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第174話 モンスター(大変失礼!)

 シリウスさんへの挨拶を終え、急いで社長室に向かう。

 別れる際、シリウスさんの表情が安堵していたように見えたが、きにしないでおこう。会話の最中も、発言とは裏腹に手や脚が僅かに震えている事にも気付いてしまったが、下手に触れるのもマズいからな。


 「だ・・・衣装・・・・・・駄目・・・・・・・⁉」


 「・・んな・・・・・無駄・・!!・・・・良い・・・・」



 見慣れた社長室の前にまで来ると、部屋の中から言い争う声が聞こえて来た。

 耳を澄ませて、話の内容を聞いてみようかと思ったが、流石に扉越しでは防音性が高すぎるようだった。


 「ふぅぅぅ、コンッコンッ、失礼します。うっ!」


 ここでも、扉の前で息を整えながら部屋に入ると、椅子から立ち上がり、こちらを見る高太郎さんと、机を挟んで別の椅子に座っている、肌黒の《《バケモノ》》がこちらを見ていた。

 肌黒さんの服装は、黒色の猫耳カチューシャに黒のドレス、真っ赤なヒールがよく目立っていた。顔に関しては、ごっつごつの男性顔にアイシャドウと長いつけまつげ、若干パープルが混じった赤色の口紅。その他にも、化粧品に関して俺は詳しくない為、何と言えば良いのか分からないが、頬や爪、頭のウィッグ?等も凝っているようだった。

 これらに、しっかりと焼いた肌が合わさることで、何処かギャルっぽい印象も受ける。


 「おっと、見苦しいところを見せてしまったね!そうだ、彼のことを紹介しておこうか!」


 「彼?彼って、そこに居る彼のことよね?・・・まさか私のことを彼って言ったの?そんな⁉酷いわ⁉」


 「おい、ややこしくするんじゃない!はぁぁぁ、改めて、そこに座っている彼女は、昨日我が社でデビューした二期生の、エストランネだ!そして、エストランネ!彼は、我が社の誇るオールラウンダー、鬼道 奈落君だ!良いか?お前の趣味を押し付けるんじゃないぞ?本当に頼むからな⁉」


 「はいはい、そんなこと当たり前でしょ?えーと、初めましてエストランネです!高ちゃんとは中学生ぐらいからの付き合いだから、困ったことがあったら、私にも相談してね!!その代わり、配信に関しては素人だから、そこら辺はよろしく!!」


 頭のカチューシャから何となく察することが出来たが、本当にエストランネさんだったとは。と言うか、高太郎さんの友人⁉一体、どんな交流関係があれば、ここまで癖が強い人達と知り合えるんだ?いや、よく考えたら、この会社癖が強い人しか居なかったな。


 「え、えーと初めまして、鬼道 奈落です。昨日の初配信を観る限り、特に問題も無かったらしいので、大丈夫だと思いますよ?」


 やべっ、よく考えたらこの人、高太郎さんと同じ歳なんだよな?ちょっと、生意気過ぎたかも?後、オールラウンダーって何だよ!エストランネさんのインパクトが強すぎて、スルーしてしまったぞ。



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