天才少女との約束
お久しぶりです。笹原です。
今回で、天才少女編は終了となります。次回からまた違うヒロイン編となります。
つきましては、ここまで読んでいただいてありがとうございます。
引き続き誤字脱字、文章がへたくそ、日本語がおかしい。などあると思いますが、ご了承のほうお願い致します。
なんで日が明けるのがこんなに早いんですか。
なんなら、ずっと○○○でいいのに…こういう時に限って早いんですよね…
ちゅんちゅん…
小鳥たちの合唱が始まっていた。
昨日寝れてないし、いつまで睡眠不足続けばいいんだ…
…まあ、昨日に関しては自分が悪いんですけどね…
目が覚めてしまったので、柄にもなく参考書を読むことにした。
ふむふむ。ちっともわからん。
「にいちゃーん、朝だよ…」
「おう、夢。おはよう」
なにか物珍しそうにこちらを見ている。なんだその目は。
「な、なにしてるの…?」
「なにって、優雅に朝から読書をだな…」
「おかーさーん!!!!!兄ちゃんがおかしくなってる!!!!!」
俺を何だと思ってるんだ、うちの妹は。
夢は怯えながら家を出ていった。なんでだろうな。
さて、俺も家を出るか。
「いってきまーす」
さて、とりあえず眠い。
とぼとぼ歩いていると、昨日のことがフラッシュバックする。
「俺、先輩のことが…」
あー!!!!!やめてぇ!!!恥ずかしい!!!
何てことしてしまったんだろう。もう学校行かないでどっかでサボろうかな。
「あ、クマ!おはよ!」
何てことしてるうちに春が来た。タイミング悪い。
「なにしてるの?そっちは学校じゃないよ?」
「お、おう。そうだよな。間違えちゃった☆」
「へ、変なの」
「ときどき間違えるんだよなぁ。HAHAHAHAHAHA」
「う、うん」
明らかにおかしいのを見て、さすがの春も警戒している。
「あ、わかったー。昨日なんかあったでしょ。例えば、先輩に変なこと言ったとか」
(ギク)
「へ?」
こんな時だけ感鋭いんだからこの人!
「なわけないじゃないの。おれだよ?この熊野大だよ!?そんなバカなことするはずないじゃないの!!!」
「…………怪しい」
「うっ…」
「ねえ、なにしたの?」」
「うっ」
やめて、それ以上聞かないで。
「そうだ、昨日新しいスイーツを見つけたんだよねぇ…」
一か八か俺はこいつがバカなことに賭けてみた。
「いやあ、春がさ、昨日食べてて、おいしそうだなって思ってさ。どこで売ってるんだろうなって思って。昨日から悩んでたんだ~」
「…」
どうだ!こい!くるんだ!!!
「どんなやつ?」
「へ?」
「スイーツ!後で一緒に探そうよ!なんだ、そんなことで悩んでたんだ!」
…この子の騙されっぷりには将来不安だよ…
「…うん、探そうな…」
「なんで涙目なの!?そんなに思い詰めてたの!?」
「ううん、なんでもないよ…」
その後、清水が来て三人で登校したのであった。
「おすー」
「お、おはよ!クマ!」
「朝から毎日元気だなぁ。ご苦労さん」
「はは、朝からだるそうに。いつも通りだね」
高野こと大臣だ。今日も笑顔がまぶしい。
「なんか眠そうだね、また寝れてないの?」
「まあ、いろいろあってね…」
「大変だね、話す気になったら話してよ」
大臣はいいやつだ。これだからこいつとは友達やめられない。
「ああ、ありがとな」
「あ、なら宿題見してよ、まだ終わってなくてさ」
「まあ、そんなとこだろうと思ったけど」
「「ははははっ」」
二人で笑った。親友とはこういうことを言うんだろう。
今日は体育がある。忘れていた。
寝不足で午前中は大変だったが、大丈夫だろうか。
何回意識失いかけたか…
やっとこさ、昼休みだ。
「だいじーん、食べようぜー」
「あー、ごめん。これからミーティングで、行かなきゃ」
「そうか、行ってら」
うん。と言って、教室を出ていった。
さあ、昼めし食って仮眠でも取るか。
「熊野くん、いるかな?」
昨日と同じ感じで入ってきた。
「あー、はいはい」
「昨日から何回もごめんね。貴重な昼休みの時間に」
「いえいえ、会長さんですよね?」
「うん、そうだね」
二日連続で、生徒会室に向かった。
もう慣れたものだ。さすがにこれだけ来てれば、緊張もない。
ガラッ
「会長、連れてきました」
「おう、ご苦労さん。入ってくれ」
「あ、はい」
そういわれたので、教室に入る。
「それじゃあ、これで」
副会長か書記か会計か何かの人が教室を後にした。
「やあ、昨日ぶりだな。クマ」
「そうですね。さすがにこうも連続でとなるともう第二のホームみたいな感じですよ」
「はは、すまんな。何回も」
そこに座ってくれと、八幡海先輩に言われたので座ることにした。
「まあ、昨日はありがとうな」
「あー…はい」
「?なんだ?」
不思議そうにこちらを見る。
「あ、いえ、何でもないんですけど」
「ふふ、そうか。筑波に関してだが、今日、学校に来た。」
「え、そうなんですか」
「ああ、なんかうれしそうにしていたな」
「へえ、そうなんですか」
あれ?昨日あれだけ臭いこと言ったのに嬉しそう?なんでだ?
話聞いてあげたからかな?
「なんだか、いいことあったのかもな」
「はあ…」
心当たりがなさ過ぎて怖いです。
「なんか言ってくれたんだろう?先輩のことを好きだとか、知りたいだとか」
そういって、海先輩はニヤニヤし始める。
「え…なぜそれを…」
「ふふ、内緒だな」
またニヤニヤする。
えまってよ、どういうこと。誰かいたのか…!内通者が…!もろとも消さなければ…
「そそそそそそそそ、そんなこといいいいいいってないですけどね」
思わず噛んでしまう。というか震えが止まらない。
「ふふふ、そうか。何かあったらすぐ駆けつけるんじゃないのか?」
「もうやめてええええええ!!!!!!!」
何分間かの拷問を受けた。
「まあ、そんなにならなくても」
「もうお婿に行けない…」
すべてが終わった気分。これが世紀末…
「はは、誰にも言わないよ。俺がお願いしたんだからな、彼女を助けろと」
「…」
先輩はそんなこと言ったけど、ほとんどは俺の私欲だ。
俺は琴音先輩のことを助けたかった。その気持ちに嘘はない。
「まあ、ありがとうな。たすかったよ」
「いえ、俺はしたかったことをしたまでです」
「そうか、お前は本当に頼りになるよ。でもあまり無理はしないでくれ。また何かあったときには遅いからな」
「…わかってますよ。もうあんな無茶はしません」
過去に俺が犯した過ちは、もう取り返せない。が、またこうして、ひとりが救われた。
「それじゃあ、俺はこれで」
「ああ、おつかれ」
そういって俺は生徒会室を後にした。
時計を見ると、昼休みはあと五分しかない。
「昼飯食べてない…」
次体育なのに。まあ、あまり無理しなきゃ大丈夫か。
「今日の体育はマラソンをするぞ!」
ええ、うそだー。だるいよー。長距離苦手なんだよなあ。
今日の体育はマラソンらしい。
…終わった。ありがとう、みんな。俺はここまでみたいだ…。
……………パチ。
「……知らない天井だ…」
どこここ。来世?
「あ、やっと目覚めた」
「あれ、清水と大臣…?」
「なんだよ、覚えてないのかよ」
「倒れたんだぞお前」
どうやら、走っている最中にぶっ倒れたらしい。
「せんせー、起きましたー」
「あら、熊野くん。あまり寝不足は駄目だよ?それの貧血だね」
「やっぱそうですよね」
「あんまり無理は駄目よ?まだ若いんだから」
「すいません」
「じゃあ、俺らは戻るは」
「そうだね、じゃあね。黙って寝てろよクマ」
「わーってるよ」
そういって、清水と大臣は保健室からいなくなった。
「ちょうど私も、これから用事があって、出なきゃないのよ」
「そうなんですか」
「自由に使っていいから、鍵だけ閉めて返して頂戴ね」
「はーい」
そういって先生も出ていった。
…暇だ。どうしようかな。
眠いには眠い。だが、そこまでの眠気ではない。
まあ、寝るしかないか。
布団をかぶり、寝る体勢になる。
ああ、気持ちいい。久しぶりにゆっくり寝れる。
いまだけは何も考えないで寝ることだけに集中しよう。
どれくらい時間がたったのだろうか。
目が覚めて、時計を見る。
時刻は三時半を指していた。
…え、二時間も寝てたの。やばあ…
さーてと、寝て元気にもなったし。帰る準備でもして…
ん?なんかとなりに誰かいるな…
隙間からちらっと見る。
破壊力抜群の寝顔、とてつもなく訪れる幸福感。
琴美先輩がそこにはいた。
…………なんで!?
なんでこの人ここにいるの!?いつから!?気づかなかった!?
待ってよ、おかしいって!?イビキとかかいてないよな!?
そういえば、誰かがここを通ったような気がする。でもそんなの気づかない。
…寝顔やっば。
そこには天使がいた。
ちょっとくらい見てもいいよね…?
(何をやってんだお前は!!!)
誰だお前!!!
(お前の中の善のクマだ!やっていいことと悪いことがあるぞ!しかもお前は昨日の時点でもうOUTなんだよ!)
うるせえ、そんなのわかってんだよ。
(やっちまえ、お前は悪くない。不可抗力だ)
お、お前は…?
(悪クマさ、少しくらい見たっていいだろう?思春期の男だ。なにも悪かねえ。やっちまいな!!!)
(うるさいぞ!お前には悪気っていうのがないのか!)
(うるさい!ここで寝てるなが悪いんだ!!!)
なんか喧嘩始まったぞ。やめてくれよもう。
「クマくん…?」
((「あっ」))
琴美先輩は起きてしまった。
(さ、さよなら!)(お、俺もここまでだな!!)
てめーら、逃げやがって。許さないからな。
「あ、えっと、お、おはようございます」
「?今はもう夕方だよ?」
「まあ、そうなんですけど…」
違うそうじゃない。
「クスっ。わかってるよ。おはよう」
この人ほんと策士なのか天然なのかわからん。
「あ、それじゃあ、俺はこれで」
「あ、まって」
ぎゅっと俺の腕をつかんだ。
ひいいいいい。やめてえええ。
「な、な、なんですか」
「…倒れったって聞いて、心配で」
「…!」
どこからそれを…
「清水くん?と高野くんから聞いて」
あいつら、余計なことしやがって。
「面識あるんですか?」
「ふふ、それなりにはね」
「あー、そうなんです」
「ヤキモチ焼いてる?」
「えっ…」
「だって、すごくいやそうな顔してるよ」
先輩はクスッと笑う。
「ヤキモチだなんて。付き合ってもないんですから」
付き合えるはずがないんですよ。考えてくださいよもう。
「そうかな…?」
「え?いまなんて?」
「ううん、なんでもないよ」
すこし顔が赤いのは気のせいかな?まあ気のせいでしょ。
「俺帰りますけど、先輩は?」
「あ、なら一緒に帰ろうよ。昨日のお礼もしたいし」
そう言って、教室を出た。
何を話せばいいか。迷っている。
昨日あんなこと言ったからフラッシュバックがすごい。
恥ずかしい。
「クマくんはあの二人どう思ってるの?」
「え?」
「清水くんと、高野くんのこと」
「ああ、清水は中学から一緒で、俺にいろいろ教えてくれたんですよ。アニメだ、ゲームだ、マンガだとか。おかげで、いま退屈しなくて済んでますよ」
「ふーん、いいね」
「はい。大臣…高野は、セカセカが好きで。入学式の日に話しかけてくれたんですよ。バスケのこととかも教えてくれたり。勉強とかできないですけど、熱い奴なんですよ。めっちゃいいやつです」
「いい関係なんだね」
「まあ、はい。いい友達を持ちました」
ふと気になることがあった。
「先輩はこれからどうするんですか?」
「うん?」
「学校のこともですけど、部活のこと」
「ああ、やめようかなって思って」
「え…」
「やっぱそうなるよね。でもやめたほうがあっちもだし私も楽になれるのかなって思って」
そいうと先輩は少し寂しそうな顔をした。
「でも、バスケは続けていくつもり!市民団体でやってるところとかあるんだよね」
チラシを見せてくれた。
「ここならだれにも邪魔されないでゆっくりできるかなって思って」
「先輩がそれでいいなら、俺は文句言いません」
「ふふ、ありがとう」
若干、部活をやめるのは賛成できない。でも、先輩が自分で選んだ。初めてこうして選択をした。だから、俺は反対しない。だって、先輩の顔が生き生きしている。
「心機一転、今週の土日から参加してくるよ!」
「そうですか、楽しそうですね」
こんなにもキラキラしている。
「うん!楽しみ!…見に来てくれる?」
「え?」
「練習、あと、そのうち大会とかあるかもしれないし!良かったらって思って…」
ちょっと照れくさそうに先輩は言った。
「もちろんですよ。来てって言われたらぜひ」
「ほんと~!」
そういうと、少し走っていった。
おいおいって思いながら追いかけようとするが、すぐに止まって、振り返りながらこういった。
「うれしい」
「…先輩。」
「うん?」
「好きです。初めて会った時からひとめぼれでした」
言ってしまった。とうとう言ってしまった。
でも、こんなことされたらたまったもんじゃない。今しかないと思った。
先輩は少し驚いて、上を見たり下を見たり。何か考えている。
そうしたら
「私も、クマくんにひとめぼれしちゃった。」
人生の絶頂があるとしたら今じゃないかと思う。
世界中に泣いている人、悲しんでいる人、ひもじい人がいたら、幸せを分けてあげたい
それくらい、今この時間が幸せだった。
その日もまた寝れなかった。
でも今回寝れなかったのは、なにか悩んでるわけでもなく、保健室で昼寝をしたからでもなく、恥ずかしいことを言ったからでもなく。うれしくて眠れなかった。幸せすぎて寝れなかった。
ピピピピピピピピピピ
「兄ちゃん!朝だよ!」
「おう!夢!おはよう!今日もいい朝だな!!!」
「え、あ、う、うん」
「さあ、朝ご飯を食べようではないか!!!優雅にな!HAHAHAHAHA!!!」
「兄ちゃん、きもいよ…」
泣いた。
その日から、俺の人生はバラ色になる…はずなのだが。
「昨日、鍵閉めたら職員室に返してって言ったよね?」
「…はい」
「なんで開けっ放しにしてたのかな?」
「…すいませんでした」
「まあ、今回はいいけど、次から気をつけてね」
「…はい」
朝から叱られる。ちっとも良くない。
おまけに今日は日直で忙しい。早く帰ってアニメみたいのに。
「あ、クマくん。おはよう」
「おはようございます…」
「朝から死んだ顔してるねどうしたの」
「ほぼほぼ、あなたのせいですけどね…」
「?私何かした?」
「大丈夫です…」
じゃあねと言って琴美先輩はいなくなった。
昨日告白したのはいいんだが、返事が返ってきてない。
「好きだけど、付き合うのはまだ待って!」
「…なんすかそれ…」
え、やだドッキリ?泣いちゃう。
「まだ…心の整理したいから…」
「ああ、そういうことですね。わかりましたよ。いつでも待ってます」
「ありがとね」
なんてことがあの後あった。
くう、ちょっとカッコつけちゃったけど、いざとなるとうーんな感じだ。
「あ、クマくん!」
さっき行ったはずの先輩が戻ってきていた。
なんだろう…忘れ物?
「好きだよクマくん」
「へ…」
「これから会うたびに言ってくから!気持ちに嘘はないからね!約束ね!」
そういって走っていった。
……………なにそれかわいいかよ。
俺ももちろん好きだよ…先輩。
こうしてひとめぼれだった俺の恋は、付き合ってはいないものの、両想いに変わったのである。
そしてこの約束はいつまで続くのだろうか…。
其の四 終
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
前回の後書き、前書きにも書きましたが、今回で天才少女編(琴美編)は終わりになります。
次回からはほかのヒロインが主役になります。とはいったものの、琴美は普通に出てきます。
それとタイトル変えると思います。「ひとめぼれ」は終わってしまいますが、シリーズは続いていきます。次回以降のタイトル決まったら、Twitterのほうで報告させていただきます。お待ちください。
あえて内容にはあまり触れません。でもきゅんとはすると思います。たぶん笑
最後に、ここまで読んでくださった読者の皆様、感想等書いて下さった皆様、ブックマーク等登録してくださってる皆様。ありがとうございます。とても励みになってます。皆様のおかげで、モチベーションが上がっています。感謝いたします。
それでは次の新シリーズでお会い致しましょう。さようなら!