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ライバル

ライバルとは。。。?

ライバル


俺とあいつは、高校2年生。


今まであいつに試験で勝てたことがなかった。


今回の試験こそは絶対に負けてられないと勢い込んで頑張っているのだ。


いよいよあしたが試験日だ。


ここまでくると、どうしてもあいつの出来が気になる。


『どのくらい試験勉強ができているのだろう?』


あいつを試したくてしかたがなくなってしまった。


気持ちがどうしても抑え切れず、ついつい競争相手である、あいつに電話をした。


「忙しいところ悪いなぁ」


「いや、今ちょうどきりが良くて、休憩を始めたところだ」


「でもどうしたんだ?電話なんて。。。」


俺はその答えを急いで頭の中で駆け巡らせたが、おのずと聞きたかったことを素直に口に出してしまっていた。


「あぁ、あした試験があるから、どこまで試験勉強をしているかと思って。おまえのことだから大丈夫だろうけど。。。」


「いやいや全然ダメだよ」


そんなことを言うものだから、余計に出来が気になった。そこで、こいつにどれだけ試験準備ができているのか、試し始めた。こて始めに、俺が勉強して覚えている簡単な問題を1つ出してみた。


こいつは電話の向こう側で唸りながら悩んで答えたが、答えは違っていた。


「それは、○○○だよ」


俺は思わず教えてやっていた。


『こんなことさえも解らない状態なら大丈夫だな』


それから俺は自然といくつもいくつも質問を繰り返し、こいつが間違える度に自己満足に浸っていた。


『なんだ、全然ダメじゃないか。。。ははん。これなら、こいつに余裕しゃくしゃくで勝てる』


俺はこいつの出来の悪さに、心の中で思いっきりほくそ笑んでいた。


おかげさまで試験前日に、だいぶ自信がついた。


当日になり試験問題は、かなりの確率で勉強したところが出ていた。俺は自信満々で試験を終えることができた。


答案用紙の返却日。


俺はあいつに勝てた思いを胸に秘め、心を弾ませていた。


しかし結果は、。。。


負けてしまっていた。


その後、こいつから初めて言われた。


『おまえが試験前日になると電話をしてきてくれるから助かるよ。俺に言ってくれる問題が今回の試験でも、ほとんど出てきていたからなぁ。。。おかげさまでいい点を取れたぜ。ありがとうな。次回からもよろしく』


どうも俺は、いつも自ら敵に塩を送ってしまっているらしかった。


『だが、あいつには俺の他にもライバルがいるのだろうか?』




ー Fin ー

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