第234話 罰ゲーム者決定
「うーん、おかしいなぁ、僕の感覚だと二秒ぐらいズレてたと思うんだけどなぁ。うーん・・。」
「そうだよな!俺も、多少はズレてる感じがしたんだけどよぉ、一体なんでだ?」
最後の挑戦者である、センチネルさんが準備を進めている間、マキシ・マイザーさんと城東さんが、俺のプレイに対しての疑問が沸き続けいるようだ。
まぁ、仕方が無いだろうな。《《口で言ってたこととやっていた行動がそれぞれ違うのだから》》。
「あー、今回俺は、『60秒の切り抜き動画を全て思い出して、その1秒から2秒ぐらいで止める』って言う作戦でやってみたんですけど、数えている途中で内容がぐちゃぐちゃになってしまったので、しっかりと思い出せる前半30秒までの動画を、2回思い出してみる作戦に切り替えたんですよ。それにプラスして、タイマーを止める時に言った『ここだっ!』のタイミングで一度、手元のスマホを裏表一回転させて、態と遅らせてみました。多分、口頭のタイミングで止めてた場合、3秒から4秒は早かったと思いますよ。俺が実際に数えていたのは、30秒の動画から不確定な間奏の部分を除いた、30秒にも満たない動画時間でしたから。」
「あー、・・・・半分くらいは分からなかったが、要は、ブラフをかけた上で運試しに臨んだって事なのか?・・・・そうだよな?」
「WOW!!まさか、この中で一番CRAZYだったのは、奈落君だったなんてね!!!本当に、FANTASTICな漢気だったよ!!!」
はぁ、マジで緊張したな。
なんだかんだと言ってみたが、俺がやったのは、ただの運試し。
ここで一切引かずにチャレンジしたことを漢気と捉えるべきか、それとも、真面な作戦が思いつかずに、思考放棄したと捉えるべきなのか、俺には分からない。
「・・・・・おいお前ら・・・まだ私の番は終わって無いんだぞ?・・・・もう、始めても良いのか?」
「あっ、OK!!それじゃあ、センチネル君のチャレンジ、スタート!!!!・・・・・『おいお前ら』って何処かで聞いたことあるなぁって思ったら、巨人狩りの人じゃん!!」
そうだった。俺は偶々うまくいっただけで、その間センチネルさんは濃密な作戦を考えていた筈だ・・・・あっ、俺はもう罰ゲーム回避は確定だったな。あまり実感が無いせいで、忘れてた。
「トンッ、トンッ、トンッ・・・・・。」
「ラ~ララ~ラ~ララ~♪」
「・・・聞こえて来る音からすると、安定したリズムで刻めてますね。これはもしかすると、逆転もあり得ますかね?」
「・・・ん?今、タイミングズレなかったか?」
城東さんの指摘通り、センチネルさんが机を叩く音をよく聞いてみると、僅かにだがタイミングが早くなっているようにも感じる。
「おっ、流石城東君!!実はね?センチネル君は普段から、カップラーメンにお湯を入れて3分待つ時とかは、『真面目に時間を数えていた筈なのに、何故か1分しか経っていない』みたいな事が多発するって言ってるんだけど、僕の考えでは、センチネル君のせっかちな性格が災いして、自分でも気が付かない内に、数を数えるスピードがどんどん速くなっていってるんだと思うんだよ!!!」
「あー、なるほど。だからマキシ・マイザーさんは、やけに《《余裕そうな態度を示して》》来てたんですね。」