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第90話 容疑

 「っと!長々と話してしまったが、事件の容疑者として捕らえられた雅紀は、現在留置所の中に居る。勿論、取り調べも続行中だ!ただ、雅紀の両親が『息子は無罪だ!!』とか『息子を嵌めた奴を許すな!!』って、毎日訴えているらしい。警察署の前でな。」


 「嵌めた奴って俺のことだろうな。『息子がそんなことをする訳無いだろ!!』って、あの一家が言ってる場面が思い浮かぶ。」


 「ああ、そんなことも言っているそうだ。そんな中、取り調べを受けている本人は、犯行を認めて事件の動機について素直に話しているそうだ。」


 あいつが素直?普段の行動からは考えられない状態だな。まぁ、留置所内でどんな生活を送っているのかは分からないが、少しでも苦しめば良いさ。


 「現在までに取り調べで分かったことは、『俊隆に対して個人的な恨みがあった為、事件の証拠を消し俊隆を有罪判決にしたかった。』と『証拠を消すように命令した男は、偶々バーで出会った男だった。その男が死んでいたことに関しては、一切関係していない。』と述べたようだ。ここで気になるのが、『事件現場にあった証拠の処理が、素人の割に的確過ぎる』ことと、『偶々出会った男に対して、証拠処理と言う重要な役目を任せるのか?』と言う部分だ。これに関しては、あちらの警察署でも疑っているらしく、他にも何か目的があったのではないか?との線で調べているらしい。」


 「・・あいつが馬鹿正直にそこまで話したんですか?それに、まだ他にも関わっている奴らが居るかもしれないって、問題が次々と浮き彫りになりますね。伸二さんも全然休む暇が無いじゃないですか。」


 「それな!この事件にどれだけの人間が絡んでんだよ!って感じだわ!」


 「お疲れ様です。」


 「おう!っとそう言えば!もう一つだけ気になることがあったんだった!実はな、倒壊した実家の周りに土砂が堆積してしまっている写真を見せただろ?」


 「そうですね、建て直しする際に何か問題でも起きましたか?」


 「お前、結構鋭いな。まぁ、問題と言えば問題なんだが、土砂の中から人の死体が複数発見された。」


 人の死体か。確か、今回直撃した台風は、過去最高クラスの災害を引き起こしたと聞いたから、その被害者だろう。ただ、出来る事なら土地内で死体が見つからないで欲しかった。なんか縁起が悪くなりそうだ。


 「それでな、死体の服装や身元から土木業者であったことは分かったんだが、おかしな点がいくつか見つかった。」


 カバンの中から何枚かの書類を取り出しながら、話を続ける。



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