おそらく親に習ったことがあるのだろう。

毎日ショボいマジックの開花、応用で正直退屈だ。僕は小さな頃からわくわくすることや不思議なことが好きで、じっとしていたりつまらない作業をすることが得意ではない。僕はそうそうに実習を終わらせ席に着く。することも無いが幸い窓際の席だから外をボーっと見下ろしていた。うちの学校は敷地のすぐ隣が裏山となっているのだ。

「なんだあれ!」思わず立ち上がった。

周りが一斉にこちらを見る。

「何でもないです……」何でもないわけがない、何かが見えた、裏山には動物はいない。人間以外の生命体は2096年に絶滅したとされているからだ。しかし僕は見た。黄色い何かがゆらゆらと裏山に入って行くのを、そして一瞬で消えてゆくのを。僕はわくわくが止まらない。

(帰りに寄ってみよう)僕はそう思った。このせいで僕が新時代戦線のリーダーを務めることになるとは知るよしもなかった。

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