高速道路
「引き上げますか?」
「そうだな、暴れたりねぇけどな。」
そういうと、彼らは不敵な笑みを浮かべながら姿を消した。
「大丈夫ですか、龍鬼さん。」
「大丈夫。あれは“使い魔”ですね。」
「きっと、あのオカマのどっちかの使い魔といったところですね。」
「足止めといったところでしょう。」
そういいながら、彼らは武器をしまい、何事もなかったかのように人ごみに紛れながら駐車場に向う・・・。
姫達は駐車場から車を出して移動していた。
「何とか食い止めてくれたようね。」
月星は、そういいながら缶コーヒーに口をつける。
「ありがとう・・・月星。」
柚子は、月星にそういうと「どういたしまして。」といってにこっと微笑んだ。
しかし・・・
「あの車、さっきからずっとつけてくるわ。」
それを聞くと、桃花は陽菜にぴたっとくっついて離れない。柚子が後ろを向いてその車の運転席を確認した。
「来靭・・・龍鬼だ・・・。」
「撒くか?」
「お願い。まだ帰りたくないから。」
そういうと、来靭はスピードを上げ高速道路に飛び乗る。後を追うように龍鬼達の車も高速道路に入る。
「汝に告ぐ、我が命を遂行せよ。」
高速道路を行く車の動きが止まり、空間の色が赤く染まっていった。
そこを動くことが出来たのは、姫達と龍鬼と緑虎だけだった。
龍鬼と緑虎は、車から降りると来靭の車に向って歩いてくる。
「これじゃ・・・逃げられない・・・。」
「姉・・・さん・・・。」
渋滞になりかけた高速道路の上。
車が動けるスペースは残っていなかった・・・




