男子禁制です。
柚子は、隣に座っていた来靭に何か耳打ちをする。来靭は、陽菜と月星に耳打ちする。
今度は月星が、桃花と妃に耳打ちをする。魔王が聞き耳を立てて聞こうとするのだが・・・
「親父はダメ!!」
「何でだよ!」
「それは・・・」
「女の子だけのお話なので。執事さん達もだ~めっ(笑)」
柚子が言葉に詰った時、横から陽菜がさっとフォロー。魔王はふてくされながら柚子に突っかかっていた・・・。
やがて、車はある店に止まった。魔王はその店を見て開いた口が塞がらない。
そこは・・・女性用下着の専門店だった。
「パパは、ここでお留守番しててね。」
妃はそういうと魔王の頬にキスをして車を降りた。
それに続くように桃花、柚子、来靭、陽菜と月星も車から降りる。
「私達も・・・。」
「来るな!変態!」
来靭が、降りようとした龍鬼と緑虎を車に押し込むと、そのままドアをバンと閉めて店に入っていった。
「俺も一緒に選びたかったのにな・・・。」
魔王はそういいながら、ポケットから煙草とジッポを取り出し、煙草を銜えると火をつける。
「それより・・・なんで陽菜と月星はよくって俺はダメなんだ(怒)」
「そうですね・・・。」
「俺、心配です・・・。」
車の中は、どんよりとした空気が煙草の煙と同じように広がり始めていた・・・。
数十分後
女性陣(?)全員、大き目の紙袋を持って車に戻ってきた。魔王は、ドアが閉まると同時に妃のほうに顔を向け「何色?見せて。」と聞いてきた。
妃は「も~!!ダメ!内緒!」といってぷいっと顔を背ける。そこに・・・
「パパ・・・最低。」
「親父・・・それはないわ。」
魔王の背中に向けて、娘から冷たい言葉が突き刺さる。魔王の心に軽くひびが入ったのは言うまでもなかった・・・。




