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第一話 童貞のままでは死にたくない!

始まり始まり

 俺こと“向田テツ”は30年間守り続けて来た童貞を捨てるため、ここ恋人たちの聖地と呼ばれるラブホテルなる宿泊施設に一人来ていた。

 私事ではあるが、向田テツは先日30歳の誕生日を迎え、魔法使いになれるかな?と希望を持っていたが、特に何の変化もない事に絶望し、遂にプロのお世話になる事を決意したのであります。

 手の震えを抑えながら、ネットで厳選したいデリバリーヘルスへ電話した。


「はい、産地直送プリティーエンジェル学園です」


「あ、あ、あの…」


 俺は緊張のあまり頭の中が真っ白になって、言葉が出てこなかった。

 そんな俺の意志を組んだのか、電話越しの男性スタッフは続けざまに話しかけてきてくれた。


「当店のご利用は初めてですか?」


「は、はい」


「ありがとうございます。当店のホームページはご覧になられましたか?」


「は、はい」


 もうスマホの画面に穴が開く程に確認した。何せ大人のお店の利用は初めてなので、色々と怖い部分や不安な気持ちが強かったからだ。

 確かに、中には怖いお店もあるようだが、そんなお店は稀なのだそうだ。


「ではもう女の子の方はお決まりでしょうか?」


 是だ!圧倒的是!これに関しても風俗情報サイトのレビュー等を熟読し、俺の童貞を捧げるに相応しい女性を選び済みだ!


「えっと、ほのかちゃんでお願いします」


「ほのかちゃんですね。っと大変申し訳ありません。ほのかちゃんは本日予約がいっぱいになっておりまして」


 なんだと~!!予約でいっぱいだと!まさかの展開に俺は再び頭が真っ白になった。これは想定外だ!

 俺の童貞は既にほのかちゃんに捧げると決めているんだ!今日はラブホテルまで来てなんだが止めておくか…。


「今ですと、Gカップのあいかちゃんがすぐにご案内可能です」


 ジジジジジ、Gカップ!そんなの本当に存在するんですか!

 もう俺の頭はGカップのあいかちゃんの事でいっぱいになっていた。

 確かに俺はほのかちゃんに童貞を捧げると誓った。しかし、既にラブホテルに来てしまっているし、ホテル代をこのまま無駄にするのはエコやSDGsが叫ばれているこの時代に反した行動ではないだろうか。


「ではあいかちゃんでお願いします」


 俺の童貞はGカップのあいかちゃんに捧げることにした。

 俺は利用時間とラブホテルの名前を伝え、30分程で到着するというあいかちゃんをホームページのあいかちゃんの写真をチェックしながら待った。

 俺の人生の中でこれ程までに長いと感じたことは無かったが、ホテルの部屋のインターホンは20分程で鳴った。


 俺は高鳴る心臓を抑えながら、初対面のあいかちゃんに頼りない男と思われないようにと必死に冷静さをつくろいながら、扉を開けた。そして閉めた。


 おおおおおおいぃぃぃぃぃ!!!話が違うじゃんかよ!そもそもホームページに載ってた写真と別人じゃんかよ!むしろホームページに載ってた20歳大学生って何なんだよ!

 どう見たって40過ぎのスーパーでレジ打ちしているベテランスタッフじゃんか!まあ確かにおっぱいは大きかったけど。

 これは何かの間違えだ!きっと部屋を間違えたに違いない!


「産地直送プリティーエンジェル学園のあいかですぅぅ~」


 うん、間違いではなかった。

 これはどうするべきなのだろうか。

 デリバリーヘルスにはチェンジというシステムがあるようで、有料無料店によって違うようだが、来た女性スタッフを変更してもらうシステムがあるらしい。

 だが、俺は時計を見た。

 ラブホテルに入って既に40分以上が経過し、俺が頼んだコースは120分コース。ホテルのご休憩の時間が180分なので、ここでチェンジしたらホテルの延長料金が加算されてしまう。


「どうしましたかぁ?」


 扉の向こうではあいかと名乗る女性が最大限可愛い感じでこちら側に語り掛けて来る。

 俺は悩みに悩んみ…………扉を開いた。


「はじめまして、あいかですぅ~」


「はじめまして、山田(偽名)です」


「いきなり扉締めるから何かあったのかなって思っちゃいましたよぉ~」


「あ、ちょっと目にゴミが入って…」


「それは大変でしたねぇ~」


「え、ええ…」


 俺は熟女モノもいける口である。しかし、30年間守り続けてきた童貞を捨てのはやはりある程度の願望に叶う人が良いと思っていた。しかし、俺の息子は眼前のGカップに正直に反応していた。


「あら、もうこんなに元気なんてすごいですねぇ~」


 ベテランレジ打ち風のあいかはいやらしい目つきで俺の股間を見つめていた。


「先にお店に電話しちゃいますねぇ~」


 あいかがお店へスタートの連絡をし終わると、おもむろに服を脱ぎだし、一糸纏わぬ姿になった。


「え!え!え!!!」


「時間も勿体ないですし、早速お風呂入っちゃいましょうかぁ」


 俺はあいかにされるがままに服を脱がされた。


「こんなに大きくしてくれてあいか嬉しいぃ」


 そう言いながらあいかは俺の息子の先端を指でツンとした。

 突然の事に俺の暴発寸前だった息子が暴発したと同時に、心拍数が急上昇し、俺は意識を失った。


 薄れゆく意識の中で、かすかに女性の声が聞こえた。

 

 『召喚ボーナスとして、SSSスキル“イマジン”を獲得しました。』


お読み頂きありがとうございます。

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