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嫌な夢<緑の病、鈍色の虫>

作者: K・ゲミニ

前回と同じ夢の話。

なんでこんな変な夢を見るのだろう?

涼やかな風鈴の音に目を覚ました私が見たのは奇妙な光景だった。

床よりも一段高い場所に敷かれた畳の上に横たわって外を見ていた。

廊下のようなものが見え、そこを自転車が走っていく。

自転車は曲がり角を曲がってスロープを降りている。

何かが妙だと感じた瞬間、私の視界はそこを俯瞰するような場所に変わっていた。

これは夢だ。

そう考えて、私は目を瞑って再びまどろみに身を任せた。


もう一度目を覚ますと慣れたベッドの上、いつもどおりに起きてダイニングに向かう。

弟がダイニングテーブルでパソコンを弄ってる。

いつものことながら声をかけることもなく、私は自分の席に向かう…

「いっつぅ!」

弟が妙な声を上げたので目を向けると近くになにか飛んでいるのが見えた。

反射的に近くの箒ではたき落として何度も叩く。

それが動かなくなったのを確認して見ると、虫であることがわかった。

しかし、見たことのない鈍色をした虫だった。

気味が悪いのでチリトリで拾ってトイレに流した。

弟は首のあたりを刺されたので私が確認をする。

少し赤くなっているのを確認し、スマホで撮影する。

弟も問題ないと思ったのか摩りながらパソコンを弄り続けた。

…その日は何事もなく終わった。


翌日、両親は仕事に出ており家には私と弟だけ。

いつもどおりダイニングに行くと弟が首を押さえて呻いていた。

驚いて近づくと、先日虫に刺された場所に緑色のぶつぶつができていた。

スマホで撮影して見せようとすると、弟はいきなり立ち上がりトイレに駆け込んだ。

ゲーゲーと吐く音が聞こえる。

冷蔵庫から水のペットボトルを持ってトイレに向かう。

そこでもう一度私は驚いた。

弟が吐き出す液体は緑色をしていた。

これはなんだかヤバい。

本能的にそう感じて救急車を呼んだ。

十分もしないうちに救急隊が弟を救急車へ乗せたので私も同乗した。

病院の駐車場に付くと異常な光景が見えた。

地面には弟が履いたものと同じような液体が散らばり、何人もの人が居た。

一体何事かと思った。

「もう駄目かもしれません」

救急隊が発した言葉に顔を上げて見る。

なぜそんな事を言うのか理解できなかった。

「私達も感染したみたいです」

続けて出た言葉に混乱していると私は急に咳き込んでしまった。

覆いに使った手を見るとそこには緑色の液体が付いていた。

そうか私も駄目なのか…


そう感じた瞬間、私は本当に目を覚ました。

明晰夢、とでも言うのか?

なぜここまではっきりと憶えているのだろう…

不思議だ…

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