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第74話 一難去って、また一難

 警察官が取り押さえられてから、30分程経った頃に伸二さんが到着した。

 余程、急いで来たのか額に汗を滲ませながら部屋に入って来る。


 「俊隆っ!怪我はしてないか?っておい!額の痣はなんだ⁉」


 「っ!大丈夫大丈夫!!掠り傷だって!」


 慌てた様子で俺に近づき、額に付いた痣に触る。結構強めに、頭を押し付けられたからしょうがない。

 そんな感じで伸二さんと話していると、スーツを着た30代ぐらいの男が部屋に入って来た。


 「これから取り調べを行いますので、関係者以外の方々は部屋を出てください。」


 そう言うと、伸二さん以外の警察官人達が部屋を出ていく。

 まさかの取り調べ再開に驚いていると、伸二さんが男に近づいた。


 「なにも、今取り調べをやらなくても、後日やれば良いんじゃないんですか?この子も混乱してるかもしれませんし。何より、精神的に疲れている筈です!!」


 伸二さんがそう説得するが、相手の表情は変わらない。


 「あなたは彼の何なんです?親ですか?弁護士ですか?取り調べにも期間って言うものがあるんです!弁護士なら分かるでしょ?それに、あなたは弁護士として、他にもやることがあるんじゃないんですか?別に、先程のような自白を強要することはしませんから、早く部屋を出て行ってくれませんかね?ここは警察の管轄ですので。」


 流石に分が悪いと感じたのか、伸二さんはそのまま扉の近くに居た男に連れられて部屋を出て行ってしまった。

 これで部屋の中には、目の前の男と扉の近くに居る書記官二人だけになった。書記官が二人居る理由は分からんが。


 「それじゃあ、繰り返しになるかもしれないが事件の概要について説明する。事件の内容については君の方が詳しいかもしれないが、真剣に聞いてくれよ?まず、事件が起こったのはーーーーーーーーーー」


 それから50分程かけて、『事件の概要に間違いが無いか』や『検査結果に不備が無いか』等について、しっかりと確認を取りながら行われた。

 話が犯行現場の証拠品の話になると、男の顔が苦虫を嚙み潰したような顔をした。


 「犯行現場の状況だが・・・、君が話してくれた、犯人がガソリンを撒いたと言う証拠が《《見つからなかった》》。それに、包丁やロープからの指紋も綺麗さっぱり消えていた。ただ、事件が発生した当日の深夜、君の家から物音を聞いたと言う証言があった。もしかしたら、証拠の隠滅を図った人物が居る線も、警察は僅かだが考えている。」


 自白警官が意味深な事を言っていた為、少し嫌な予感はしていたが、まさか証拠が完璧に消えているとはな。

 そもそも、ガソリンの匂いや床に浸透したガソリンの処理が簡単に出来るのか?


 「あの、ガソリンの処理って簡単に出来るものなんですかね?」


 「ああ、滅多に見ることは無いだろうが、専用の処理剤が存在する。基本的には、機械器具などに付着する頑固な油を洗浄する為に用いられる物だ。今回、使われた物もそれだろう。」



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