第228話 『銘柄当て』
「先制はスペースオペラチームが取ったところで、お次の競技はこちら!!『タバコ銘柄当てゲーム』だぁ!!漢なら、最低一つは好きなタバコぐらい持ってるでしょって事で、今回は予め用意した五つのタバコの中から、自分が普段吸っているタバコを目隠しをしたまま見つけて貰うぞぉ!!」
「ふんっ、そんなの簡単じゃねぇか!!」
「・・・・・。」
「・・・・・・。」
配信机の上に置いてある箱の中身を見ると、多分見たことのあるような柄をしたタバコの箱が五つ、綺麗に並べてあるのが見える。
これらは、今日の朝一に俺と城東さん一人一人に届いた物で、最初自分の部屋で箱の中身を見た時、頭を抱えるしかなかった。なぜなら――
「おい、いきなり連絡を寄越したかと思えば、こんな物を送り付けて来るとは、事前に説明ぐらいしたらどうなんだ?・・・・もしかしてお前、奈落さん達にも同じように送り付けたんじゃ無いだろうな⁉」
「ん?何かダメだった?ちゃんと、郵送料は払ったし、宛先も間違えて無かった筈だよ?」
「お、お前!!・・・はぁ、あー、うちの馬鹿がすまないな。こいつ、基本的に後先考えず動くから、止めるのが大変なんだ。」
「おう、それくらい別に良いぜ?一瞬、危険物かと思ったが、俺の好きなタバコが入ってたからな!!」
「いや、それくらいなら別に大丈夫なんですけど・・・・俺、タバコ吸ってませんよ?どれがどの銘柄なのかすら分からないので、対決にならなく無いですか?」
〈まさかの二対一か?www〉
〈迷惑過ぎるwww〉
〈ほんと、本当すいません〉
〈タバコ吸うか?今の時代、電子たばこじゃね?〉
〈あれ?センチネルもタバコ吸って無いよな?ww〉
「奈落さんも吸えないのなら、結果的にお前と城東さんが戦うしか無いだろうな。と言うか、もっと調べてからゲームを決めろ!それかせめて、私に相談してくれ!!」
「まぁまぁ、時間も無いから始めよう!!まずは、まずは僕からやりますね?えーと、火を付けたタバコを灰皿の上に並べて、あっ、間違って火が付いた部分を触らないように気を付けて下さいね?そして、目隠しをした後に灰皿を適当にシャッフル!!」
「おいおい、お前は不器用なんだから気を付けろよ?はぁぁ、本当にこのゲームは成り立っているのか?そもそも、誰が判定するんだよ。何で私は、こいつが考えたゲームを確認しなかったのだろうか。・・・・話しかけるのが面倒だったからしょうがないよな。」
「おい、俺にだけでも良いから画面共有してくれよ!!その方が、分かりやすいだろ?」
片や目隠しをしてタバコを吸い始め、もう一人は画面共有の映像を観ながら騒ぎ、もう片方の保護者に至っては、ブツブツと後悔の念を言い続けているこの状況。まさにカオス。
「これ、三つ目のゲーム出来るのか?」




