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【第二十八話】 -学園-

 

 二ヶ月が経過した。

 あれからと言うもの、特に何もなくこの国の空気に馴染んでいった。

 何かあったと言えば、俺の両親のハックとラフィがグラントリア家直々に経営している仕事場に入ったことだ。


 俺には一つ考えていなかったことがあった。

 この時代の仕事は意外にも魔法と関係を持っている事、何の魔法が使えるのか。それが結構関係しているようだ。


 全員が全員同じ魔法を使うことが出来るのでは?

 と、前の俺は思っていたが、これまた杖が関係していた。


 これまた杖の新しい概念。

 よくわからないが、杖とその使用者の関係には相性があるというのだ。


 杖が使用者に与える手になじむ感覚、それが要するに相性だ。

 人によっては風の魔法が一番得意、火の魔法が、水の魔法がと。

 使えないことはないらしいが人によって何かが特出しているらしい。


 俺も例外なくその中から漏れずに杖が手になじむ感覚があったが、それでも俺はすべての魔法が平均以上に使える。

 俺は少し特殊で、杖を使っているようで使ってないようなものだ。

 そこらへんはほかの魔法使いとは少し違うところで、将来仕事するには困らないな。


 だから、ここに来るために一つの水魔法しか教えられてこなかった二人は当然受かるわけもなく、杖も持っていないのでどうしようもなかったところをグラントリア家に拾われたらしい。

 さらには杖もティズ・グラントリアから配布され、二人も申し訳ないという顔が全面に出でていた。


 今頃、二人は仕事をこなしながらどんな魔法でも使えるようになるために訓練をしているだろう。

 その際、ガレット学園から見事に合格を受けた俺は今日から学園に通うことなった。


 どうやら、あまりにも広いと思っていたこの学園。

 俺含め小さい子供だけの学園だと思っていたが、門を通るときに周りを見れば人の流れは様々だ。

 俺たちと同じ児童に加え、青年やそれ以上の人達が沢山いた。


 心配していたアミの事だが、何故か合格をもらっていたらしく、今俺の隣で真剣に俺の紙と自分の紙を眺めている。

 権力者のなせる業と言ったようなものか、深追いはしないでおこう。


「…どうした?また迷子になった?」


 それよりも、現状アミが俺と自分の紙を見比べてずっと廊下を右往左往しているのを見て声をかける。

 時間はあと少し残っている、何かあった時のために早めに出たのは功をそうした。


「迷子じゃない…けど、ちょっとこの紙変じゃない?」


「変?ちょっと見せて」


 アミから紙を受け取り、両方を見比べる。

 アミの方に書かれていた場所はこの廊下を前に進みその分岐点で右に行くもの。

 対して俺の紙はこの廊下を前に進み、その分岐点で左に行くものだった。


 …ふむ。


「なにがおかしいんだ?」


 全然わからない。


「なんでわからないのって言いたいけど、ジェイクって初めての学園だったわね、魔法技術が凄すぎて忘れてた…」


 そう言って、アミは説明を始めた。


 どうやら、学園には学年での区別からさらに学年のまとまりを区別する上位、中位、下位の三つに分かれているらしい。

 その判断基準は試験での優秀さ、魔法技術に左右される。


 しかし、いくら分かれていると言えどそのまとまりの部屋は全て隣接しているらしい。

 なのに俺とアミの書いてある場所がこんなにも離れているのはおかしいというのだ。


「っていう感じなんだけど…わかった?」


 アミがこちらの顔を伺う。

 それに俺は少しの笑みで応えた。


「確かに、アミの聞いた話だとおかしいね」


 それにしても上位、中位、下位か。

 入って早々に下位に入って現実を突きつけられる現状に向上心を見出すか、それとも心が折れてしまうか、良くも悪くもと言ったような制度だ。

 と、今はそのような事を思っている場合ではない。


「まぁでも、まずはこの紙に書いてある場所にお互い行ってみよう、怒られても紙を見せれば大丈夫だよ」


「……わかった」


 アミの顔を見るにあまり納得していないが今は時間がない。

 また落ち着いた時にでも分かりそうな人に話を聞くとするか。


「じゃあ終わったら入り口集合、先帰ったら許さないから」


「分かってるよ、じゃあね」


 アミから紙を返してもらい、俺たち二人はは反対側に歩き出した。


 ────

 ──


 アミと逆方向に歩い始めた一階の廊下からだいぶ離れたところ。

 その廊下からさらに歩き学園の最奥に達しているのではないかと思った頃。

 そうした工程を終えてようやくついた場所に俺の紙に書かれた場所はあった。


 廊下を歩いていた際に見た扉と俺の目の前にある扉に変わった点はない。

 特別感と言うのが何も感じない。


「開けるか…」


 時間が押している。

 意味不明な場所にあるが、まず中に入ろう。


 扉の取っ手部分に手をかけてゆっくりと中を覗くように開ける。

 すると、既に中にいた四人がこちらの方を向いた。

 俺を含めると男が三人、女が二人といい感じに均等が取れており、俺以外は全員同い年と言った感じだ。


「……まじ?」


 赤髪の男が顔を引き攣らせ言った。

 他の四人も、声には出していないがそんな顔をしている。


 一体何がマジなんだと思っていたが、扉をすべて開けて中を見るとその答えが分かった。

 見ればこの部屋、机と椅子が五個ずつある。

 そのうちの四個は今座っている子の四人組が座っている。


 用意された椅子と机、そして最後のあまりもの、マジかと驚く赤髪の男の反応。

 この三つの要素から、俺がこの中で最後の人だとわかる。

 それに加えて、四人と比べ明らかに子供が来たのだ。

 こいつらの反応も間違いではない。


 一応紙を確認する。

 こんな場違いみたいなところでも間違えていないのは確かだ、なら余った机に座っておこう。


「ちょっといいか?」


 部屋の中を歩いて席に座ろうとすると、さっき驚いた声を出した赤髪の男がこちらに近づいてきた。


「どうしたんですか?」


「迷子か?もう直ぐ時間だぞ」


 後ろを見ても俺以外には人が見当たらない。

 なら俺が迷子だと?どこが迷子なんだ。

 俺はしっかり自分のいるべき場所に来ただけなのだが。


「迷子じゃないですよ、ちゃんとここに書いてある通り」


「文字がしっかり読めてないんじゃないか?」


 赤髪の男と話していると、横槍を入れるようにもう一人黒髪の男がこちらに声を投げかける。

 読めるに決まってるだろ青二才め。


 四人の顔から、俺が最後の一人であると言うのが信じられず何かの間違いであってほしい思っているようだ。

 言いたいこともわからなくはないが、世の中には俺のような人間のいるのだ。


「じゃあ今俺が持ってる紙を確認してみて下さい」


 紙を赤紙の男に渡す。

 すると前から黒髪の男が椅子から立ち上がり、赤髪の男の後ろから紙を見る。

 俺の紙を確認した二人の顔が二人の顔がだんだんと真顔なる。


「分かりましたか?」


「あ、あぁ…わるい」


 赤髪の男から紙を返してもらい余っている真ん中の椅子に座る。

 椅子に座った瞬間、少しの誤差もなく音が鳴り響く。


 恐らく何かの合図的な役目を持っている音だ。

 丁度この紙に書いてある時間と同じ時間に鳴ったからそういう事なのだろう。


「……来ないな」


「そうだな…何かあったのだろうか」


 二人の男が、この現状に疑問を持つ。

 俺には分からないが、何かおかしなことが起きているのだろうな。


 音が鳴り響いてから数分が経過した。

 依然として男たちが言っていた来るはずの正体が来ない。

 女性の一人はそわそわし始め、もう緑髪の女性は興味ないといった感じで爪をいじっている。


「おぉ、集まってたかぁ…みんな早いねぇ」


 後ろの扉から響き渡った声に皆顔を向ける。


「誰ですか?」


 赤髪の男が疑問符を浮かべている。

 他の四人も、この人を知らないような顔をした。

 しかし俺はこの人を知っている、随分と前に世話になった人だ。


「ええっと…まぁ色々な事はいまから説明するよ」


 浮かばない顔をしたその人は…その女性は後ろの扉から俺たちの机の間を通って前に来た。


「さて、この中に私を知っている人はいるかな?手を上げて」


 俺たち五人の中に、目の前の女性の言葉に反応している者はいない。

 何故だろうか、怪しい人に見えてきた。


「…まぁそんなところだよね、だって私だって今年からこの学園活きたからね」


「…じゃあ、さっきの質問は何だったんですか」


 一番左端の白髪の女の子が困惑しながら言った。

 すると、目の前の女性は首を傾げ腑抜けた笑い浮かべた。


「いやぁ気分だよ気分、じゃあ説明を始めるよ」


「…分かりました」


 白紙の少女はこれ以上の言及をあきらめたようで、その場に俯く。

 そんな少女をよそに置いて、目の前の女性はこちらに紙を渡してきた。


 その紙には『クリラ・ウィントン』の文字、それと出身とかるい生い立ちが書かれていた。

 …なるほど、大体察しがついた。

 クリラ・ウィントンはこの女性の名前なのだろう。

 しかしなぜこのような面倒くさいことをするのだろうか。


「私の自己紹介はその紙に書いてある通りだ、面倒ごとは嫌いな性格でね、また質問があったら応えるよじゃあ、改めてここから説明していくよ、まず質問、君たちはなんでここに呼ばれたか知っているかい?」


 何故呼ばれたか…俺は知らないが、こいつらは知っているのだろうか。

 俺は首を左右に振って周りの顔色をうかがう。

 それは俺だけではなく、ほかの四人も誰か反応があるかを伺っている。


 その様子を見たクリラは確信づいた表情をしてことばをつづけた。


「じゃあ、君たちは自分以外に周りの人達を見たことがあるかい?」


「……見たことはある、有名人だらけだからな」


「それを言うならあなたもでしょ、よくあなたの話は耳に挟むわ、火のグリムって」


「そうだな、逆にそっちは風のミランとよく聞く」


「そういうあなたも水魔法の代名詞、シュートだってよ聞くわよ」


 皆各々有名人なのか。

 気になるのは、一番左の白紙の女の子の話題はこの三人に比べて全然出てこない。

 先ほどの反応と言い意外に内気な性格だ、前の時代の俺にとても似ている。


 いやいや、今回の人生は交友関係も頑張ると決めたのだ。


「みんなすごい有名な人なんですね、そちらの白髪の女性は何かあるんですか」


「え、え?えっと…」


 俺が話題を振ると少女には予想外なことだったらしく、たどたどしくからだが震えていた。

 それに加えて、金色の目の焦点が合っていなかった。


「えぇっと、私は皆さんのような何か優れたことがあるわけでは…」


「いやいや、そんな事はないね」


 俺たちの誰かが反応する前に三回の舌打ちとかぶるようにクリラが指を立てて左右に振る。


「なんでそう言い切れるのかって思ってるかもだけど、今の会話から推測したらすぐわかることだよ、ここには偶然にも有名人が集まっている、そう思っているかもだけど実はそうじゃない、これは偶然ではない、ここにいるお前たちは私は腕によりをかけて集めた、この学園随一の優秀な生徒たちだからだ」




よければブックマークや感想、星の評価などなどよろしくお

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