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執事達の胸のうち


「桃花様は、一日中、本を読まれていてあまり誰とも関わろうとされない。それが、俺としては心配なんですよ、龍鬼さん。」


「部屋からも出ようとされないですもんね・・・逆に、柚子様はお城を飛び出して街で暴れられるのが心配です。」


「今回はそれがエスカレートして人間界へ。桃花様がお部屋から出られたのはうれしいのですが・・・。」


「少し遠くまでお出かけされましたね(笑)」

「そうですね・・・俺、桃花様に嫌われてるみたいです。」

「どうして?」


突然の告白に少し動揺しながらも、龍鬼は、それを顔に出さないようにしながら緑虎の話を聞いた。


「農園で“大嫌い”とストレートに言われました。おまけに、昨日お部屋にお茶をお持ちした際に一切眼を合わして頂けなかったし“出て行って”といわれました(泣)」


今にも泣きそうな緑虎の顔をする緑虎。その姿を見るだけで、龍鬼は悲痛な気持ちになってしまった。


「くまは、何とかして縫い合わせて元に戻しました。くまの服も買いに行きました。でも、やっぱり嫌いだそうです。どうしたらいいんでしょうか・・・。」


「私も、柚子様には嫌われているみたいです。お迎えの度に“終わった・・・”とか“うざい!”とか言われてますよ。しかし、姫様ものことを考えると・・・口うるさくなってしまうんです。嫌われるのも執事としての役目です。」




「嫌われても姫様のお側でお仕えするのが職務ですよ、緑虎。」




その言葉で、緑虎は少し元気になった・・・。



そして、彼らの車が水族館の駐車場に着く。

彼らは、水族館に入るとトイレでカジュアルないでたちに着替え客の中にまぎれていった・・・。




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