第230話 different(特に深い意味はありません)
「よっしゃあ!!僕の勝っ、ゴホッ!ゴホッ!!煙がっ!!」
「チッ、最初の勘を信じるべきだったぜ!!」
ルール変更からさらに二回。
確率を上げたのにも関わらず、互いに綺麗な外しを披露しているのを、眺めていた俺とセンチネルさんの頭に、『これ、何時になっても終わらないのでは?』という考えが過ぎり始めたところで奇跡が起きた。
なんと、ここまで黒丸を並べ続けていたマキシ・マイザーさんが、5分近く悩んだ末に選んだタバコが当たったのだ。
恐らくこの時、俺とセンチネルさんの顔は見れたものでは無かっただろう。
「えー、改めまして、タバコ銘柄当ての勝者はマキシ・マイザーさんに決まりました。よって、スペースオペラチームとマスカットカラーチームが、互いに一ポイントずつとなり、次のゲームで勝敗が決まります。はい。・・・ゲームの説明は、マキシ・マイザーさんにお願いします。」
「はいはーい!!次のバトルで、どちらが真の漢なのか決まるぞぉ!!最終ゲームは、『チキンレースチャンレンジ』!!ルールは簡単、60秒に設定したタイマーの数字が減少していく中で、目隠しをした状態のまま誰が一番、0秒に近いタイムでタイマーを止められるのか競う戦いだぁ!!勿論、チャンスは一人に付き一回のみ!!!さぁさぁ、誰からやろうか?」
おー、ここでオーソドックスなゲームが来たな。
この戦い自体が、『どちらの組が漢らしいのか決める戦い』だったのも忘れていたし、危うく企画趣旨を忘れて三回戦目を終わらせるところだったな。
それにしても今更だが、三ゲーム中に二ゲームが目隠しなら、どちらかのスタジオを借りて配信をした方が良かったんじゃないか?
これじゃあ、視聴者が置いてけぼりだし、真面目にゲームをしているのか疑問にも思ってしまうだろう。特に、俺とセンチネルさんは。配信中の態度から、あまり今回の企画に乗り気では無かった事が明らかだろうし、観ている人からは、一回戦の終わらせ的には、このゲームも適当に流しているように見えてしまうかもしれない。
「それじゃあ、まずは僕から挑戦するよ!!えーと。タイマーを「ちょっと待って貰っても良いですか?」、え?ああ、奈落君どうしたの?」
「いや、どうせならこのゲーム、負けた方に罰ゲームを設けた方が良いかと思いまして。一応、最終戦でもありますので。」
「⁉・・・・奈落、何を言って「それ良いな!!おい、その条件でやろうぜ!!なーんか、緊張感が無ぇなぁって感じてところなんだよ!!!」・・・・はぁ、分かりました。それで良いでしょう。」
〈なんだなんだ⁉急に奈落がやる気出したぞ!!〉
〈これも台本通りなのか?〉
〈いや、城東が台本通り出来る訳無いだろwww〉
〈それは、マキシ・マイザーにも同じこと言えるぞwww〉
〈それなら、奈落の独断なのか?ww〉
〈良いねぇ!配信者だねぇ!!〉
〈どんな罰ゲームにするんだ?〉




