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前編

 なんだか質素ッスねえ。


 でも、中小企業の社長室なんてこんなもんッスかね。


 杉本は殺人現場をキョロキョロと見回しながらそんなことを考えていた。


 被害者は、建設会社「ハラコミヤ組」の社長、原小宮英真、五十三歳。


 死亡推定時刻は、本日十一月七日の十八時半頃。


 死因は、後頭部を複数回殴打されたことによる脳挫傷。


 遺体のそば――部屋の出入り口扉付近に転がっていたガラス製の灰皿には血痕が付着している。


 これが凶器として用いられたことは明らかだった。


 「じゃあ、このナイフは何なんスかねえ……」


 ナイフは、灰皿と反対方向――部屋の窓側に捨てられていた。


 いわゆるサバイバルナイフとかアウトドアナイフと呼ばれるもので、刃渡りは十センチに満たない。


 包丁などと比べると威圧感は薄いが、それでも殺傷能力は充分だ。


 ナイフには血痕どころか目立った傷や汚れもなく、新品同様に見えた。


 「少し調べてみたのですが、有名なナイフメーカーの製品で、ネット通販でも購入できるモデルでした。

 指紋も検出されませんでしたし、残念ながらこのナイフから追っていくのは難しいかと……」


 「そういうことはこっちで判断するさ」


 「はっ、失礼いたしました」


 所轄の刑事が改まった様子で謝罪すると、尾藤は後頭部をがりがりと掻いた。


 やれやれ、杉本のせいでこういう堅苦しいのはどうにも調子が狂ってしまう。


 「ナイフが落ちていた位置から察するに捨てたというよりは被害者と揉み合いになってはたき落とされたってところか」


 「マヌケけな犯人ッスね。


 結局ナイフは使われずじまいッスか」


 「いえ、それが被害者のジャケットの左胸あたりに刃物で裂かれたような穴が空いていまして、おそらくそのナイフによるものかと」


 「その穴というのはどこまで貫通していたんだ?」


 「えーと、ジャケットの内ポケットまでです」


 「内ポケットの中には何が入っていた?」


 「この財布だけです」


 刑事は、ビニール袋に入った革製の長財布を尾藤に渡した。


 「聞いたこともないブランドッス。


 うーん、なんか安っぽいッスね」


 財布は黒色なのであまり目立たないが、ところどころに色ムラや細かい傷がついていた。


 そのせいかナイフが刺さったようなはっきりとした痕跡は見つけられなかった。


 「札は全部抜かれていました。


 カードには手をつけていませんでしたが」


 「物取りの犯行ってことッスか?」

 

 「しかし、室内の金庫には手を付けた様子はありません」


 社長室の隅にダイヤル式の小さな金庫が鎮座しており、これの中身は無事が確認されている。


 「被害者は何度も殴打されてる。


 犯人に殺意があったとしか思えん。


 殺しが本来の目的だったかどうかは定かじゃないが、被害者に面が割れていた可能性は高いな。


 物取りの線は薄いだろう」


 そう結論づけると、尾藤は再びナイフに立ち返った。


 いずれにしてもこいつは鑑識で更に詳しく調べてもらう必要がありそうだ。


 ナイフが落ちていた先――室内の滑り出し窓が開きっぱなしになっている。


 犯人は犯行後にここから飛び降りて逃げたらしい。


 杉本がその窓から身を乗り出して下をのぞきこむ。


 「二階だからそんなに高く感じないッスけど、飛び降りるってなったらどうなんスかね?」


 「やってみろよ」


 「いやッスよ。


 死んじゃうッス!」


 ハラコミヤ組は五階建ての賃貸ビルの一階と二階部分を借りており、一階は従業員の事務所、二階は社長室の他、応接室や倉庫として利用している。


 二階の高さは目算で三メートル半から四メートルといったところだろう。


 窓の縁に掴まって降りれば問題なさそうだが、下はコンクリートなので犯人が足を負傷している可能性はある。


 そして、床のタイルカーペットにはタバコの灰が散らばっていた。


 灰は広範囲に撒き散らされている。


 おそらく灰皿を投げたか何かしたのだろう。


 犯行時の現場の状況が何となく掴めてきたところで、尾藤らは遺体の第一発見者からは話を訊くことにした。





 「いやあ、自分はあ、そんときい、帰りがけにい、倉庫に書類をお、持っていったんすよお」


 第一発見者は五十鈴光。


 ハラコミヤ組の社員で今年で入社三年目だという。


 サラリーマンというよりはホストのような髪型で、喋り方は杉本を彷彿とさせる。


 最近の若いやつは皆こんな風なのかと尾藤は頭がくらくらしてきたが、歳を訊けば今年で三十四ということで若者の範疇なのか微妙な年齢だった。


 「倉庫で書類を整理してたらあ、なんか社長室からでけえ声が聞こえてえ、その後に床に物を落としたようなゴンって音がしてえ、急に静かになったみたいな」


 「その大きな声というのは、なんて言っていたのかわかりましたか?」


 「なんかあ、あっ! とかぎゃっ! とかそんな感じのお、短い悲鳴、みたいな?」


 尾藤は頷いて、先をうながした。


 「でまあ、そんなんされたらあ、こっちは気になりますよねえ? 


 社長室のドアをコンコンっつってノックしてえ、『いーっす、社長お、なんかありましたあ?』って訊いたんすよ。


 したら、まあ、なんか物音は聞こえたんすけどお、しばらく待っても反応がなくてえ。

 なんかこれやべえんじゃねえかって思ったんすけどお、自分意外と度胸あんでえ、『入りますよお、しゃーす』って言いながらドア開けたらあ、誰かが倒れててえ、まあ、それが社長だった、みたいな」


 「悲鳴を聞いた後、どのくらい経ってから部屋のドアをノックしたんですか?」


 「体感っすけどお、二、三分後っすかねえ」


 「ドアを開けたとき、犯人らしき人は全く見なかった?」


 「まあ、はい、開けたときにはあ、もう誰もいやせんした」


 五十鈴は少しばつが悪そうだった。

 

 「それからは?」


 「社長が倒れてるの見てえ、うわって叫んじゃってえ、したら、下の事務所から先パイたちが来てえ、やべえってなってえ、ケーサツ呼べってなったんすよ」


 警察が来るまでの間、社長室の前には五十鈴やその同僚らの他、上の階からもやじうまが来たりして、常に人がいる状況だったという。


 つまり、このとき社長室の出入り口扉から出ていくのは困難で、犯人が室内に潜んでいたとは考えづらい。


 よって犯人が社長室の窓から逃げたというのは間違いないと思われる。


 社長の財布から金を抜き取っているときにドアがノックされて慌てて飛び出したという具合だろう。


 現場にナイフが残っていたのも頷ける。


 遺体発見時、一階の事務所には五人の社員が残って働いていたが、ちょうど雑談をして盛り上がっていたところだったので、それぞれがアリバイを証明し合うかたちとなった。


 「事務所の人間じゃないってことは、犯人はビルの三階から五階までの入居者か外部の人間ってことッスか?」


 「どうだろうな。

 たまたま残っていた五人にアリバイがあるってだけで、すでに退勤した人間が犯人って可能性もあるからな」


 ビルの一階には一応監視カメラがついているのだが、一台しかないうえに取付場所も悪いため、カメラに映らずに一階から二階へ行ける死角が生まれてしまっている。


 犯人もおそらくこれに気づいていたのだろう。


 カメラの映像は確認中とのことだが、今のところ怪しい人物が映っているなどという報告は上がっていない。


 状況は把握できたが、容疑者を絞る材料は未だ見出だせない。


 時間も遅くなってきたし、一旦引き上げようかと尾藤が考えていると、向こうで杉本が残っていた社員たちに聞き込みなのか雑談なのかよくわからない質問を投げていた。


 「あのちょっとお訊きしたいんスけど、この会社って儲かってます?」


 「えっ、いえ、正直あまり儲かってないと思いますよ。


 単価の安い公共工事が主な仕事なんで」


 苦笑交じりに社員のひとりが答える。


 「亡くなった社長さんはどうッスか、羽振りの方は?」


 「社長は、まあ、悪くなかったみたいですよ」


 「そうなんスか。


 いや、社長室の中は何にもなかったし、社長さんの,持ち物も安物ばっかだったんで、苦労してたのかなと思ったんスけどね」


 すると、そばにいた別の社員はあっはっはと笑い出した。


 「うちの社長はそういう見栄にはお金をかけませんでしたよ。


 高い腕時計なんてしていませんでしたし、スーツや革靴も安物、財布はもちろん名刺も安っぽいケースに入れてました。

 

 表向きは清貧で通したかったんじゃないですかね」


 「なにか裏の顔があったということですか?」


 尾藤が割って入ると、年配の社員が立ち上がり、


 「刑事さん、時間も遅いんで、そろそろ我々を家に帰していただけませんかね? 


 事件と直接関係のないお話でしたら、また後日お答えしますから」


 と、露骨にはぐらかされてしまった。


 後日答えるといったが、それまでに口裏を合わせておく気だろう。


 ただ、この様子であれば、社長だけでなく会社単位で何かしらの不正を行っている可能性が高い。


 社員らが地蔵のように口を閉ざしたところで周辺の捜査で早々にぼろが出るはずだ。


 言われたとおり残っていた社員を全員家に帰し、尾藤と杉本も現場を後にした。





 尾藤は、署内で事件当日の被害者の行動を確認していた。


 午前中に地域の新しい担当者との顔合わせのため役所へ行った以外は社内で仕事をしていたという。


 他に誰かと会う約束もしていなかったようだ。


 事件発生から三日が経とうとしている。


 未だ容疑者の絞り込みは難航しているが、被害者の背景については明らかになりつつあった。


 「ふうむ、原小宮っていうのは相当あくどいやつだったみたいッスねえ」


 ハラコミヤ組は反社会的組織と繋がりがあった。


 工事によって出た廃棄物や残土の処理を反社の息がかかった企業に委託していたようだ。


 「ヤクザは他の会社より安い金額でそういう仕事を引き受けて、ゴミは適当なところにポイってしてたそうッス。


 いやあ、ボロい商売ッスねえ」


 もちろん違法企業と知らずに取引していたとも考えられるが、被害者の原小宮が暴力団関係者と一緒に映った写真やメールのやり取りが見つかっており、すでに言い逃れは難しい状況になっている。


 「暴力団との繋がりが明らかになった企業は、公共事業の入札から外される。


 あの年配の社員はそれを恐れていたんだろう」


 「もしかして犯人はヤクザなんじゃないッスか?」


 「一見したところ暴力団の犯行らしくはなかったが、まあ、断言はできんな」


 その取引先を調べれば、何かしら情報が得られるかもしれない。


 とりあえず足を運んでみるとしよう


 また原小宮は、既婚者であるにもかかわらず複数の女性関係があったという報告もあがっている。


 「とっかえひっかえ好き放題やってたみたいッス。


 尾藤さん、女はどうして悪いやつに惹かれるんスかね? 


 自分ら警察のように正しいことをやってる人間の方がカッコいいに決まってるッス! 


 ねえ!」


 「知るか」


 数年前には相手の女性も既婚者で夫に不倫がバレてトラブルに発展したこともにあったらしい。


 結局それは示談で解決したようなのだが、現在進行中のものがあるかもしれない。


 原小宮の女性関係はつついてみる必要がありそうだ。


 ちなみに原小宮の妻の原小宮恵はどうなのかと言えば、犯行時刻である十八時三十分頃には子供を連れて友人らと自宅付近のレストランで食事会をしていたということでアリバイが成立しており、度重なる旦那の浮気に憤った妻の凶行という線はあっさり否定された。


 「あと気になるのはコレッスかね。ハラコミヤ組で三年前に起きた横領事件」


 ハラコミヤ組の当時の経理担当者だった阿久津誠は、勤務態度は真面目そのもので仕事もできたので原小宮からの信頼も厚かったというが、一方で休日は競馬にパチンコと重度のギャンブル依存症だった。


 ギャンブルでの借金がかさみ、返済が滞りがちになってきたときに一時しのぎのつもりで会社の金に手をつけたという。


 不運なことに金の持ち出しはたまたま帳簿に目を通した原小宮によって即座に見つかってしまった。


 「横領っつっても額が五万円なんで内々で済ませることもできたと思うんスけど、部下に裏切られたっつーことで原小宮の野郎は怒り狂いまして阿久津を解雇したうえに告訴したんス。


 不起訴処分になったものの、阿久津は相当追い込まれたみたいッス。


 職と社会的信用を失い、借金のことが奥さんに知られて離婚。


 転落人生ッスね」


 「だが、三年前のことだろ? 逆恨みといっても今更な話だな」


 その後、阿久津は病院で依存症の治療を受け、現在はI区内のアパートで一人暮らしをしているそうだ。


 「タイムリーな話では、一月ほど前にハラコミヤ組の若い女の事務員がひとり退職してるッス。


 この女は原小宮の愛人のひとりだったそうッス。


 関係解消とともに会社を追い出されたって感じッスかね」


 別れた理由は女の浪費癖のせいらしいという話だが、噂の域を出ていない。


 本人に会って直接確かめた方がいいだろう。


 「原小宮の周囲についてはこんなもんスけど、現場にあったナイフの鑑識結果も届いてるッス。


 これによると、ナイフの切っ先にジャケットの布の繊維の他にプラスチックの破片が付着していたそうッス」


 「プラスチックの破片か……」


 尾藤の眉間に力が入る。


 一瞬何かが脳裏を通り過ぎて、消え去った。





 エビサワ産業は、広い通りに面したペールブラウンの建物で、一階がガレージで事務所は二階にあるようだ。


 建物の外にスタンド式の灰皿があり、男がひとり携帯電話をいじりながら紫煙を燻らせている。


 今は反社も分煙の時代なのか。


 「アイツっスね。行きましょう」


 タバコを吸っている男――鍛冶沢進は、表向きはエビサワ産業のトップということになっていて原小宮とも親交があった。


 今回の事件にエビサワ産業もしくはその背後の暴力団が関係しているのなら、何らかの事情を把握しているにちがいない。


 尾藤と杉本は、鍛冶沢の視界に入らないように注意しながら近づき声をかけた。


 「ちょっと失礼。こういうものだけど」


 警察手帳を見せつけると、鍛冶沢はほんの一瞬顔をしかめたが、すぐに元の仏頂面に戻った。


 「はあ、何でしょう?」


 「鍛冶沢進さんですよね? 


 亡くなられた原小宮英真さんについていくつかおうかがいしたいのですが」


 「ええ、構いませんよ」


 「ありがとうございます。


 では、場所を変えましょうか」


 そして、三人は道路を一本挟んだ先にあるファミレスに入った。


 「驚きましたよ。まさか原小宮さんがね……」


 少なからずショックを受けているような沈んだ口ぶりだ。


 犯行時刻のアリバイについて訊ねると、


 「その時間は事務所を出て、車で家に帰る途中ってところですかね。


 残念ながらアリバイはなしです」


 鍛冶沢は、ストローの先をぐにぐにと曲げている。


 受け答えは落ち着いているが、容疑をかけられていることに波立つものがあるようだ。


 尾藤の傍らで杉本がパフェにがっついてる。


 注意すると、ぐずりだして仕事にならないので、尾藤は見て見ぬ振りをした。


 表面をなぞるようなやり取りを幾度か繰り返した後、尾藤が仕掛けた。


 「率直に言って、我々はあなたの会社やその背後にある暴力団がこの事件に関与していると考えて捜査しています」


 「ちょっと待ってください、暴力団ってどういうことですか?」


 「とぼけても無駄ッス! ネタは上がってるッス!」


 空席の目立つ昼間のファミレスに杉本の声がこだまする。


 「あなたの会社――エビサワ産業は不当に安い金額で処理事業を請け負っていますよね?」


 「それだけでは暴力団と関係しているとは言えないでしょう。言いがかりはよしてください」


 そこで尾藤は内ポケットから一枚の写真を取り出し、鍛冶沢に突きつけた。


 「これは原小宮さんの自宅から見つけたものです。


 暴力団主催のパーティの席で撮られたもののようですが、原小宮さんと一緒に写ってるこの男のことはご存知ですか?」


 しっかりと後ろに撫で付けられた髪に、茶色がかったカラーレンズのメガネ。


 そして、光沢感のあるグレーのスーツ、白いストール。


 見るからにカタギではない男だ。


 「いえ、知りません」


 鍛冶沢の目が一瞬泳いだのを尾藤は見逃さなかった。


 「では、この写真の端の方にに写ってる男はどうですか? 


 もっとも、知らないとは言わせませんが」


 「それは……」


 「そう、この男の名は、海老原聡。


 エビサワ産業の筆頭株主です。


 これでも関係がないと言い切れますか?」


 「さ、さあ、私はあくまで事務所を任されてるだけなので……」


 鍛冶沢の歯切れが悪くなってきたところで本題へ戻す。


 「鍛冶沢さん、事件について何かご存知ですか?」


 「何も知りません。


 言っておきますが、原小宮さんが亡くなられたことはウチにとっても大きな打撃なんです。


 自分で自分の首を絞めるなんてそんな馬鹿な話あるわけがない」


 「金じゃなきゃ女絡みッスか?」


 「原小宮さんとはあくまでビジネスの関係で、個人的なことなんて知りませんよ。


 刑事さん、この件についてはこれ以上お答えできかねます」


 「では、最後に一点だけ。


 海老原さんにも話を伺いたいので、連絡先を教えていただけますか?」


 テーブルの上の紙ナプキンを一枚取り出し、胸ポケットに挿していたペンを鍛冶沢に向ける。


 しかし、鍛冶沢は目をぎゅっと瞑ったままペンを取ろうとしない。


 「どうされました?」


 「ああ、すみません」


 鍛冶沢はおそるおそるといった具合に右手でペンを受け取り、ナプキンに文字を走らせた。


 これで指紋採取と利き手の確認ができた。


 「ご協力ありがとうございました。


 これで失礼します」


 尾藤らが伝票を持ち、席を立つと、


 「クソっ、とんだとばっちりだ」


 鍛冶沢は小声で毒づいた。





 

 それから海老原聡にも話を訊いてみたのだが、鍛冶沢と同様に知らないの一点張りで、加えて海老原にはアリバイがあることがわかった。


 エビサワ産業についてはひとまず置いておいて、尾藤らは次に原小宮の女性関係について更に突っ込んで調べを進めた。


 その結果、原小宮の愛人の中にひとりだけ既婚女性がいたことがわかった。


 早速その女性――朝比奈香に接触してみたのだが、ちょうど原小宮が殺された日の数日前に夫に不倫がバレてしまい、現在は別居中とのことだった。


 また、香の方には犯行時刻にアリバイがあったため、


 対象を夫である朝比奈(あきら)の方に切り替えて捜査を進めることにした。


 「しっかし、その旦那って今相当機嫌悪いんじゃないッスか? 


 イヤだなあ、当たり散らされたりしたら」


 「原小宮が死んだと知ったら、あるいは当人が殺したんだとしたら却って機嫌は良くなってるだろ」


 「いやいや、浮気がバレたとき、妻は浮気相手の女の方に怒りの矛先を向けるんスけど、旦那は自分の妻に向けるんスよ」


 「そんなもんか?」


 「独り身には難しい話だったッスね」


 「お前も独身だろうが」


 朝比奈信は、現在ホテル暮らしをしているらしいのだが、どのホテルに宿泊しているかまでは香にもわからないとのことだったので、朝比奈の勤め先である『株式会社ハアベスト』へと足を向けた。


 『株式会社ハアベスト』は、いわゆるITベンチャー企業というやつで、ホームページにはイノベーションだのソリューションだのビッグデータだのと横文字が並んでいたが、要するに農業に活かせるIT技術の開発やコンサルティング業務などを行っている会社のようだ。


 受付に置かれた電話で要件を告げると、パーテーションで仕切られた商談スペースに通された。


 杉本はその仕切の上に顔を出してオフィスの中の様子を伺った。


 目に留まったのは棚の上の箱を取ろうとしている男性社員だ。


 つま先で立ち、手をぐっと上に伸ばすが、あとちょっとのところで届かない。


 すると、女性社員が来て踏み台を使って箱を取り、下にいる男に手渡した。


 男が笑顔でお礼と思われる言葉をかけていると、別の女性社員が現れ、尾藤らの方へ指をさす。


 遠目に男と目が合うと、杉本は反射的に頭を引っ込めた。


 どうやらあの男が朝比奈のようだ。


 「あの、お話とは一体何でしょうか?」


 対面に腰掛けた朝比奈の表情は若干ひきつっていた。


 げっ歯類を想起させるような顔をしている。


 「単刀直入に申し上げますと、あなたの奥さんの不倫相手の男性が何者かに殺害されまして、我々はその捜査で参りました」


 「あの男が、こ、殺された? 


 えっ……ってことは私を疑っているってことですか?」


 「疑っていると言いますか、まだ被害者に関係のある方々に話を訊いている段階です」


 「私はやってませんよ。


 あの男に恨みがないとは言い切れませんが、それでも殺すなんて……」


 しかし、朝比奈に明確なアリバイはなかった。


 その日は珍しく仕事が早く片付いたのだが、誰とも都合が合わず、かと言ってホテルへ戻ってもすることがなかったので、仕方なく夕方から一人で飲み歩いていたそうだ。


 「立ち入ったことをお訊きしますが、奥さんの浮気に気づいたのはいつ頃ですか?」


 「十日ほど前になります。


 前々から薄々勘付いてはいたんですが、たまたま妻の携帯に知らない男から通知が入っているのを見てしまいまして、どういうことなのか妻に問いただしたんです。


 どんな言い訳が飛んでくるのかと考えていたんですが、妻はあっさり浮気を認めましてね。私は、その場で荷物をまとめて家を出ました」


 朝比奈は力のない笑みを浮かべた。


 仕事とはいえ、こちらもかなり気まずい。


 「その後、男と会いましたか?」


 「いえ、会ってません。


 家を出た後、急に腹が立ってきてその男に文句のひとつでもつけてやろうと思い立ちまして、次の日に休みをとったんですけど、男の会社の前まで来たところで怖気づいて引き返しました。


 これまでの人生でケンカとか本気で人と争ったことがなかったですし、そもそも浮気以前に妻との仲は冷えきってましたから」


 「奥さんとはやっぱり別れるんスか?」


 「まあ、そうなるでしょうね。


 ただ、私たちには子供がいませんので、これ以上こじれることもないと思います。


 その点だけは不幸中の幸いと言いますか地獄に仏と言いますか……」


 朝比奈への聴取を終え、尾藤らは車に戻った。


 「原小宮と顔を合わせたことがないなら朝比奈は容疑者リストから外れるんじゃないスか?」


 「朝比奈の証言をバカ正直に信じるなら、な。


 温厚で真面目そうに見えたが、そういう人間こそ頭に血が上ったら何をしでかすかわからん」


 「尾藤さん、そろそろ何か掴めたッスか?」


 「いや、まださっぱりだ」


 「珍しく自信なさげッスね」


 「ああ、今回はちょっと手こずりそうだな」

 




 築四十年の二階建て単身者用アパート、その一階の一番奥にある一○四室が阿久津の部屋だった。


 錆びついた郵便受けを尻目にチャイムを鳴らす。


 「出ないッスねえ。留守ッスかね?」


 「さっき裏へ回ったら窓越しに部屋の電気がついているのが見えた。


 消し忘れじゃなきゃ居留守だろう」


 チャイムとノックを交互に繰り返す。


 十分経ったら一旦引き返そうと考えていたが、三分ほどで向こうが根負けした。


 「何ですか?」


 明らかに不機嫌そうな低い声。


 小太りの中年の男が血走った目を向ける。


 息から少しアルコールの臭いがした。


 「阿久津誠さん、ですね? 


 警察のものです。


 原小宮英真さんのことでお話を訊かせていただきたいのですが、お時間よろしいですか?」


 警察手帳を出すと、阿久津の目がかっと開き、紅潮していた顔が青ざめていった。


 「原小宮さんですか? 


 どうして今頃になって?


  もうあの人と私は何の関係もありませんよ」


 「原小宮さんは殺されました。


 私たちはその事件を捜査しています」


 「殺された? なんてことだ……。いや、しかし、私には何の関係もないことです」


 「阿久津さん、捜査にご協力願えますか?」


 「話すことは何もありません」


 「こちらの質問に答えていただくだけで構いません」


 しつこく食い下がると、阿久津は渋々といった調子で了承した。


 家の前では人目につくということで、近くの公園へ向かい、樹脂製のベンチに腰をかけた。


 「一月ほど前に派遣切りにあいまして、今は新しい就業先を探しているところです」


 原小宮が殺された日、阿久津は、午前中はハローワークで仕事を探していたが、応募できる求人がなく、午後は一人で家にいたという。


 「ハラコミヤ組へは中途で入社しました。


 前の会社が不況のあおりを受けて倒産しまして。当時は子供もまだ小さくて毎日不安でいっぱいだったのを覚えています」


 そう語る阿久津の視線の先には、ブランコや砂場に集まる子供たちの姿があった。


 「仕事が落ち着いてきて、気も緩んでギャンブルに入れ込んでしまいました。


 それで魔が差して会社の金に手を……。


 馬鹿なことをしました」


 「阿久津さんから見て原小宮さんはどういう方でしたか?」


 「厳しい人で、たしかにあまり良い噂は聞きませんでしたが、公平というか評価すべきところはちゃんと評価してくださる人でした」


 「さっきから気になってたんスけど、その右手はどうしたんスか?」


 阿久津の右手には包帯が巻かれていた。


 「この前、引っ越しの日雇いバイトをしたときに何か尖ったものに触れたみたいで傷になってしまいました」


 「それはいつ頃ですか?」


 「もう一週間くらい前になります」


 「病院へ行きましたか?」


 「バイト先に連絡したら労災はおりないということだったので、行ってません」


 一週間前であれば、原小宮が殺害された日には、阿久津はすでに右手に傷を負っていたということになる。


 「ちなみになんスけど、もうギャンブルはやめたんスか?」


 「ええ、流石に懲りました。


 それに今は生活が苦しくてそもそもギャンブルをする余裕もありません。


 ただ、その代わりに酒の量が増えました。


 どうにもままなりませんね」

 




 その後、件の引っ越し業者に阿久津の怪我の件を確認したところそのような報告は聞いていないとのことだったが、実際に一緒に現場で働いた人間の中には阿久津が右手に怪我を負ったことを知っている者がいた。


 ただ、怪我を負った部位や程度についてははっきりとはわからないという。


 「もし阿久津が右手にケガをしていたら、やつはシロッスか?」


 「そうはならんだろうな。


 お前は気づかなかっただろうが、阿久津がドアを開けたとき、右手はノブを握っていたんだ。


 少なくとも今は右手で物を握って押し込むくらいのことはできるってことだ」


 「それはあくまで現在の話ッスよね?


 事件当時は箸も握れなかったかもしれないじゃないッスか。


 そもそもケガしてる状態で事件を起こそうなんて考えるッスかね?」


 「だから、俺が言いたいのは、今は何とも言えないってことだ」


 「もう! 何なんスか! そろそろビシッと決めてくださいよ!」


 「落ち着けよ。


 まだあと一人、捜査対象が残ってるだろ。そいつに話を訊いてからだ」


 原小宮の元愛人で元ハラコミヤ組の社員の小日向(みやび)はT区のマンションで一人暮らしをしている。


 いわゆるデザイナーズマンションというやつで、大きなガラス窓と真っ白な外壁が特徴的だった。


 「まだ若いのに結構良いところに住んでるッスねえ。


 寮住まいの自分が惨めに思えてくるッスよ」


 「小日向はハラコミヤ組を退職してからは無職のようだ。


 自分で家賃を払っているとは思えんな。


 原小宮の他にもパトロンがいるってことだろう」


 「人生って不公平ッスね……」


 昼間のうちに訪ねたところ留守だったので、夜に出直してみたのだが応答はなく、どうやら家に帰っていないようだ。


 とはいえ、他に居所の見当がつくわけでもなく、翌日は朝からマンションの前で張り込むこととなった。


 「やっぱ張り込みにはあんぱんと牛乳ッスよねえ。


 でも、なんであんぱんと牛乳なんスかね?」


 「知らん。


 それよりちゃんとおにぎり買ってきたか?」


 「買ってきたッスよ。


 はい」

 

 「ん? 


 赤飯とすじこか……。


 なんかもっと普通のやつなかったのか?」


 「具は何でもいいって言ったじゃないッスか! 


 食べたいのあるなら言ってくれないとわかんないッスよ!」


 「うるせえな。キレてんじゃねえよ」


 日も暮れかけてきた頃、タクシーが一台、マンションの前に停まった。


 すらりとした長身の女性が出てきて、トランクからキャリーバッグを取り出し、マンションの中へ入っていく。


 「小日向だ。行くぞ」


 尾藤らも車から飛び出し、小日向の後へ続く。


 マンションのエントランスで小日向を呼び止め、警察手帳を見せて話を訊かせてほしいと伝えると、荷物を部屋に置いてくるので、待っていてほしいとのことだった。


 「おまたせしました。


 ちょうど出先から帰ってきたところでバタバタしていまして……」


 小日向は、ここ数日の間オーストラリアへ行っていたという。


 道理で捕まらないわけである。


 捜査車両の中で、原小宮が殺害されたという話をすると、小日向は最初こそ驚いたような表情を見せたが、それ以降は動揺することもなく、落ち着いた様子で受け答えをしていた。


 かつて自身が原小宮の愛人であったこともあっさりと認めている。


 「原小宮さんが何かトラブルに巻き込まれていたような様子はありましたか?」


 「どうでしょう。


 わかりません。


 ただ、暴力団の方と付き合いがあったようですから危ない橋を渡っていたのだと思います」


 「小日向さんは原小宮さんが暴力団と関係していることをご存知だったんですか?」


 「ええ、原小宮さんが話していましたので。


 最初は冗談かと思っていたんですけど、写真を見せられて流石に怖くなって、それで私の方から関係を絶ちました」


 「別れた理由は、あなたの浪費癖が原因という話も聞きましたが?」


 尾藤が切り込んでいくが、小日向は軽く受け流す。


 「周囲にはそう言っておけば格好がついたんでしょう。


 原小宮さんには色々と良くしていただいたので否定はしませんが」


 「事件当日の一八時三○分頃、あなたは何をされていましたか?」


 「その時間は空港に向かっている最中だったはずです。


 タクシーを使ったので、もしかしたら運転手の方が覚えていてくれるかもしれません」


 そのとき小日向が利用したというタクシー会社を控えておく。


 これでアリバイが成立すれば仕事が減るが、空港までタクシーを使う客は少なくないだろうし、果たして運転手の記憶に残っているかどうか……。


 小日向への聞き込みを終えて、早速タクシー会社に連絡を取り、従業員から情報を集めるように手配した。


 「小日向はサンダルを履いてたっスね」


 「それがどうした?」


 「いや、もうすっかり寒くなってきてサンダルって季節でもないっスよね」


 「足を負傷してるんじゃないかって言いたいのか? 


 残念だがそれだけで小日向が犯人ということにはならん」


 「なああああ!! 


 じゃあ、誰なんスか? 


 いい加減目星ついてんでしょう?」


 「すまんが、見当もつかない。


 完全にお手上げだ」

 




 「良い報せと悪い報せがある。


 ひとつは、小日向らしき人物を乗せたと証言する運転手が現れた。


 たしかに事件当日の一八時三○分頃は空港に向けて車を走らせていたようで、レコーダーにも記録が残っている。


ふたつめは、小日向には双子の妹がいることがわかった。


 一卵性双生児で顔だけでなく背格好もよく似ている」


 「つまり、タクシーに乗っていたのが小日向雅かその妹なのか区別できないってことっスか」


 「そういうことだ」


 「一向に進展しないじゃないスか。


 どうすんスか? 


 このままじゃ迷宮入りっスよ」


 「まあ、こういうときは現場百遍ってやつだな」


 というわけで、尾藤と杉本は再び事件のあったビルの前までやってきた。


 「そう言えば、二階から飛び降りた後、犯人はどういうルートを使ったんスかね?」


 「ここは大通りに面していないからタクシーはすぐに捕まらさそうだな。


 自分の車やバイクに乗ってそのまま逃げたか若しくは徒歩で駅へ向かって電車を使ったかのどちらかだろうが、不審車両の目撃情報は今のところ確認されていないから後者の可能性が高いな」


 「じゃあ、とりあえず駅まで行ってみますか」


 辺りはビルに囲まれている。


 日差しは遮られ、巨大な影が落ち、閉塞感が満ちる。


 足は重たいがとにかく前に進める他なかった。


 「なんとなくなんだが、この事件の犯人は慎重というか臆病な人物のような気がする」


 「逆でしょう。


 一人で会社に乗り込んでいくような人間が臆病者なわけないじゃないッスか」


 「たしかにそこは矛盾しているんだけどな。


 俺が言いたいのは本質的に気が小さいというか……まあ、何の根拠もない勝手な思い込みだ。


 忘れてくれ」


 現場から最寄りの駅の入り口までは十分もかからなかった。


 階段を下りて地下へ入っていくと、通路に男が一人ぐったりと座り込んでいた。


 身なりからして浮浪者のようだ。


 尾藤は、杉本に「ちょっとここで待ってろ」と一声かけて引き返していく。


 そして、数分後にコンビニの袋をぶら下げて戻ってきた。


 「自分、まだ腹減ってないんスけど」


 「お前にじゃねえよ」


 そう言って尾藤は浮浪者の前に腰をおろした。


 「キンさん、久しぶり」


 「ん? 


 おお、尾藤ちゃんか!


 しばらくじゃねえか。

 

 元気してたか?」


 「ああ、キンさんこそ変わりないか?


 これ良かったら食べてよ」


 「おう、すまねえな。


 まあ、こっちはなんとかやってるよ」


 男の焼けた顔には墨を散らしたようにいくつも黒いシミが浮いており、左のまぶただけ下がってきていて誰かに殴られた痕のように見える。


 どこを切り取っても健康そうには見えなかった。


 「最近、見かけなかったけど、今はこの辺りで暮らしてるんだ?」


 「前に居たところは立ち退きを迫られてな。


 皆、散り散りになっちまったよ。


 立ち退きを期に施設に入ったやつもいる。


 昔みたいに集まって生活するのはもう厳しいかもな……」


 杉本が尾藤の肩をちょんちょんと叩き、耳打ちする。


 「ちょっと、誰なんスか? 


 このじいさんは?


 ホームレスの保護はウチらの仕事じゃないでしょ」


 「キンさんはこう見えて顔が広いんだよ。


 事件について何か知ってるかもしれない」


 「情報屋ってわけっスか。


 どうにも信用ならねーっスが……」


 「おい、そこの若いのは新入りか?」


 「ああ、捜査の途中でね」


 「なるほど。


 捜査っちゅうと、この辺の建設会社で起きた殺人か?」


 「やはり耳に入っていたか。

 

 そうだ。


 キンさん、何か知ってるか?」


 「おう、そうだった、そうだった。


 とっておきの代物があるんだ。


 警察に渡そうと思ったんだが、自分から出向くわけにもいかなくてな。


 ちょうどよかったよ」


 「白々しいな。


 タダで渡す気なんか更々ないくせに」


 「あんたは話が早くて助かるよ。


 さて、ひとつ取引といこうじゃねえか」


 「まず物を見せてくれ」


 浮浪者は、懐から長方形型の透明なプラスチックのケースを取り出した。


 大きさは手のひらサイズで厚さは二センチほど。


 ケースの表面、ちょうど真ん中くらいに長辺と平行に真一文字の傷が入っている。


 尾藤の瞳がかっと見開いた。


 「こいつはちょうど一週間くらい前にここのひとつとなりの駅の近くのゴミ箱から見つけたもんだ。


 どっかで見た名前だと思ってよ、新聞を読み返したら案の定ってわけだ」


 「で、これと引き換えに何が欲しいんだ?」


 「うまい焼酎が飲みたい。


 つまみも付けてくれ。


 こいつにはそれくらいの価値はあると見たな」


 「わかった。持ってくるよ」


 「へへっ、楽しみにしてるぜ」


 地上へ戻り、上等な焼酎を求めて最寄りの百貨店へと向かう。


 「こういう場合って経費で落ちるんスかね?」


 「情報提供者への謝礼ってことで捜査費扱いになるだろうな。


 まあ、お前が自腹を切っても構わんが」


 「いやッスよ。


 それに、あれって本当にそんな価値のあるものだったんスか?


 どうもあのじいさんは胡散臭いッス」


 「充分あるさ。


 何せあのケースの中には原小宮の名刺が入ってたんだからな

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