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第68話 未成年後見人

 あいつらが来てからは、さらに忙しくなった。

 雑誌に載っていた記事に訴えを起こす為に書類を書いたり、親権者がまだ決まっていなかったと知った報道陣は、前と同じように押し掛けてくる奴らが居たり、毎日問題が起こっていた。勿論、俺よりも疲れているのは伸二さんだろう。弁護士の仕事をしながら、こっちの問題にも対処する。いつまでこんな日々が続くのかと思っていたある日。


 「なぁ、俊隆。俺がお前の後見人になっても良いか?」


 伸二さんから詳しい話を聞くと、俺の場合これからの生活の為には、未成年後見人が必要となり、後見人とは『親権者がいない未成年者に対して、未成年者の法廷代理人となる』らしい。簡単に言うと、財産の管理や未成年では出来ない契約の締結を代わりにやってくれると言うことだ。

 俺としては他に頼りになる人もいない為、是非とも伸二さんに後見人になって欲しいのだが、ちょっとした問題があるらしい。


 「家庭裁判所の方に書類を提出しないといけなくてな。その後、俺と一緒に裁判所に行って面接みたいなものをやるんだけど、大丈夫か?」


 書類を提出した後に『後見人として大丈夫なのか』『未成年者の家庭状況に問題が無いか』などを確認する為に面接をするようだ。面接自体は何回かやったことがあるので大丈夫だと思うが、伸二さんは心配らしい。


 「多分、大丈夫。と言うか、俺の後見人になって大丈夫なのか?風評被害とか。」


 「なに、気にすんなって!どうせ、ガセ情報だと知ったら忘れるんだから!それよりも、OKってことだな?」


 「ああ、問題が無いんだったら良いけど。」


 「それじゃあ、後で書類持ってくから書いておいて!」


 少しだけ嬉しそうな顔をしながら部屋を出て行った。それに、疑問に思ったことは『書類持ってくから書いて』と言ったことだ。『書類を取って来る』とか『書類を用意しておく』とかでは無く、『持って行く』と言った。つまり、申請用の書類は話をする前に用意されていたってことになる。


 「なんだ、俺の意見を聞かなくてもノリノリだった訳ねww」


 予想よりも好感を持たれていたようで良かった。ちなみに、後日聞いたところによると『もし俺が断っていても、家庭裁判所で未成年後見人を決める時に、親族として名乗り出る人と俊隆が争う場合、第三者として専門家を第三者の視点から未成年後見人にする場合があるから、弁護士として専門家の基準に達してるから、そこで立候補するつもりだった』らしい。詳しいことは法律関係になるから、聞いてもよく分からん。


 出て行ってから数分後には、必要な書類を持って来た伸二さんに教えて貰いながら記入を進め、三日以内に提出してくると伸二さんは言った。

 それと、念の為に心療内科にも一度行こうと言う話になった。伸二さんが俺のことで気になる事があると言う。大したことでは無いらしい。



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