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ひねくれ魔法使い  作者: E.N.D
Ⅰ理想と現実の狭間
3/5

今回、プレイヤーさんの初登場です

……キャラの引き出し、少ないので個性だそうと頑張ってます

……二人だけか、しかも若いし。

ギルドの中にある酒場でチビチビとレモネードを飲んでいた僕の前に彼女らは歩み寄ってくる。


「えっと、貴方が依頼人の人ですか?」


「……俺らと同じぐらいの奴じゃねーか(しかも、女の子じゃねぇし」


一人は細剣(レイピア)を腰に差し、いかにも新米冒険者ですと言わんばかりの皮鎧を着た女。黒髪のポニーテールが女が動く度にピョコピョコよく動く。

もう一人は同じく軽装の男、こちらは短槍を二本背負っている。茶の短髪に埋もれかけている耳からはチラリとピアスが見える。


「そうだ」


「私、ユウと言います。フェンサーですけど、少しなら回復魔法を使えます」


「俺はデュアルランサーのゲンヤだ……一応、よろしく」


女の方は礼儀正しくぺこりと頭を下げるが、男はぶっきらぼうに名乗りながら明後日の方角……ギルドの受付の娘を眺めている。

恐らく、女の尻を追いかけ回す類かな。


「えっと、クエストは魔法都市エーアデまでの護衛でしたよね?」


「……クエスト?)そうだ」


「確か、テストがあるって書いて有りましたけど……」


その答え代わりに僕はギルドの柱に張り付けてある紙を指さす。

そこに描かれているのは獰猛そうな黒い熊ーーフォレストベアの絵だ。新米冒険者の登竜門的存在のコイツならテストにちょうどいいだろう。


「アレを……倒すのですか」


「明日の明朝、ギルド前だ。テストに合格したらすぐに出発する」


「明朝で、しかもすぐに出発かよ……」


そう言い残して、僕はギルドを後にする。こっちにもやらなきゃいけないことがあるからね。

ふと後ろを振り返ってみると、二人は頭をつきあわせて何やら相談のしているようだ。

ま、何も考えないよりかはマシかな。








街の大通りをぶらつきながら、時々露天の商品を買い漁る。

寝袋や楔などの旅に役立つ道具、新商品の発煙筒なる妙な筒(スイッチを押すと煙が吹き出すらしい……魔法道具?かな)

財布にはまだお金はたくさん入っている。薬香草とギルカの花が品薄状態だったらしく、相場より色を付けて買ってもらえたのだ。

ふと見ると、一つだけ人があまり集まってない露天がポツンと建っているのが見える。

店主らしき女性もやる気なさそうにキセルから煙をプカプカと浮かしている。

店の品揃え自体は長剣や短槍などオーソドックスな武器ばかりだが、一つだけ明らかに異質なモノが置いてある。それに引き寄せられるように僕はその露天の前で足を止めた。


「ん?いらっしゃい、何か欲しいものでも見つかったかい坊や」


キセルから口を離し、その店主の女性は不敵な笑みを浮かべる。大斧の隣に立っているためかな、かなり華奢に見えるが十分に筋肉が付いているようだ。その褐色の肌には健康的な色香を纏い、赤髪を無造作に伸ばしてあるのでワイルドな雰囲気を持っているね。


「これは……売り物か?」


そう言って指さすのは一対の赤いガントレットだ。

無駄な装飾を省き、無骨な機能美だけが残されている。恐らくその独特の光沢から灼火鋼(しゃっかこう)の、それもとびきり上等なモノを使ったそのガントレットは防御のためのモノではなく……


「ああ、売り物だよ。【煌拳・烈火】、私の作った中でも最高クラスの出来映えの戦闘手甲だ」


「……試させてもらっても?」


「構わないけど……壊さないでおくれよ?」


両腕に填めれば、肘の辺りまでにぴったりと合う。そのまま、手を握ったり開いたり試すが中々に良い感じだね。これは買いかな。


「いくらだ?」


「そうさねぇ……金で二枚かね」


再び、キセルを口に加えてタバコを吸う女性……煙たいなぁ。

お金の方はギリギリ足りるかな……この品質なら金貨十枚とっても良さそうだけどね。


「分かった」


「へぇ、子供だから出せないかと思ったけど驚いたね……アタシ、ラスタって言うの。坊やの名前、良かったら教えてくれるかい?」


「嫌だ」


「ククク……つれないねぇ、まあいいさ。また、機会があれば会おうか坊や」


ニヤリと笑うラスタをつむじ風が覆う。

思わず、一瞬目を閉じてしまい、その一瞬でラスタは姿を消した。

後に残されたのは僕と買ったばかりの手甲だけだった。





【細剣】

装備可能ジョブ

剣士、フェンサー、盗賊、マジックフェンサー、マルチウェポン


【フェンサー】

細剣や短槍を用いる剣士の亜種。

クリティカルの発生率が格闘家と並んで二位のジョブ(一位はギャンブラー)

回避率も高いが、筋力とHPが低いため、一撃でも致命傷となる。


【デュアルランサー】

二本の槍を扱う戦士。

長槍と短槍の組み合わせがポピュラーだが、二本とも短槍ならガード力が、長槍なら攻撃力が高まるため、一概には言えない。

取り回しが難しいため、人を選ぶ。


【フォレストベア】

Lv5 中ボス

【水鏡の森】に生息する熊。

中型モンスターとの戦闘のノウハウが詰め込まれた登竜門的存在。


【灼火鋼】

強力な火耐性を持つ鋼。

純度が七割で100%の火耐性を得る。

特徴は、炎が揺らめくような金属光沢とオレンジ掛かった赤。


【煌拳・烈火】

戦闘手甲

攻撃力+480

火耐性+100(腕でのガード時のみ)

特殊効果

火属性攻撃時+5%の追加ダメージ


純度100%の灼火鋼によって作られた戦闘手甲。今までに受けた炎を鋼の中に押し込めて放つことができる。

制作者 ???


【戦闘手甲】

装備可能ジョブ

格闘家、モンク、気孔師、マルチウェポン、???


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