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第171話 オサライ

 「コンッコンッ、失礼します。」


 部屋の中に入ると、書類の束を見ながら難しい顔をしている高太郎さんが居た。


 「おっ、ナイスタイミング!!丁度今、奈落君と相談したいと思っていたんだよ!」


 「えっ?あっ、はぁ。」


 いや、あなたが昨日の夜、『話したことがあるから、社長室に来てくれ!』ってメッセージを送って来たんだろ?

 しかも、態々、俺に分かりやすいように演技しながら、相談内容を纏めた書類を用意してるし。


 「それで、相談と言うのは?」


 「あー、念の為、今スペースオペラが抱えている懸念点について、二期生がデビューする前に相談しておこうと思ってね!ほら、これっ!」


 そう言いながら渡された書類には、『無駄な出費が多すぎるのでは?』『最低配信時間と日数を設けないか?』『一期生内の人間関係が一部未構築な状態で、このままライバーを増やしていけるのか?』『支出監理はちゃんと出来ているのか?』等々、主にスタッフを中心とした人達からの疑問が多く書かれていたのだが、注目すべきは、その多数の文章の横に小さく『了』の文字が書かれている事だ。


 「『了』って書いてあるのは既に対応したもので、正確に把握するなら、両手で数えるぐらいしか、もう残ってはいないんだよ!いやー、優秀な社員が居てラッキーだったよ!」


 一番最後のページには、書類の内容を短縮したものが書かれていて、『スペースオペラのグッズ等を販売したいが、何か細工をされて炎上するのは困る!!』や『会社独自の販売ルートやグッズ製作の指示が無い為、イラストレーター達が暇だ!!』のような、優先的に迅速な解決を求められるものが纏められていた。

 ・・・・・・・最初から、この一ページだけで良かったのでは?


 そんな俺の気持ちを無視して、話し始める高太郎さん。


 「書類を見たら分かったと思うけど、書いてある内容の中には奈落君も参加していた会議の内容の含まれてるからね!」


 なるほどな。だから、何となく見覚えがある内容が混ざっていたのか。会議中、周りの視線が気になってしょうがなかったから、内容なんてほとんど覚えてなかったわ。


 「その中で、緊急性が高く効率的に動くなら、私としては『グッズやボイス販売計画』を進めたいのだが、如何せん敵が多すぎる!特に、とある伝手から聞いた話だと、我が社を狙うブラックハッカー《《達》》が後を絶たないようなんだ!」


 「・・・・・またブラックハッカーですか。何の目的があってスペースオペラを狙うんです?」


 ほんっっとうにッ・・・・・・・・・邪魔だな。


 「それが分かれば苦労しないんだけどね!ただ、二期生がデビューしたと同時に、ブラックハッカーからの攻撃が激しくなるだろうから、気を付けたほうが良いかもね!」




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