【第十三話】 -魔法訓練-
なんでもいいから感想が欲しいなぁ
「いやいやいや…ちょっと待ってくれよジェイク」
「どうしたの父さん?」
なんて言うが、正直俺も頭を抱えたくなる推測をした。
よくたどり着いたなと自分を褒めてやりたいし、その同時に飛躍しすぎな推測に文句を言いたいところだ。
「解説って、まさかその石がそうなのか?」
「……細かく言うとこの石じゃない…この石と同じ種類の石に人類は騙され続けていたんだ」
「……石っぽく見えるけど、実は石じゃないって事?」
「母さんは相変わらず勘がいいですね、母さんが言った通りこれは石であり石じゃない…不純鉱石と言ったほうがいいでしょう」
「不純鉱石?」
聞いたこともない単語をアミが復唱する。
「簡単に言うと、汚い部分を含んだ鉱石の事だよ」
「ふーん」
……まぁいい、続けよう。
「この不純鉱石と教会にあったあの水晶玉…それらにはちゃんとした名称がある」
「名称?」
あの水晶玉と今俺が持っている不純鉱石は見た目は違えど同一のものだ。
何故そう感じたかというとあの光を見た瞬間、俺は水晶の光り方を見て何か懐かしい感じを覚えた。
あの光り方と似ている物を俺は前の人生でも見たことがある。
俺が前の人生を歩んでいたころ、よく魔物が活性化していたため、魔物狩りという職業があった、その職を担っていた人たちが夜でも明るい場所が欲しいとよく使っていた鉱石がある。
それが今俺の手元にある鉱石だ。
「正式名称光魔石、よく使われている呼び方は『灯魔石』、過去に魔物狩りが好き好んで使っていた魔力を流すと周りに明るい光を放つ便利道具だ」
「光魔石ねぇ…って言われても感覚が掴めないなぁ」
「確かに初めて聞く単語なので…じゃあ実践してあげます」
そう言ってから、俺はこの光魔石に少量の魔力を流し込む。
そうすると俺の手に乗っている不純鉱石は徐々に光り始め、やがて大きな光へと変貌した。
そしてその光は間違いなく、あの水晶玉が発していた光の特徴を持っており、それすなわちこの不純鉱石とあの水晶玉は同じ鉱石であることを示している。
「ほら、あの水晶玉の光と似てるでしょ?」
俺が投げかけると前の3人は首を縦に振り肯定する。
「で、でもあの水晶玉は魔力を流すことをしなくても光ってたでしょ?もしかしてジェイクはあの正体に気がついて魔力を流したの?」
「最もな意見だアミ、だけど俺は魔力を流していない、魔力を流すにしても必ず意識的な動作が必要で、あの水晶玉に手をかざしてから魔力を流した覚えは一度もない」
「じゃあなんで光ったのよ」
「俺が手に持っているのは一般的に使われていた光魔石よりも一つ下位互換…まぁつまりあの水晶玉はとんでもなく純度が高いから、俺の手が近寄った瞬間に勝手に魔力が吸い上げられたって事だ」
「じゃあなんで私たちの時は反応しなかったの?」
「吸い上げられなかったんだよ、どんなに純度が高くてもでかく固形の魔力は吸い上げられない、それはあの水晶玉に限った話ではなく他の物でもそう」
物に魔力を流すためには、常に新鮮で川のように体を流れる魔力でなければならない。
「でも、そんな事子供の頃に出来るわけないじゃない」
アミの言う通り、子供の頃はそんなこと誰も知らない。
大人も教えてくれなかっただろう…理由は単純、そんな事知らないからだ。
「本当にその通り、じゃあ何で魔法使いと魔法使いじゃない者の二人が現れるのか…今までの解説をまとめて結論を言うと……運、この一言に尽きる」
「はぁ?何それ…運って…」
「悪い…俺の推測じゃ本当に運が一番の要因だと思うんだ」
魔力を体循環させて常に新鮮にしておく事で水のように滑らかな魔力になり、何かに魔力を込める際に非常に役に立つ、逆に魔力を体が循環していないと固い魔力で体の通りが悪くなり、魔力を込めるなどの動作ができない。
しかし本当にそんなことなのか?そのような意味の分からない理由で…納得してしまってよいのだろうか、ほかに何かいい回答があるのでは…
「…まぁ話は理解できたわ」
少し微妙な空気になっていたところに今まで口を閉じていたラフィは口を開く。
「その話が本当か本当じゃないのかはわからないけど、情報源はジェイクの推測しかないわけなんだし、ひとまずはそれを信用するしかないと思うのよ、その信用を勝ち取るためにも、ジェイクは私たちを魔法使いにしないといけないしね、それでいいわよねあなた」
「別に疑ってたわけじゃないぞ!まぁジェイクは大事な息子だ、息子の事を信用しないで何が親だってもんだ」
「……まぁ私は初めてから信用してたけど」
母さんをの言葉を皮切りにほかの二人も納得してくれたようだ。
本当にラフィには何か人を引き付ける力を持っているんじゃないかって都度都度思う。
「三人とも不確定でも研究もできていない空想上の推測を信じてくれてありがとう、そしてアミ、これからの魔法使いになるための訓練、そう簡単な道のりじゃないのは理解してくれ」
「当たり前、覚悟の上ってやつ」
アミは当然といった反応か。
もとより魔法使いになるためのやる気より自分の両親と会うために魔法使いになるっていう理由の方が大きいだろう。
そして問題はこの二人。
「父さん母さん、この先の魔法使いになるための訓練はとても厳しく困難なものになるかもしれないけれど…どうか耐えてほしい、俺の身勝手な考えでこんなことになってしまったから」
両親に椅子に座った状態で深く頭を下げる。
こうなってしまったのは俺の身勝手な考えだ、だから説明もなしにきついかもしれない訓練に巻き込んだことについて謝りたかった。
「何言ってんだよジェイク!俺たちは逆にジェイクに感謝してるんだぜ」
「…感謝?」
「そう、私たちはあなたに感謝しているの、こんな事って言ってたけど私達からしたらこの状況を作ってくれたジェイクに感謝している、だってジェイクは私たちと離れたくなくてあんなこと言ったのでしょう?…そんなかわいらしいジェイクの頼みだものね」
「……ありがとう」
ありがとうと、本当に感謝の言葉を紡ぐことしかできない。
この二人の子供になる事が出来て俺は…ジェイクは幸せ者だったはずだ。
待て、この考えはやめろと前にも思ったはずだ、今の俺はジェイク…ほかの魂などではなくジェイクとして俺が生まれただけの話、そこにほかの魂が入るはずと思うのは違うだろう。
今はそんなことよりも目の前に直面している問題に思考を使った方がよい。
「さて、ではやっていきましょう、魔法使いになるための訓練を始めます」
「魔法を使うって言っても、魔法を使うためには杖が必要なんじゃないのか?」
そういえばまだその段階にいたか、魔法は杖がなければ使うことができない。
まずこの考えから壊した方がよさそうだ。
「父さん、口を開けてもらえますか?」
「ん?いいぞ」
そう言い父さんは口を軽く開ける。
その間に俺は自分の手から魔法陣を形成し、小さな水球を作る。
その魔法陣を指先の方に移動させてハックの口にめがけて水球を発射する。
「ん!?…ん?」
突然口の中に異物が入ってきたことによりハックは反射的に口を閉じる。
しかしそれが小さな水の塊だと分かってから、そのまま水の飲み込んだ。
「……今のは…水?でも何でだ」
戸惑ってるな…初めての経験だろうし仕方がないのだが。
「結論から言うと…魔法を扱うことに対して杖というのは便利道具、本来必要のない物なんです」
そう言いながら、ハックの口に発射した大きさの水球を手物に形成する。
ラフィを除いてほかの二人は受け入れがたい目の前の真実を理解するのに数十秒時間を使った。
「とまぁこんな風に杖なんて使わなくても魔法を扱えるわけなんだ」
「……魔法を扱うためには杖を使う…なのになんで杖を使わなくても魔法が扱えることをジェイクは知っているんだ?」
まずい…少し疑われ始めた。
純粋な疑問だろうが、念には念を入れようと思う。
「…これは三年前の話になってくる、俺の自我が確立してからの頃に偶然手から魔法陣が出てきて、そこから水球が打てるようになるまで時間は掛からなかった、当然びっくりしたけどその時はこれが常識なんだって思ってた…今の俺があるのはそのおかげで、本来杖なんて使わないで皆扱える物だって言う気持ちがあったからだ」
脳の認識は自身の実力にも関わってくる物で決して侮れない物だ。
それをこなせる実力があったとしても、頭で無理なんだと認識してしまえば決してこなすことは出来ない。
「今三人に一番必要なことは自分は絶対魔法が扱えるという自信を持つこと…じゃあ、早速始めますか
さて、まず第一にやる事と言えばあれしかない。
俺の生きていた時代も奴らもまずはここから始まってるという基礎中の基礎だ。
「では、三人とも目を閉じて下さい」
目も前にいる三人は目を閉じる。
「そのまま…まずは三人の凝り固まった魔力を排出させるために魔力の流れを感じてください…そうはいっても初めての感覚で何も魔力の流れが何が何だか、そもそも感じることができないからとりあえずは想像で大丈夫」
それっぽい指南をしているが正直これで本当にあっているのかはわからない、しかしそれでこの三人を魔法使いにできるのならばそれは優しい嘘だ。
今まで魔法を扱えない人に対して指南を魔法に関しての指南ができるかどうかと、マジのマジで魔法を使えない突然変異の人間が生まれてきて、そこから繁殖しまくって今がある…なんて考えることもできる。
「………」
「ふぬぬぬ…」
「んー…」
数秒経過したが、三人に何か反応が見られるかと言われれば何も見えないと答えられる。
あと、アミとハックには後で声を出してやるのは集中力に気が散ってしまうのでやめておくよう声をかけておこう。
───────
───
さらに少し経った。
俺がやめと合図を送ると二人は目を開けて、隣同士を見た。
「全然わからないなこれ」
「そうね、今までにない体験だったから」
「………」
まぁ、当たり前と言えば当たり前の結果だ、いきなり魔法を扱えるなんて都合の良い事なんて起きるわけない。
さて、あと一人は…
「アミ、もう終わりだぞ目を開けていいよ」
「………」
って聞いてない、それほど集中するのは良いことなのだが。
「おーいってば」
「………」
流石に聞こえているはず…急に態度が急変した?
ハック達も異常さに気づきこちらに不安の目を向けているのが見て取れる。
あまり乱暴なことはしたくないのだが…仕方がない。
「ねぇってば」
アミの肩に手を伸ばす。
俺の腕はどんどん伸びていき、アミの肩とも距離一寸まで到達した瞬間に俺の腕は弾かれた。
「……見えた」
突然アミが椅子から立ちあがった、そのアミの運動で俺の腕は回って弾かれたのだ。
弾かれた腕からじんじんとした少しの痛みを感じる。
てか、なんて言った?
未だ目の前にいるアミとみてみると未だ「やったー!」俺の知っている性格のアミとは真反対の行動、と短めの髪と共に体が跳ねている。
「アミ、もしかして今、見えたって言ったのか?それって」
俺がそういうとアミがようやく俺の言葉に反応してこちらの向いた。
「……ふふん」
アミは言葉を発することはせず、ただ顔で自分の偉業を自慢していた。
その時見た顔はアミと出会ってから一番いい表情だった気がする。
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