3.再起床
起きた。予定と違って寝入ってしまったが、しょうがない。子供だもの。
ここまで来て元の自分と言う線は薄そうだ。
転生しているか、入れ替わり、辺りで考えていくとしよう。
しかしだ。そもそもここに他の人間はいるのだろうか?
丁重に扱われてはいるようだが、何が出てくるかわからない。
仮にファンタジーでいきなり魔物に類するような者が出てきた時は一体どうすればいいのだろうか?
恐がる? 驚く? 普通に接する……? どれも自然にできる気はしないな。
悩んでいてもしょうがない。案ずるより産むが易しとも言うし、他には当たって砕けろか。あまり砕けたくはないがな。
意味あり気に、枕元の置いてあったコールベルもどきを鳴らすとしよう。
寝る前の捜索の際は、まずは自分の姿を確認したかったから触らなかった物だ。
押し型のはずなのだが……、押しても音が鳴らない。
何度押しても反応がない。まさか壊れているのだろうか?
寝る前は人を呼びそうな行為は避けていたのでこれには触っていなかったのだが……。
ちなみにコールベルもどきはファミレスで見るような物に近しい。
この部屋の物全てに言える事だが木か樹脂のような物しか使われていない。
改めて部屋全体を見直すと、よもやと思えるような考えが生まれた。
「魔法……か?」
「今更何を言ってるのですか?」
独り言に対して返答があった。ドアが開いた音は聞こえなかったのだが……。
そう思いながら声のした方を見ると、
エルフが立っていた。