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第78話 話し合い

午前9時

 俺は今、面談室で伸二さんと半試合を進めている。時々、後ろに立っている男の視線が気になるが、恐らく気のせいだろう。


 「残念ながら証拠はまだ見つかっていない。本当なら無実を証明出来たのに、証拠が消えてしまって状態では。勿論、証拠隠滅を行った犯人の特定も急いでいるが、まだ何の知らせも来ていない。」


 「事件の証拠を消すって事は、何かしらの狙いがあるんだろうけど、それが何か分からないからなぁ。」


 証拠隠滅は、結構重い罪に捉えられるらしく、犯人を見つけた場合俺よりも重い判決になるようだ。


 「そろそろ話しておいた方が良いか・・。俊隆、お前の家族の遺産なんだが・・これを見てくれ。」


 そう言われて机に出されたのは二枚の紙だった。


 「まず、お前の父親と母親の保険金8000万円と家や車などだ。ここまでは把握出来ているだろう。ただ、お前の家族は他にも資産を持っていたようだ。」


 他に資産?聞いたこと無いな。家は特に高い物を買ったり、投資したりとかはやってなかったはずだけど。


 「これは俺も初めて知ったが、既に亡くなっているお前の祖父母に関係がある話だ。ここは名前で良いか。まず、隆弘の実家は青森県の田舎の外れにある村だ。そこに一軒家と家の後ろにある山の一部を所有していた。それに加えて、祖父母が使っていた漁船一隻も加わる。」


 父さんから実家のことはあまり詳しく聞いてはいなかったが、まさか青森だったとはな。父さんから訛りが感じられ無かったし、どうせなら家族全員で行ってみたかった。


 「次は仁美さんの方だな。仁美さんの実家は静岡の山村にあった。資産として、仁美さんの祖父母が所有していた一軒家と畑2haヘクタールを所有していたようだ。」


 流石に多くないか?税金の支払いとかはどうなっていたんだろう。


 「どちらの家も柱が少しだけ痛んでいるだけで、問題は無いらしい。ただし、山と畑、漁船に関しては長い間使われていなかったせいで、資産価値としてはそれほど高くなかった。まぁ、所有地ぐらいに考えて良いだろう・・・。」


 「なるほど。ちなみに写真とかってあります?」


 「・・・っと。これがそれぞれの場所を示した地図で、こっちが現場の写真だ。」


 そう言って2枚ずつに分かれた写真と地図を見せて貰った。

 どちらの家も見た目的には綺麗な物で、地図を見た限りでは近くにスーパーやドラッグストアが一応展開されている為、そんなに不便な印象は無い。


 「余程、贅沢な暮らしを望まなければ住みやすそうな場所ですね。」


 「まあな、。ただ、地域開発の一環なのかは分からないが、その家の近くで色々と工事が進んでいるらしい。もしかすると、旅行客増加の為のリゾート政策か過疎化防止の地域発展を目指しているのかもしれない。」



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