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社内規定

こんな社内規定は、許されるの?

社内規定




死んでしまった私は家族のために、今まで働いた会社での退職金の行方が気になっていた。


かれこれ同じ会社で30年以上も勤めたのだ。


その退職金なるものが100%、家族の手元に間違いなく渡るのを確認してから天国へと向かいたい気持ちに駆られていた。


だがその前に、どのくらいの金額が支給されるのかも気になる。


なんせ長い間、嫌なことがあっても辞めずに耐えて働いてきたのだから。


そこで夜な夜な自分の書斎に入り込み、机の上に置いてある勤めていた会社の社内規定の確認を始めた。


1.この規定はこの会社に勤める従業員に規定するものである。


2. 。。。。。


自分がこのような姿になっているため、ページをめくるのも容易ではない。


それに家族に部屋の異常を気づかれたくもない。


だから一晩で5ページほどしかめくることが出来ずにいた。


とにかく、その社内規定には、ありきたりのことばかりが書いてあった。


あっと言う間に2日が過ぎ、いよいよ退職金の記されているところだ。


ワクワクする気持ちが先に立ち、手が滑ってしまい、思いのほかうまくゆかず、ほかのページが開いてしまった。


『ちぇっ、なんだよ。。。全く自分はドジだなぁ。。。 』


自分はページをめくることの失敗に対して苛立ちの中、元のページに戻そうとしているのだが、なかなか戻ってくれない。


そうこうしているうちに、あらぬ項目が目についた。


それは休みに関する項目だった。


『むむっ?!なんだぁあ?なんでなんだ?』


『本人の忌引は7日間』


『一体、自分の勤めていた会社の社内規定はどうなっているんだ?』


『この社内規定により、8日目にあたる日から、会社に出勤しなければならないの。。。?』


『ど、どうしよう。。。』


自分は慌ててしまった。


『これから急いで、退職願いを出しに行かなくては。。。これからは、ゆっくりと、休ませて欲しいのに。。。』


そうこうしているうちに、この会社の企みに気づいてしまった。


それは税金逃れのために、そういった社員をどんどん増やしたかったのだ。そうなのだ。まさしくそれは疲れ知らずの『ゆうれい社員』。


なんせ、タダで無休で思う存分に働いてもらえるのだから、それに越したことはないのだろう。


『なんて、ひどい会社だ!実はブラック企業だったんだぁっ!!』




ー Fin ー


H.27.11.10.投稿作品



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