42、ほんもの
「晩ごはんの前に、ちょっとだけ寮の中を案内してあげるね♪」
星明りが弾む内海のビーチから月美たちの寮へは徒歩1分である。
ビーチ沿いの大通りを横断すれば、すぐに寮のロータリーなのだ。正面の玄関は南向きで、海のほうを向いているから、解放感があって明るい感じである。
「ここが玄関だよ♪」
「は、はい・・・」
月美は銀花ちゃんと一緒に、百合お姉様の背中について歩いた。
月美が去年住んでいたビドゥの寮に比べるとかなり小さいが、エントランスが広々とした吹き抜けになっており、白を基調にした南欧風のカワイイ空間になっていたから、居心地は良さそうである。ほんのりシチューの匂いがしていたが、月美は百合お姉様の髪の香りのほうに手を焼いているのでそれどころではない。
「二人のお部屋は一階だよ♪」
玄関で上靴に履き替え、エントランスを突き当りまで歩くと左右に長い廊下が現れるから、そこを左へ行くとすぐに月美たち初等部メンバーの部屋があるのだ。なんと、たった一室である。
「・・・百合さん。初等部って何人いますの?」
「4人だよ」
「それって・・・この寮では4人、ってことですの? 他にもいますの?」
「初等部は全員で4人だよ♪ あと2人は明日ここに来る予定」
想像以上に少人数である。
初等部は今年作られたばかりだと翼先輩が言っていたわけだが、数千人いる高等部に比べると本当におまけみたいな感じである。ちなみに中等部も高等部と同じくらいの人数がいるので、月美たち小学生はかなり浮いた存在に違いない。
「このお部屋でーす♪」
百合は白い扉をそっと開けた。
初等部の自室は結構広かった。
部屋の両壁に二段ベッドと勉強机たちが据えられており、後は自由な空間になっているようで、円形でグリーンのもこもこカーペットと、大きなちゃぶ台みたいなローテーブルが一つ置かれていた。まるでモデルルームみたいにぴかぴかで、観葉植物が似合いそうな格好良さがあったが、ついカーペットの上でごろーんと寝転がりたくなるような落ち着きと温かみもあった。
「百合ぃ~、もうすぐご飯できるわよっ」
廊下からエプロン姿のルネが笑顔でやってきた。彼女が普通に歩いていることに月美はやっぱり違和感を覚える。
「そっか。二人ともごめーん。続きはまた明日でいい?」
「は、はい・・・」
「荷物の整理だけしよっか♪」
百合は廊下から二人のキャリーケースを持ってきてくれた。
さて、実は先程から、月美の小さな胸には大きな疑念が生じてきている。
月美がこの世界で出会った百合お姉様と、去年一緒に暮らしていた百合さんが、同一人物でない可能性に気付いたのだ。
(ん~・・・)
もしかしたら去年までの世界は今もどこかに存在しており、いなくなってしまった月美が帰ってくるのを待っているのではないか。だとしたらこの偽物の百合さんと仲良くなろうとせずに、さっさと帰る手段を探したほうがいい。我ながらぶっ飛んだ推理だと月美は思ったが、ぶっ飛んだ事態に遭遇しているのだから、これくらい柔軟に物事を考える必要はあるだろう。
12月までの月美のことを覚えている人物が一人でもこの世界に存在していれば、去年の世界と今年の世界が続いている証拠になる。そうなれば百合お姉様も、百合本人ということになるだろう。ただ記憶を失くしているだけだ。
(警戒していきましょう・・・。私は騙されませんわよ・・・)
荷物を整理しながら、月美はネコのような顔でじっとりと百合を見つけた。
「ん? どうかしたの♪」
「うっ!」
百合の優しい微笑みは相変わらず世界一美しい。月美は赤くなった顔を隠すため、プイッと背中を向けた。
「べ、別に・・・何でもないですわ」
不思議そうな顔で見てくる銀花ちゃんと目が合ってしまった。
「どう? 私のシチュー美味しいでしょ~」
月美と銀花はほぼ同時に頷いた。
ダイニングはエントランスの右側にあり、その奥にはお洒落なキッチンが見えている。
「明日は入学式で、夜はあなたたちの歓迎会があるわ」
「か、歓迎会ですの?」
「楽しみにしててね」
「は、はい・・・」
月美はまだルネとどんな風にしゃべっていいか分からず、変な緊張をしている。
ルネが作ったクリーミーなシチューは、島で採れた栄養豊富な謎野菜がたっぷり煮込まれており、普通のアスパラガスに見えるもの以外は月美が知らないものばかりだった。野菜の種類が去年より増えているのかも知れない。
「・・・入学式って私たちも出ますの?」
「もちろんよ」
「でも、銀花さんは2年生で、私は・・・何年生でしたっけ?」
「4年生だよ♪」
「うぅ!」
百合が耳打ちで教えてくれたので月美は飛び上がった。落ち着いてルネとおしゃべりが出来ない。
そんな月美の様子を見たルネはくすくす笑った。
(はは~ん。さてはこの子、百合に一目惚れしたなぁ~?)
正解とも不正解とも言えない推理である。月美が百合を好きになったのはもっとずーっと前だ。
恋心をルネに一発で見抜かれてしまったことも知らず、月美はずっと横目で百合のことを見ながら晩ご飯を食べている。
(この人が・・・去年の百合さんと同一人物かどうか、どうすれば確かめられますの・・・?)
今日初めて学園に来た小学4年のカワイイ編入生が、まさかこんなことを考えているなんて、この島にいる誰も想像できないだろう。
今夜のお皿洗いは百合がやることになっているらしい。
「じゃあ二人はルネさんと一緒にお風呂行ってきて♪」
「え・・・」
「近所にお風呂屋さんがあるんだよ♪」
この寮にはシャワー室しかないので、忙しくない時はお風呂屋さんにいくのがベターである。学園の公共施設という扱いなので無料なのだ。
「ほら、月美、銀花。おーいでっ」
「は、はい」
ルネに連れられ、初等部の二人は星降る夜へ出発した。
「二人とも寒くない?」
「は、はい・・・」
「お風呂はあったまるわよ~」
ルネは百合より少し背が小さく、華奢な体をしているのは去年と同じなのだが、元気になった分、ちょっと江戸っ子みたいな気立ての良さが増している。
思い返せば、去年のルネも、年上のローザ会長のことを「ローザ」と呼び捨てにしていたし、結構グイグイおしゃべりしてくるタイプだったので、これが彼女の本来の姿なのだろう。フランス出身なのに日本語ペラペラで、笑顔が眩しいお姉様だ。
(ルネさんは・・・ローザ様のことを覚えているかしら。今のところローザ様を見かけてませんけど、たぶんこの島にいますのよ)
しかしまあ、去年あれだけラブラブだった二人なので、月美が心配せずとも、既に恋人同士かも知れない。本当は今すぐいろいろ尋ねたいが、変な小学生だと思われそうなので機会をしっかり窺わなくてはならないだろう。
お風呂は寮から2分くらいの場所にあった。
本当は5分くらいは掛かる距離だったが、ルネが南国風のレストランやカフェテラスの中をどんどん歩いて近道するのであっという間に着いたのである。その間、月美は何度も「きゃー! 初等部の子!?」「お名前なんて言うの!?」「か~わ~いい~!!」などと声を掛けられた。クールなお嬢様だったはずの月美にとっては屈辱であるが、初等部という存在を案外すんなりと受け入れてくれている高校生たちの懐の深さというか、適応力には感服である。銀花ちゃんがかなり怯えていたので、これからはもっと裏道を通っていくべきですわねと月美は思った。
「このお風呂屋、改装されたばっかりなのよ。私もまだ5回くらいしか使ってないわ♪」
天然温泉ではないが、色んな種類の湯が用意されており、露天風呂もあるから、ストラーシャ学区のビーチ付近で暮らす生徒たちからは大人気の施設である。
月美は脱衣所の隅っこの観葉植物の陰で服を脱いだ。鏡でまじまじと自分の体を観察してみたが、残念ながら完全に小学4年生である。顔立ちは幼い頃の自分そのもので、モデル体型だったかつての自分はどこかに消えてしまったようだ。あまりにも完璧な変身なので、体が小さくなったというよりはタイムスリップしたような感じである。
その時、中学生のお姉さんたちの裸が鏡越しにチラッと見えたのだが、ここで月美の胸に重要な問いが浮かんだ。
「あ、あら!? ル、ルネさん! もしかして、百合さんもここに来ますの!?」
「いや、今日はたぶん寮のシャワーでパパッと済ませちゃうんじゃないかな」
月美はほっと胸を撫で下ろした。百合さんと一緒にお風呂に入ったら、月美に明日はないだろう。
さてその頃、寮にある桜色のシャワー室で、百合は頭から温かいシャワーを浴びていた。
(はぁ・・・なんだろう・・・この気持ち・・・)
百合は自分の胸に触れながら、不思議なドキドキを味わっていた。
(私たぶん・・・月美ちゃんとどこかで会ってるんだ・・・。心臓がずっと、駆け足だもん・・・)
昔からの友人か、それ以上の人に会った時のような、ちょっぴりノスタルジックな興奮が、さっきからずっと体内を駆け回っているのだ。
(小学校のサマースクールで一緒だったとか・・・? いや、年が違いすぎるよね・・・。それとも、月美ちゃんのお姉ちゃんと知り合いなのかな・・・)
考えれば考えるほど分からなくなっていくが、どうしても他人とは思えなかったのだ。
(月美ちゃんって・・・何者なんだろう)
百合は、ちょっぴり桜色に染まった自分の胸を、両腕でむにっと抱きながらそっと目を閉じた。
お風呂の後、初等部の部屋に百合やルネも集まり、4人でのんびりおしゃべりをすることになった。
噂通り、島内の発電システムに革新があったらしく、消灯時間が23時に大幅変化していたが、月美と銀花は一応小学生なので、22時頃には寝ようということになっている。それまではノンカフェインの紅茶などを飲みながら世間話だ。
ルネと百合が同じ高等部二年生である事。同じく二年生の翼先輩がこの近所の寮に住んでいる事。あとはこの学園の通貨についてなどをルネさんが楽しそうにしゃべってくれたが、月美は百合のことばかり考えていたのでいまいち内容は頭に入って来なかった。
(・・・この百合さん、やっぱり偽物っぽいですわ。本物だったらそろそろ、銀花ちゃんの肩にカーディガンみたいなのを掛けて、寒くない? みたいに訊くに違いないですもの。思いやりが足りてませんわね)
月美はグリーンのもこもこカーペットの上で体育座りをしながら百合を猫のような目で睨んでおいた。
実は百合も月美のことをずっと考えており、ルネの話や銀花ちゃんの様子などが意識から抜けていた。しばらくしてようやく周囲に目を向けた百合の瞳は、銀花ちゃんを捉えたのである。
(あ、よく見ると、銀花ちゃん薄着だなぁ)
百合は腰を上げ、自分の着ていた白いカーディガンをふわっと銀花の肩に掛けた。
「寒くない?」
「え・・・うん・・・ありがと・・・」
銀花は照れながらお礼を言った。
慌てたのは月美である。予想通りの動きを百合がしてしまったからだ。
(こここ、この程度で本物の百合さんを名乗っちゃダメですのよ!! 本物はやっぱり、私への愛が半端じゃありませんから、銀花さんだけを気遣うなんてありえませんのよっ!)
月美はちょっとむきになっている。
「月美ちゃんも。寒くない?」
「あ・・・」
ひざ掛けをそっと足に掛けられてしまった。
(も、もーう!! ちょっと優しいくらいじゃ、本物だなんて認めませんわよ!!!)
月美は悔しがりながらひざ掛けにくるまった。とても暖かい。
銀花ちゃんが眠そうだったので、就寝することになった。
高等部の二人の部屋は二階にあるらしい。最初は百合が「一緒に寝てあげようか?」と申し出てきたのだが、月美が首をブンブン振ったのでこの話は無くなった。二段ベッドの一つを使い、4年生の月美が下の段、体重の軽い銀花が上の段で寝ることになった。ちなみに、広~い洗面所が一階のシャワー室の手前にあるので、寮生活でありがちな歯磨きの順番待ちは起こりそうにない。
「おやすみ♪ 月美ちゃん、銀花ちゃん」
「お、おやすみなさいですわ・・・」
「おやすみ」
お姉様たちにそう言って、二人は小さな暖色電球の明かりに包まれた優しい夜の世界にゆっくり入っていったのだった。
が、月美が掛布団の位置などをもぞもぞ動きながら調整していると、すぐに上の段の銀花がトントンと梯子を下りてきた。
「一緒に寝よう」
「え」
どういうわけか、銀花ちゃんはとっても月美に懐いてくれている。
「ま、まあいいですわよ。今日だけは・・・」
ぼんやりした暗闇の中で、銀花はちょっぴり笑顔になったのである。銀花は無口で、表情をあまり表に出さない子だが、笑うととってもキュートだ。
銀花のカワイイ寝息を肩の辺りに感じながら、月美は上の段のベッドの裏側をぼんやり見上げていた。
(この世界はきっと夢なんかじゃありませんわね・・・)
自分を慕ってくれる銀花の柔らかい温もりを感じながら、月美は不思議な気分になった。
(去年の記憶がある私が異常なのかしら・・・)
だんだんそんな気がしてきたのだ。
(はぁ・・・なんだかもう、頭が追いつきませんわ)
このまま眠って目が覚めたら元の世界に戻っている可能性が無くはないが、たぶん無理なので、月美は明日に備えて目を閉じることにした。きっと明日も大忙しである。
5分か10分か分からないが、月美は穏やかな温もりと沈黙の中に身を沈めていた。しかし、なかなか眠気は月美を包み込んではくれない。
(んー・・・)
よく考えると月美は何日も、あるいは何か月も眠ったままだったので、睡眠は足りているわけである。しかも起きたのは今日の昼頃だったし、簡単に眠くなるわけがなかった。
(少し・・・散歩でもしようかしら・・・)
月美はしばらく迷っていたが、銀花ちゃんを起こさなければ問題無いと思い、そーっとそーっとベッドを抜け出したのだった。
この学園には寮の玄関に鍵を掛ける習慣などないので、玄関は自由に出入りできる。月美は上着を羽織って、外に出てみることにした。
「わぁ・・・」
相変わらず、この島の星空は別格である。
夜空が黒色でないことを、月美はこの学園に入るまで知らなかったのだ。
濃紺や淡いブルー、紫、さらにはピンクや白など、実にカラフルな星々のまとまりが、雲のように柔らかく広がり、混ざり合っているのである。この無限の奥行きを持つ色彩の海を背景にして、おなじみの星座たちがひと際眩しい輝きを浮かべて並び、またたいているのだ。流れ星は、そよ風が吹くかのように当たり前に夜空を駆け抜け、微かな波音を立てる穏やかな内海に銀色の航跡を映すのである。
ふーっと息を吹きかければキラキラと音を立てながら散らばっていきそうな、星空の不思議な遠近感に心を奪われた月美は、無意識のうちに玄関前の小さな石段に腰かけていた。この島は夢の世界より美しいから、きっと夢なんかじゃなく、現実だ。
「眠れないの? 月美ちゃん」
「ひっ!」
やがて、最愛の人の声が月美の小さな耳をくすぐるのだった。
「ね、眠れないというか・・・まあ、ハイ」
月美は声が震えてしまった。
「私も眠れなくって、外の空気吸いに来ちゃった♪」
体が一気に火照った月美は逃げ出すことも出来ず、石段の隅っこで小さくなった。百合はそんな月美のすぐ隣にやってきて、「よいしょ♪」と言いながら腰を下ろしたのだった。
月美はまだ、この世界の百合を信用していない。
本物の百合が別の世界にいるなら、今隣にいるのは月美の敵みたいなものである。警戒しなければいけないのだ。
二人は何も言わず、しばらくの間、星明りの下で揺れる花壇の花たちを見つめていた。
銀河の彼方からピアノの音色がこぼれてきそうな、ロマンチックなひと時である。
(こ・・・これは一体・・・何の時間ですの・・・本物の百合さんならもっとにこにこして、しゃべりかけてきますわよ。やっぱりこの人は偽物ですわね・・・)
月美は赤くなった頬を両手で押さえながら、心の中で意地を張った。
しばらくして、百合の優しい声が月美のハートをノックする。
「私たち、どこかで会ったことある、かな?」
月美は息を呑んだ。
どう答えていいか分からず、月美は心臓の高鳴りを悟られないようにちょっと体を百合から遠ざけながら、返事の代わりに少し首を傾げてみせた。
「えへ。そんなわけないか。でも、なんだか昔からの知り合いみたいに感じるんだ♪」
月美の胸の中で、疑念と確信が火花を散らす。
「月美ちゃんって、お姉さんいるかな? 月美ちゃんと顔が似てる、高校生くらいのお姉さん」
そしてとうとう月美は確信したのだ。
この百合さんは、どうやら本物のようだ。きっと心のどこかで、月美のことを覚えているのだ。
「・・・いませんわ。一人っ子ですのよ」
「そっか、じゃあ私の気のせいみたい♪」
百合は腰を上げてぴょんと一歩前へ飛び出し、にっこり笑って振り返った。
「それなら私が、月美ちゃんのお姉ちゃんになってあげようかな♪」
それは紛れもなく、月美が愛している百合の笑顔だった。
月美が慣れ親しんだ去年の女学園は、どういうわけか幻想の向こうへ消えてしまった。
しかしそこの住人は一人残らずこちらへ引っ越ししてきており、卒業生になってしまったメンバーもいるが、当たり前のようにこの世界で暮らしているのだ。百合を含めたほとんどの生徒が、12月までの記憶を失くし、別の記憶を刷り込まれているが、去年月美と一緒に暮らしていた少女たちと同一人物である。第一、百合みたいな美少女が2人も3人もいるわけがない。
(じゃあ・・・やっぱりここが、私の新しい居場所になるんですのね・・・)
さすがの月美も、ようやく腹をくくった。
目の前にいる百合さんに安心して甘えていいんだと思うと、姿を隠していた今日一日の疲れがどっと月美の体を包み、それと同時に、幸せな安堵が目頭を熱くした。
「あれ、月美ちゃん寒い?」
鼻をグスッと言わせた月美を、百合が心配した。
「・・・さ、寒いですわよ。百合さんが変な長話するからですわ」
「えへへ、ごめんごめん♪」
百合は月美の後ろに回り、月美の細い両肩をふわっと手を置いた。
いつもの月美だったら「・・・触らないで下さい。馴れ馴れしいですわね」みたいなことを言ってさっさと逃げるのだが、この時ばかりはじっとしていた。
「もう・・・馴れ馴れしい人ですわね・・・」
月美はそう言いながら、自分の柔らかいほっぺを百合の温かい手にむにっと押し当てたのだった。