省エネクマの恋愛模様
初めまして、笹原と言います。
見ずらいかもしれません、ご了承下さい。
また、日本語がおかしい箇所があると思います。大目に見てください。
それでは、どうぞご覧になってください。宜しくお願いします。
一目惚れだった。
一目惚れってなんだろう。いままでなんとも思ってなかった感情がこれなんだろうとはっきりした。
「えっと、きみ入部希望?」
「あっ、えっと…ただ通りかかっただけっす!」
なんでこんなに焦ってんだよ俺。
「ふーん、残念。がっかりだな~」
えぇ、そんなこと言われてもなんて思ってしまった。
それと同時にこんな美人と話してるってことは今日が俺の命日なんだ!今日で死ぬのか俺!自問自答が始まった。
「ところで…きみ名前は?」
「俺の命日は今日か…(ブツブツ)」
「おーい」
「ふぁ!?」
距離が近い!死んじゃう!!
「名前」
「あ…俺の名前は熊野です。みんなにクマって呼ばれてます」
「ふーん、確かに大きいもんね!」
なんかうれしい。
「せ、先輩の名前は?」
「ん?あたしの名前は…」
四月六日、今日は待ちに待った入学式だ。
…まあ、待ってないけど…なんならずっと春休みならいいのに…
ピピピピピピピピピピ…
目覚ましがうるさい…引きニートにはつらい…
「おら!起きろ!」
「きゃああああああ!!!!」
「え………兄ちゃん引くわ…」
これこれ妹さんよ、朝からそんなこと言わんといてよ
「兄ちゃんにそんなこと言わないで、泣いちゃうぉ」
「うるさいなぁ、ゆめだって忙しいんだからね。生徒会で忙しいんだから」
「ほいほい」
「ほんとにもう、しっかりしてよね」
「ほいほい」
「ちゃんと返事しろ」
「はい…」
妹の夢。見てのとおり怖い。逆らえません。
「じゃあ、ゆめ学校行かなきゃだから。じゃーね」
「はーい、気をつけてな」
さて、起きるとするか。
朝食を済ませ、身だしなみを整え、支度をし、家を出た。
学校は歩いていける距離なのだが、めんどくさいときはバスで行っている。文明の利器には勝てん。
「クマー!」
聞きなれた声がする。
「はぁ、おはようございます。はるさん」
「なんで敬語!?さん付け!?」
朝からツッコミ、ご苦労様です。
「おは、はる」
「あ、うん。おはよう」
藤白春。幼なじみだ。昔からこうして一緒に登校している。もうかれこれ何年かたっている。
「昨日のクイズ番組見た?うちわかった問題あったんだよね~」
「嘘だろ…お前に解けるのか…」
「バカにしてる!?」
こんなたわいもない会話をしている。実にくだらない。が、心地いい。
「でさ~、この動画がね~」
「…お前が幼なじみで良かったわ。」
「えっ?」
「はるはいいやつだよなぁ」
「…そう?」
「うん。そう思う」
「ふふっ、ありがとね」
「これからも友達としていてくれな」
「………はぁ、いいよ」
何いまのため息。なんかおかしなこと言いましたか僕。
「おーい、クマー、藤白さーん」
聞き覚えのある声だ。清水だ。
「お二人さん、おは!」
「おはよ、朝から元気だなお前」
「そらそーよ、見てこれ!当たったんだよね!」
「………なん…だと…」
友情が今ぶっ壊れた。いや、こいつはもう友達じゃない。屑だ。
「いやーたまたま10連で出たんだよね~」
「コロス」
「なんの話ぃ?」
「はる、お前は入ってくるな。これは男同士の闘いだ」
「ふうーん、じゃあ先行ってるね」
ぱたぱたと走り去っていく。さあ、この屑をどう処理しようか。煮るなり焼くなりするか?
「まぁ、落ち着けよ。まだ期間はあるからさ!」
「しゃらあああああああああああ」
「お前ら…何があったんだよ…」
同じ中学だった先輩の八幡海先輩だ。どうやら入学性の受付をしているらしい。
「「仁義なき戦いです」」
「はぁ…入学初日からそんなボロボロだったら目立つだろ…」
そりゃそうだ。ふたりともボロッボロだ。
「まあいいや、クラス分けは見たのか?」
「「こいつとは違うクラスでした。やったぜ!!!」」
「…まあいい、はやく教室に行きな。もうそろそろ先生たちがくるぞ」
「「はい」」
「じゃあな、くそ野郎」
「じゃあな、くず野郎」
「「なにいいいいいいい!?」」
「うるさい!早く行け!」
「「はぁーい…」」
海先輩にも怒られちゃった。はあ、ついてない。
清水と睨み合いながら、お互いの教室に入った。
俺はC組。清水はA組だ。
教室に入るとにぎわっていた。とてもうるさい。
えっと…俺の席はっと。ここか。けっこう後ろの席。やったぜ。今日一ついてる。
なんとなく周りを見渡すと、はるがいた。同じクラスなのか。
さーてと、ゲームのログインでもするか。今日のログインボーナスはーっと…
「きみ、セカセカすきなの!?」
「わあああああああ!?
教室中に鳴り響く俺の悲鳴。一瞬で静かになる。
声のしたほうを見ると、そっちも驚いていた。
いや、俺のほう驚いてるからね!?
「あ…あぁごめん、驚かせちゃった?」
そりゃそうだよ!もう!びっくりした!!!
「お…あ…うん…」
一瞬シーンとなったが、にぎわいはすぐ元に戻る。
「あはは、ごめんごめん」
「びっくりしたぁ、心臓弱いからやめてぇ…」
「え、うそ。大丈夫?」
「うそだから大丈夫よ」
「あはは、なんだよ!きみおもしろいね!」
軽いジョークで面白いって言われるとなんかうれしい。」
「あ。ところで、セカセカ好きなの?」
セカセカとは、最近人気になってきたバンドのことである。正式名所「セカンドセカイ」
「めっちゃ好き。なんならインディーズ時代から好き」
「マジで!?俺もそこから好きなんだよね!」
まじか。いままで好きな人は見てきたけど、インディーズの時から好きとは初めて見た。
「すげぇ、めっちゃうれしい」
俺もうれしいです。
「ちなみに好きな曲は?」
「風林火山」
こりゃ、まいった。ガチの人だ。
そこから話すこと20分。
「めっちゃ話し合うね!」
「ほんとそれ、やばすぎ」
「ねえ、ともだちなろうよ!」
「え、俺でよければ」
「うん!なろう!僕の名前は高野!」
「たかの…タカノ…こうの…君のあだ名決まったわ」
「なに!おしえて!」
とてもわくわくしている。餌あげるときのワンちゃんみたい。しっぽが見える。
「………大臣…!」
無事、入学式も終わり、教室に帰ってきた。
「ねえ熊野くん、このあと部活見学に行きたいんだけど一緒に行こうよ」
「クマでいいよ、俺も大臣って呼んでるし」
「じゃあ、クマ!部活見学行こう!」
部活見学。俺には遠い存在の言葉だ。
「大臣。俺が部活やると思うか?」
「背大きいし、運動神経もよさそうだし、やらないの?」
人は見た目が大事というが、俺はそんな風に見えていたのか…
「俺にはやらねばならない闘いがあるのだ。そう、FPS、MMO、RPGその他諸々のゲームたちが待っている!アニメも待っている!マンガもね!」
「おっけー、暇ってことなら行こうね。」
「………話聞いてた?」
「それと…」
「うん?
「大臣はちょっとネーミングセンスがね…」
否定された。泣きそうだ。
半ば強引に部活見学に参加させられた。
大臣は、中学からバスケをやっていたらしく、バスケ部に行きたいのだと。
○○のバスケの異次元バスケしか知らない俺にはとても新鮮な空間だった。
「へえ、君も入部希望かい?
「背も大きいし、入ってくれたら助かるなぁ」
「センターとかどうだい!」
「あっ、すいません。ただの付き添いなんです…」
…前言撤回。早く帰りたい。
大臣はキラキラと目を輝かせて練習を見ている。
彼の邪魔は悪いと思い、少し離れた場所から見ることに。
迫力がすごく、とても機敏に動いていて、とてもじゃないけど俺には向いてないなと再確認した。
ふと、反対側のコートを見てみると、女子バスケ部が練習をしていた。
男子バスケはなんとなくだが知ってはいたが、女子バスケを見るのは初めてだ。
ふーん、となりながら見ていると、とてもきれいな人を見つけた。
めっちゃきれいな人だななんて思っていると、まわりもその人を見ていた。
「筑波先輩、めっちゃきれいだよな!(ボソ)」
「ほんとそれな、スタイルもいいし(ボソ)」
「おまけに成績も優秀!高嶺の花だよなぁ(ボソ)」
「しかもエース!すごいよな!!!(ボソ)」
へえ、筑波っていうのか。まあ、俺には関係ないよな。
「大臣、俺帰るわ。」
「…おっと、帰る?なら僕も!」
帰り道にバスケの話を聞いた。
「すごかったよね!早速明日から朝練参加できるようにしてもらったよ!」
「あ、そうなんだ。けがすんなよ。」
「うんもちろん!明日の朝練見に来てよ!」
「暇だったらなぁ」
「それじゃ、僕こっちだから!また明日!」
「そんじゃね、また明日。
とてつもなく疲れた。まだやることたくさんあるのに。主にゲームだけど…
でもいい友達を持った。どっかの清水とは大違いだ。
「ただいまー」
「あ、兄ちゃんおかえり!友達できなくて泣いてない?」
「いい友達できたよ」
「………お兄ちゃんに…?」
妹よ…それは泣くよ。
次の日、大臣が見に来てとしつこいから来てやった。でも道に迷ってしまった。
「どこここ…」
確かに、こっちのほうからボールの音は聞こえるんだが…
しばらく歩いていた。すると、キュッキュッと音が聞こえる。
なんだここか。と思い覗いてみた。
そこには昨日女子バスケのエース?の人がいた。
名前なんだっけ、つく…ちくご…?
先輩は朝練をしていた。ドリブルしてからのジャンプシュート。昨日教えてもらったレイアップもしていた。
ひとりなのかな…?と思いながらあたりを見渡す。ほかに人はいないようだ。
相変わらずきれいだよな…と思いながら、その場から去ろうとしたが、せっかくなので見ていくことにした。
だんだん見ていくうちに、先輩に魅了されているのか、プレーに感情移入してしまった。
シュートを外した時、思わず「あっ」と言ってしまった。
先輩はこっちのほうを見た。
その瞬間、なにかが落ちたような感覚になった。一人で頑張っている姿を見て、俺は「一目惚れ」してしまったのだ。
「私の名前?私は筑波琴美、2年C組18番!」
「いや、そこまで言わなくてもいいですよ…」
「あらそう?」
あれ、この人なんか抜けてるな?さては。
「筑波せんぱ…」
「琴音でいいよ、クマくん。ふふッ」
あああああああああもうううううううううう。
おおきく唾を飲み込んで
「じゃ、じゃあ、琴音先輩」
「うん、しっくりくる!」
破壊力半端ないって。あいつ半端ないって。
「琴音先輩は一人で朝練を?」
「そーだよ。みんなあんまりやる気ないんだって。笑っちゃうよね」
「そ、そうなんですね…」
やば、地雷だったのかもしれねえ。
「で、でもめっちゃうまいっすね!すごかったっす!」
すると、琴音はにやっとした。
「やっぱり?うまかった?えへへ~」
なんだこの人、かわいいかよ。
この気持ちを押し殺して、なんとか平静を保っていた。
「それよりクマくんはほんとにバスケ部はいらないの?背高いのに」
「いやあ、背高いだけですし…」
「だってこんなに高いんだよ?」
そういって琴音は近づいてきて、背を比べ始めた。
「ほら、わたしよりこんなにでっかいよ?」
もおおおおおおおおおおお、このひとはほんとにいいいいいいいいいい。
「せ、先輩、そろそろ授業が始まりますよ…」
「あっ、ほんとだ~。それじゃ~ね。クマくん」
「は、はい…
…この人といたらものすごく疲れそうだ。現に数分だけだけど疲労感が半端じゃない。
教室に戻ると、大臣がいた。
「あ!クマー。朝練見に来なかったじゃん!頑張ったのに!」
「すまん、間に合わなかった。申し訳ない…」
「なんでそんなに疲れてんの…?」
「いろいろありすぎて話すのもつかれる…」
「お、おう」
疲労感に見舞われながらも、これだけはしっかりと聞かなければ。
「なあ、大臣」
「ん?なに?」
「バスケのルール教えてくれない?」
其の一 終
最後まで読んでいただきありがとうございます。
今回「ひとめぼれ。」という作品を作るにあたって、こうしていきたいなというぼんやりとしたものが高校時代からあって、それが今念願叶って書くことができました。高校を卒業してから、高校時代に未練はあまりありませんが、こうした青春を送れていなかったので、こんな青春送りたかったなと思い書かせていただいたのもあります笑
まだまだ続いていきたいなと思います。また最後に、3年間の高校時代を書くか、1年間の高校時代を書くか迷っております。ご意見をいただけたらなと思います。それではまた宜しくお願いします。