表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
188/240

第188話 最凶


 「あぁー、何であなたのサポートをしなきゃいけないのよ!他に居ないの?ほ・か・に!!」


 「?どう言う事?あんたに、私のサポートが出来る訳無いでしょ?高ちゃんだって、サポートに送るのは『専門知識を持っていない人が多くなるかも』って言ってたじゃないのよ!」


 「そんなの知らないわよ!私だって、あなたのサポートだって分かってたら、自分から『元精神科医です!!』なんてアピールしなかったわよ!!」


 エストランネさんが部屋に入って来たと思いきや、いきなり遥さんと口論に発展した目の前の状況に、まったく理解が追い付けていなかったのだが、ようやく本題に入って貰えそうだ。揉めたままなのは変わらないみたいだが。

 そもそも、どれだけの事情があれば、これだけの嫌悪感を隠さず、正面から口論出来るんだ?

 後、遥さんは高太郎さんのことを『高ちゃん』って呼んでるんですか!とか、この間、社長室で自信満々に精神科医の証明書?みたいな物を見せて来たのも、アピールの為だったんですか?等々、色々とツッコミたいところではあるのだが、やはり一番は、少しぐらい俺にも話を振って欲しい事だな!と言うか、同じ部屋に俺が居る事を忘れてないか?すぐ真横に居るのに。


 別に、二人の会話に入りたい訳では無くて、ただ単に、この部屋から退散したいだけなんだ。

 いや、俺の姿が目に入っていないだろう二人を放置して、静かに部屋から出ることは出来るのだが、現在俺は、先生としての遥さんと定期健診中だ。そんな中、勝手に帰ってしまっても良いのか?


 「あのぉ、・・・・あの!」


 「ん?あれ?奈落君、いつの間に来てたの!!やだぁ、化粧が崩れてるのに!!」


 「そうだった⁉な、奈落君の検査は終わったから、もう行っても良いわよ?ただ、今見たことは内緒にしてね?お願いね?ねっ!!!」


 「はぁぁぁ、了解です。失礼しましたー。」


 あきれてものが言えないとはあるが、必死に弁解しようとしている居た堪れない姿を見せられて、慌てて部屋から出たのは始めてだ。

 誰が、オカマの『内股ウジウジ顔隠し』姿が見たい?

 誰が、もうそろそろで50歳を迎えようとしている女性の、ワザとらしいウルウル瞳が見たい?

 遥さんなんて、目の前にエストランネさんが居るせいか、普段からは考えられないぐらい背筋を伸ばして、見送ってくれたしな。


 部屋を出る時、エストランネさんの背中にナース服がくっついていたような気もするが、気のせいだろう。


 「まさか、定期健診の度に巻き込まれたりしないよな?・・・・終わった。」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ