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ソード帝国 vs 騎士団殺し  作者: 鷹山ジン
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蝙蝠男襲来2

「くそが…別の入り口で待ってやがったのか」




血のしたたる肩を抑え、シゲルが呻く。




「何やってやがる。こんな人間ごときに兄貴。」




「2号!来てくれたのか!


こいつ普通の人間とは違うぞ。

気をつけろ…。」




「駄目兄貴は黙ってろ」




翼を翻し、兄を衝撃で吹き飛ばす。




「あんただから駄目だったんだ。


見てみろあの優男の姿!

俺の軽い衝撃超音波一発で戦闘不能じゃねえか!カカカッ。

俺達ハンターならあんな傷すぐ治る。

ただのくだらない、弱い人間だ!」




「ほざけっ!」




シゲルは余裕丸出しで喋るコウモリ男に向かって飛び掛かる。




「おっと」




当然、空ぶり無様に地に落ちる。




「人間ごときの跳力にしては大したもんだが、当たらねえよ。

俺は三兄弟の中で最強だからな。

カス兄貴ぶっ倒した程度で調子に乗るな!」




「何故そうも、兄を嫌がる?

家族は大事にするもんだぜ」








「黙れえええええええええええええええ!!!!!!!!

こんな戦闘力皆無のカス兄貴と一緒にされるとなあああああ!!!!

吐き気がすんだよぉぉおおおぉおおお!!!!???」




「落ち着け!安い挑発に乗るな。」




「カスゥは黙ってろおおおぉぉぉぉおぉ!!」




怒りが木霊し、超音波へと変わる。


岩壁から跳ね返った不可視の衝撃が、シゲルを裂く。




「ぐぅぅぅぅぅ!」












「おいどうしたシゲルさんよぉ!?

王をやった時みたいにやっちまってくださいよぉ!

粋がって強者感出してんならさぁ!」




ユウサクが煽る。




「お前らがいると、本気が出せん」




「えっ」




「どういうことよ!?なぁ!?

王殺して俺を無職にしやがったのはてめえだろ!

責任とれよ!」




「黙って下がってろ。次が来るぞ」






「ウルトラ・ソニック・ショックウェイブ!!」




雄叫びを上げ、極大の音波が押し出される。




「3号が編み出した業か。

破壊力が普段違いだ。だが可視化できる。

避けやすい攻撃っていうのは、とどのつまりゴミ同然ってことだ」




「なに!?おまえ、弟を知っているのが!」




「威力が高いだけあって、喉は枯れるし口は裂けるだろう。

あいつはそういう隙を嫌って使ってなかったんだ。

わかるか?」




「話をぞらずな!」




「ああ、知ってるよ。

第一世代コウモリ型ハンター、ユダならうちで捕らえてる。」




「あんの野郎!

姿見なかったと思ったら、人間ごときに掴まってるとは!

一番弱いだけあるわぁ!」




「弟は…あいつは今どうなってるんだ?」




「さあてね。

解剖されてるか、もう死んでるか。

ハンターの兄弟同士なら、テレパスでわかるんじゃないか?」






「き、きっ貴様あああああああああああああ!!!!」




激昂が頂点に達した二号は、喉が潰れる勢いで最強の一撃を放つ。




「そらよっ」




満身創痍の状態で避け、ツララ状の岩に命中し落ちる。




「今だ!外に逃げろ!」




シゲルは二人に促す。




「あの人間どもなら俺でも捕らえられるはずだ!


俺に任せろ!」




「馬鹿兄貴は何もすんじゃねえ!!

俺らコウモリ型をなめやがって…


殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す

殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺


す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!」




完全に血の昇った二号が、逃げるシゲルを追う。




「見てらんねえ!手を貸すぜ!」




足取りのおぼつかないシゲルに、ユウサクが手を差し伸べる。




「いらん。

それよか、剣を貸せ。まだ持ってんだろ」




「まだやる気か!?死んじまうぞ!

もういいだろ!

何も知らなかったフリして、お前も軍に入ればいい!」


「お前はそうしたきゃそうすりゃいい」


















「さて、ど~こだ?

楽には死なせてやらねえぞぉ!!!!!」




「ここだ、ここ」




物陰から銀の腕を振る。




「降参だ。あんたのようなパワーバカにはかなわん。

いっそ一撃で殺してくれ」




「やだね。貴様はじわじわいたぶってコロス

…馬鹿って言ったなぁ!?」


「自覚があるのか。

完全に理性を無くす前に教えてくれないか?




オーキード・ジョーのリンチに、お前も混ざってたのか?」



「んん??

懐かしい事を聞く奴だな。

ウィリアム様に歯向かう研究者を見せしめに殺した話だろう?

もちろん俺様も肉を食らって、弟は血を吸ったぜ!

兄貴は果実しか食えない軟弱コウモリ種だから、ブルブル見てただけだった


ガ」


コウモリ男の右目に、鋭い石が投擲された。



「ひぎゃああああああああ!?」




「果実喰い…そういう生き方もアリだと思うがね。

どっちにしろ命食ってるのに変わりはないが。

対象が喋るか喋らないか、だ」



「お、お前えええええええ!!

正々堂々と戦え!」


目を抑えながら降下する。


「先に隠れて不意打ちしかけてきたのはそっちだろうが。

そーら、鬼ごっこだ!」


シゲルがびっこを引きながらダッシュする。


「出口でもあるのか!?

逃がさんぞ!糞が!」


コウモリ男も必死に追う。





「シゲルさん早く!」


「もう出てるぜ!」


「出口に出てるだとぉ!?

人間ども、まとめて引き裂いて…」






「ぎゃあああああああ!?」


洞窟出口付近で日光に襲われ、両目を覆う2号。

治癒しかけの右目は、完全に焼けた。


数時間にもおよぶかくれんぼの末に、朝になっていたのだ。




たまらず飛翔して逃げようとするが、ズドッとコウモリ男のアゴを剣が刺した。

大量の流血。


「洞窟では逃げ場なんてないだろう!観念しろ!」


「ふざけるな…ハンターがこの程度で…」


シゲルだけでも殺そうと、左腕を握る。


「知ってるさ。だから」


「ぎゃああああああああああああああああ!!!」


掴んだ途端に体がケイレンし、焼け焦げる。

更にシゲルは強引に左腕をコウモリ男の胸に当てる。


最後にビクンッと体が揺れ、動かなくなる。



「よっ…と」


突き刺さったままの剣から手を放し、シゲルが崩れ落ちる。


「シゲルさん!」


「無茶しやがって…」


「奴はもう死んだはずだ。おれを近場の電気のあるところまで運んでくれ。

逃げてきた道の反対を行けば、町に出るはずだ…」


「男一人なんて背負えねえよ!

それにコウモリ野郎はもう一人いるんだろうが!!」


「奴の気弱さからして、こいつが死んだのを察して逃げているはずだ。

もしいたらたたき起こせ。

おれのことは引きずってくれてかまわない…」





ガクッと、シゲルは死んだように動かなくなった。

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