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第166話 延焼

午前9時

 目を覚ました俺は、リビングに座りながらテレビを点けると、丁度、一昨日の事件について取り上げられていた。

 『Vtuber事務所スペースオペラに侵入者⁉』『またもやスペースオペラで事件!!!』等々、様々な見出しで紹介されているが、最近になって問題ばかり起きている(起こしている)会社みたいな感じに、世間から見られているようだ。これに関してはしょうがない。

 ただ、ネットニュースの方を見ると、テレビで出していない情報がいくつか載せられていて、『スペースオペラ内部に犯人と接触した人物が?』とか『汚職警官が居た可能性大!』のような、まだ公開していない情報の考察らしきものや、『犯人がここまで詳しい情報を得ているのはおかしい!!ブラックハッカーが黒幕に違いない!!』等の記事まである。


 「ブラックハッカー・・。可能性としてあり得るかもしれないけど、証拠が一切出てこないんだよなぁ。」


 《《通知》》の止まらないスマホを、近くのテーブルに置きながら、今日の配信をどうするか頭を悩ませる。何故なら―――


 「それで奈落、俺達はどうするんだ?ふぅー、ずぅずっ、お!この味噌汁、味が濃くて美味いな!」


 「あれ?味噌入れ過ぎましたかね?いつもよりは、薄めに作った筈なんですけど。奈落さんの分も出来ましたので、良かったらどうぞ!」



 声のする方を見れば、城東さんと腹一さんが朝食を食べている。

 おかしいな、何で二人が俺の部屋に居るんだ?


 「?何で不思議な顔してこっち見てって、ああ、奈落お前・・・寝ぼけてるだろ。」


 「奈落さん?おーい、奈落さん!!早く《《炎上》》の件について話さないと、時間が無くなりますよ?」


 「ああ・・・・、そうだった、俺炎上したんだったな。」



 事件が起きた次の日、警察関係者やマスコミが会社を訪ねてくる中、俺達三人が会議をしていたところ、何故か俺達のチャンネルが荒らされていることに気付いた。

 スタッフの方達と相談したうえで調べてみたところ、今回の事件についてインターネット上の意見が幅広く展開されている中に、『緒恋さんを犯人に襲わせたのは、事件の現場にいち早く到着した奴等の誰かでは?または、全員かもしれない!!』のような書き込みが多く見られ、これを真に受けた視聴者《《スペースオペラリスナー》》から、俺達が叩かれているようなのだ。

 さらに、『これだけスペースオペラに事件が偏るのはおかしい!!裏で何か取引している筈だ!!』『そもそも、どの問題にも奈落の野郎が関係している時点で、怪しいだろ!!』『もしや、自分の人気の為に問題を起こしているかも?』みたいな、明らかに俺を狙った書き込みが多かった為、俺炎上。


 「いや、本当に、何で俺炎上してるんですかね?城東さんと腹一さんも、配信を荒らされてはいるけど、炎上はしてないのになぁ。」



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