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ひねくれ魔法使い  作者: E.N.D
Ⅰ理想と現実の狭間
4/5

3

こんなに遅い更新スピードで進める予定です

次回で第一章終了です




私の名前は、ユウ。

″OPO″を初めて、まだ一週間も立ってない初心者です。

私の隣にいるのはお兄ちゃんのゲンヤです。

私たちは今、二人であるクエストに参加しています。



【ひねくれ魔法使いの依頼】ランク★☆☆☆☆

『ユニーククエスト』 報酬?

魔法都市【エーアデ】までの護衛を頼む。

尚、実力を図るためのテストを行うので腕に自信の無い者は参加しないように



ユニーククエストは全てのプレイヤーの中で一人しか受ける機会を与えられないモノです(PTメンバーとかは例外ですけど)

クエストの難易度自体は初心者でもクリアできるランク1です。けれど私は本当に始めたばかりの初心者なので、クリアする自信がありません。


「はぁ……」


「あん?どうした、ユウため息なんかついて」


「だって、私、やっぱり自信無いから……」


「なぁに言ってんだよ、ユニーククエストだぞ?チャンスはお前にしか与えられてねぇんだぜ?大丈夫、フォローは任せろ!」


ニカっと笑うお兄ちゃんにつられて、私も思わずクスリと笑ってしまいます。

私たちの前を歩く依頼人の人が怪訝そうな顔で振り返ってきて、さらにそれが可笑しくて笑いが止まりませんでした。


「……余裕だな」


「………え?」


依頼人の人がスッと後ろに下がると、今まで彼のいた地面に何かが振り下ろされて爆音を響かせました。

急いで前を見据えれば、そこには3mほどの大きさの熊が私たちを見下ろしていました……思ったよりも怖いです。


「ユウ!!気ぃ抜くなよな!」


既に槍を構えて突撃するお兄ちゃん。

私も細剣(レイピア)を構え、走り出す。


「行くぜ、【ダブルストライク】!」


「【ペネトレイト・レイピア】、そこっ!!」


腕を振り下ろした熊がその腕を引き戻す間にお兄ちゃんは懐に潜り込むことに成功していました。

そこから、二本の槍で胴体に刺突を繰り出しましたが、堅い毛に覆われている為に弾かれてしまいました。

そこから、C率を上げた私の細剣が間髪入れずに当たると今度は毛を貫通してダメージを与えられました。


『グガァァァ!!』


咆哮を上げる熊、腕を伸ばしながら回転するそれをしゃがむことで避けた私は更なる追撃を加えようと細剣を引きました。

再び、スキルを使おうと一瞬動きが硬直した瞬間、


「ユウ!!!」


『グオゥ!!』


凄まじい衝撃が私に襲いかかりました。

見れば、伸ばされた熊の足が私のいた場所を蹴り出していました。恐らく、アレに当たったのでしょう。

VRMMOなので、痛みは殆どありませんでしたが、HPが半分程になっています。

一旦、引いて回復魔法の詠唱を行います。ふと、横を見れば依頼人の人と目が合いました。


「あ、危ないからもう少し下がった方がいいですよ」


「……必要ない」


無機質な声で、言い切った依頼人の人はそのまま、お兄ちゃんの方へ目を向けました。

お兄ちゃんは、森の木を足場として扱い、ヒット&ウェイで突いたり、切ったりしています。


「【失われた精力よ甦れ、クイックヒール】……お兄ちゃん、いけるよ!」


回復を終えた私が声を掛けるとお兄ちゃんは私の近くまで戻ってきます。

荒い息を吐きながら、お兄ちゃんは私に言います。


「ユウ、俺があの熊の気を引きつけるから、止め……イケるか?」


「うん、お兄ちゃん……無茶はしないでね」


今までの戦闘中での最高速度を出しながら接近したお兄ちゃんは前に突き出された熊の手を紙一重でかわしながら槍を二本とも投げつけました。

それはいとも簡単にもう一つの熊の手によって弾かれましたが、大きな隙を生み出しました。


「いまだ!!!」


「フッ!!【ペネトレイト・レイピア】【四連突(しれんとつ)】!!!」


私の出来る最大級の威力の組み合わせ。

C率を上げられた細剣による四連撃は全て、熊の胴体に命中、貫通して大ダメージを与えました。

私のスキルの衝撃で仰向けに倒れた熊はそれからピクリとも動かなくなりました。


「やった、これで……」


「おう、第一関門突破だn」








ルオォォォォォオオン!!!!!






瞬間、白銀の風が吹き渡りました。

その風は一撃でお兄ちゃんを吹き飛ばし、私にも牙を突き立てようと猛スピードで接近してきました。

避けられない!思わず、目を瞑り硬直しました。このまま死に戻りするのはイヤだなぁと考えながら。


「【掌握/根枝】」


いつまで経っても衝撃が来ません。

恐る恐る目を開けば、そこには木の枝や根っこに絡まれた白銀の狼がいました。

ターゲットを合わせれば【フェンリル・フォーリン】と赤字名称が表示されます。そして、依頼人の人が右手を開いて立ち塞がってました。


「コレの討伐は依頼外だ」


依頼人の人は狼の前まで歩き、続けます。


「ちょうど、欲しかったんだ……」








僕に忠実な犬




彼が底冷えする壮絶な笑みを浮かべると同時に、狼を封じ込めていた木の呪縛が解けました。




グゥルオォオォオォォォォォォン!!!!!




咆哮と共に、爪を立てて襲いかかる狼。

彼は、バックステップで距離を取りながら彼は不可思議な現象を起こし始めました。


「【使役/樹木】【変化/白亜鉄】【魔化名称指定/呪縛の白鎖】」


再び、枝が狼に殺到してその枝が白い鉄で出来た鎖へと変化したのです。

狼はまた振り解こうともがきますが、鎖はどんどん締め付けていきます。


「さて、このままでは、お前は絞め殺されるぞ」


低い唸り声を上げて威嚇する狼。依頼人の人は嬉しそうな顔をしながら詠唱を始めました。


「【我、汝の戒めを手繰る者。我、汝の主となる者】」



グオォォオォォォ………



「一体……何をしているのです………?」


白の鎖がその太さと本数を増しながら、狼を覆い隠し始めました。

苦痛を感じているのか、必死に爪や牙で鎖を攻撃していますが傷一つ付いていません……


「【主従選定/ヴィルヘルム・イクリプス→フェンリル・フォーリン】」





グルォオオオオオオォォォォォォォォ………






一際、大きな咆哮をした狼は白の鎖で完全に見えなくなってしまいました。

依頼人の人が指を鳴らすと、鎖は溶けるように消えましたが、狼の姿は影も形も見えなくなってしまいました。


「お前……何者だよ、つうかあの狼どこ行ったんだ…?」


「どうでもいいだろそんなこと……」


いつの間にか、体力を初心者用ポーションで回復させたお兄ちゃんが私を庇うように依頼人の人と相対しています。

依頼人の人は興味なさそうにお兄ちゃんを見ながら、続けます。


「……テストには一応合格だ、それでは行こうか魔女の膝元まで」





ピンポーン


『これより、《グランドクエスト》の開始を宣言します』


『これより、《ユニーククエスト》の開始を宣言します』



二つのクエスト案内のアナウンスが私の前に現れました。

そして、クエスト画面が勝手に開きます。




【魔王再誕】ランク★★★★★

『グランドクエスト』報酬?

この世界に魔王が復活を果たそうとしています

六つの証を集めて、魔王復活を阻止して下さい。

○霊獣の魂0/1

○獄炎の翼0/1

○王者の印0/1

○幻想の心0/1

○夢幻の心0/1

○???1/1




【英雄への(きざはし)・虚光】

『ユニーククエスト』報酬 ユニークジョブ

かつて、ただ一人で魔王へ挑んだ存在がいた

その存在が歩んだ軌跡を辿るがいい。





それは、世界を動かす歯車の最初のピース。




そのクエスト達は、私の理想とはかけ離れた結果を生みだし




私達の現実とも異なる物語を導き始めました







【ダブルストライク】

デュアルランサー ランクⅠ

二連続の突き、スキルLvUPで威力が上がる。



【ペネトレイト・レイピア】

フェンサー ランクⅡ

レイピアによる攻撃の一回目のクリティカル発生率を上げる、スキルLvUPでクリティカル発生率を更に上げる。

※多段攻撃系スキルの全攻撃もレイピアによる攻撃の一回目として扱える



【クイックヒール】

回復魔法 ランクⅠ

対象のHPを150~200回復する、スキルLvUPで詠唱速度が上がる。



【四連突】

フェンサー ランクⅠ

四連続の突き、一回の攻撃は通常攻撃よりも威力は低い、スキルLvUPでクールタイムが短くなる。



【掌握】

操心魔法 ランクⅠ

宣言した対象を自分の手足のように扱えるようになる、スキルLvUPで一度の対象の数を増やせるようになる。

※生物は不可、植物は対象となる



【フェンリル・フォーリン】

Lvユニーク 中ボス

生息地不明の巨狼。

その速さは最高クラスだが、一撃はそれほどでもない(それでも半端な装備では受けきれない)

いずれ神を喰らうという予言を受けた為に、天界から堕天した狼神とも言われる。



【使役】

操心魔法 ランクⅡ

自らが所有しているモノに意志を与えて自発的に動かせるようになる、スキルLvUPで対象へ自身への好意的感情を植え付けられるようになる。


【変化】

操心魔法 ランクⅤ

対象とした所有物を一時的に変化させる、スキルLvUPで変化量が上がる(例、スキルLv1→液体を別の液体にする スキルLvMAX→液体を固形物に変える)


【魔化名称指定】

操心魔法 ランクⅥ+

一定時間、対象を魔化させる。

その際に、指定した名称の魔道具にする、このスキルはLvUPしない



【主従選定】

操心魔法 ランクⅨ

対象と自身を主従関係にする。

主従関係となった場合、従者は主に対しての攻撃、及び逃走は出来なくなる。

このスキルはプレイヤーに対しては使用出来ない、このスキルはLvUPしない。




スキルの追加説明


スキルを覚えるにはジョブと技能が必要となる。

ジョブは魔物討伐や生産など一定量指定された行為を行うとランクが上がり、スキルを覚える。

技能はキャラクター作成時に一つ覚えることができ、技能で覚えたスキルの使用回数によってランクが上がり、スキルを覚えたり派生技能を覚えられるようになる。

技能はプレイヤーのLvまで所有することができる。


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