何者
人間って、こんなもんだろな。
生きづらい。
僕が世界に合っていない。
生まれる世界を間違えている。
転職のように、世界は辞めて新しい場所を探せるわけではない。
死ぬしかない。ばからしい。何故死ななくてはいけない。
僕も
友人と生産性のない未来の話をしながら酒を飲んで
周りの迷惑を全く考えずに酔っぱらえるほど図太くありたかった。
奴らには悩み・不安なんてないだろう。
千鳥足で他の人間にぶつかっても申し訳ないとか思わないんだろう。
たのしそうだ。心の底から軽蔑する。
大して上手くもない歌や踊りを披露して称賛を受ける顔でありたかった。
だが僕は決して顔が醜いわけではない。中の上だ。行く先々で目元が素敵だと言われる。
小学生の時に何度も女子から告白されたことがある。
だからこそ、巷で人気のアイドルがあんなにもてはやされる意味が分からない。
誰でも少し練習すればできることを、少し顔のいい人間がやっているだけの話だ。
僕は
少し行動が遅いだけだ。
バズったSNSの投稿。
そんなもの、僕の頭の中にはとっくの昔にあって、ただ発信をしなかっただけだ。
中学校3年生の頃、友人に彼女ができたとき。
あの子は小学生の頃僕のことが好きだった。
その時に、僕が彼女の気持ちに気が付いていれば。
その時に、彼女が僕に告白する勇気を持ち合わせていたら。
いつも機会に恵まれない。
ずっと機会を待っている。僕が評価される時を。
いつもほんの数ミリだけ。
僕から幸福がズレていく。
僕は、この世界に合っていない。
そう結論付けないと説明がつかない。
その結論じゃないと、まるで僕が------みたいじゃないか。
だから僕は、まだ何者にもなれないままだ。
けどこんな人間が好きだ。わたし。